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自動運転とは、ドライバー(人)がいなくても運転できる技術を指します。この技術はセンサーや人工知能(AI)を活用して車両自ら周囲の状況を認識し、安全かつ効率的に走行することを目指しています。自動運転は交通事故の減少や移動の利便性向上といった多くのメリットがあり、未来のモビリティを大きく変える可能性を秘めています。今回は自動運転技術を理解する上で必須となる「自動運転レベル」について解説します。

「自動運転」とはなにか簡単に解説

完全な自動運転とは、ドライバー(人)が車両の操作に関与せずに運転を行う技術を指します。この技術の核心には、カメラやLiDARといったセンサーを用いたセンシング技術※1CV(コンピュータビジョン)テクノロジー※2AIを用いた環境認識技術、高度なアルゴリズムやAIを用いた状況判断技術などがあります。これらの技術が統合され、システムが周囲の状況をリアルタイムで把握し、安全かつ効率的な運転を実現します。

1 センシング技術:センサーなどの装置を用いて周辺環境や物体の状態を計測し数値化する技術。
2 CVテクノロジー:カメラ画像やLiDAR点群(レーザー光を周囲の物体や地形などに照射して、それらの表面の形状を点の集まりとして表現したデータ)をコンピュータのアルゴリズムで処理し、物体を検出したり、領域をカテゴリーごとに分類したりする技術。

自動運転の仕組みと10の要素技術

自動運転技術を知るために欠かせない「自動運転レベル」とは?

自動運転

自動運転には、モビリティ専門家を会員とする米国の非営利団体「SAESociety of Automotive Engineers)」が定めたレベル0からレベル5までの6段階の分類があります。以下、それぞれのレベルについて詳しく解説します。

【レベル0】運転支援機能がない状態(自動運転なし)
運転を支援する機能が搭載されていないので、認知、判断、操作のすべてをドライバー(人)が行う必要があります。

【レベル1】一部の運転支援機能を搭載(運転支援)
衝突や接触を回避するための自動ブレーキや、高速道路などで前車に自動で加減速しながら追従する自動追従、車両が車線をはみ出しそうになった場合、ハンドルで逸脱しないように調整するレーンキープアシストなどの機能を用いて運転をサポートします。「アクセル・ブレーキ操作」と「ハンドル操作」のどちらか一方の運転支援機能を用いるのがレベル1に該当します。 

【レベル2】複数の運転支援機能を搭載しドライバーが車両を監視(部分的自動運転化)
レベル1の運転支援機能において「アクセル・ブレーキ操作」と「ハンドル操作」の両方の機能を用いて運転をサポートします。ただし、運運転の主体はあくまでドライバー(人)になります。車両の挙動はもちろん、手動か自動かの切り替えも常にドライバー(人)が監視する必要があります。

【レベル3】条件付き自動運転が可能で、特定条件下で車両が運転を行う(条件付き自動運転化)
特定条件下で「アクセル・ブレーキ操作」と「ハンドル操作」の両方を行い、運転の主体はシステムです。レベル2との主な違いとして、ドライバー(人)が常に運転を監視する必要はありません。このレベルでは、ドライバー(人)は走行中に読書やスマホ操作などが可能です。ただし、システムが自動運転に対応できない状況になった場合、ドライバー(人)が即座に介入し、運転を引き継ぐ必要があります。

【レベル4】一定条件下で完全自動運転が可能でドライバーの介入は原則不要(高度自動運転化)
レベル3とは異なり、走行する場所や気象状況、速度、周辺環境等の条件が満たされた環境下であれば、自動運転が困難な状況になってもドライバー(人)の介入は不要です。車両の故障などで自動運転を継続できなくなった場合は、システムによって車両を安全な場所に回避・停車させるなどの措置がとられます。システムが主体となって自動運転が行われます。

【レベル5】いかなる状況でもドライバー(人)の操作が不要(完全自動運転化)
レベル4のような走行する場所や気象状況などの条件を満たさなくても、ドライバー(人)が不要となる完全な自動運転です。

まとめ

自動運転技術は日々開発が進められており、昨年から一部地域で自動運転レベル4の定常運行が始まっています。今後、山間部や沿岸部、都市部など日本各地のさまざまな場所で自動運転技術の実装が進むと期待されています。
次回は自動運転を支える「車両技術」に焦点を当て、センサーやAIの役割について詳しく解説します。

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