車両搬送

人海戦術の完成車の移動

自動車は、生産ラインでの最終検査が完了すると、モータープール(ヤードともいわれる)に移送され出荷を待つことになります。また、一般消費財と異なり、出荷の待機や在庫を確保するために広大な敷地が必要です。

ある試算によると、国内で1日に生産される車両は約1300台とも言われており、多くの自動車メーカーでは、最終検査場からモータプールまでの車両の移動は人海戦術に頼っているのが現状です。労働人口が減少している日本でドライバーや移動スタッフなどの確保も難しくなっており、自動化技術の活用が期待されています。

インフラ協調型の車両移動ソリューション

最近テレビでは、自動運転機能を持つ車のCMを目にする機会が増えてきました。将来的にはこの機能を使用し、ヤードまでに自律走行させることができる様になるでしょう。ただその場合、製品の出荷前にソフトウェアをインストールするなどの仕掛けが必要になると思われます。

Seoul Robotics社が提供するインフラ強調型の車両移動ソリューション“Control Tower”は、ドライブ・バイ・ワイヤのシステムとV2Xの機能を有する車両移動の自動化に大きく寄与します。ヤードまでの車両の移動の為だけに特別なソフトウェアをインストールする事なく、車両のネイティブな機能を活用し、適切な場所まで車を移動させることができる様になります。ヤードの規模に合わせて適切な数のLiDARセンサーを敷設し、コントロールタワーがヤード内の空きスペースを認識し、そこまでの適切な経路を生成し、車両側に指示を与えます。

自動運転機能がついている車両は、この指示に従い、車が指定の場所まで自動で移動することが可能になります。また、このシステムに対応していない車両についてドライバーが車を移動させる必要がありますが、このセンサーとアルゴリズムにより、人流や車両の管理を効率的に行うことが可能になります。今後リリースされるEV車両は通信機能を有しているケースが多いため、EV車の比率が高くなるにつれ、このシステムの貢献度は飛躍的に高くなると思われます。

ドライバー輸送車両の自動運転化

車両の最終検査場からモータープールまでの車両輸送は、ドライバーが行うのが一般的です。ある自動車メーカーではこの車両輸送距離は約1km1人のドライバーが1日に80-100台の車両を移動させているそうです。

ドライバーは完成車両をモータープールに移動させた後、次の車両を輸送する為に自動車の最終試験場に戻りますが、その際にドライバー移動の為の専用の車両を使っています。

この移動専用の車両は、最終検査場からモータプールの間で、「ドライバーの待機」、「移動」、「ドライバーの搬送」を行い、ドライバーの降車後は「空車で戻る」を繰り返しています。

ここで、自動運転技術を導入し、ドライバー移動の専用車両の往路(モータープールまで)移動を自動運転化することにより、車両輸送現場での効率化が実現できます。

このシステムは、すでに大手自動車メーカー様でご評価および実証実験が完了し、実運営のフェーズに入り、効果を確認されております。

マテハン向け自動運転トラクター

製造工場では、部材搬送の効率化も重要な課題です。車両を製造する為には様々な種類の部材が必要であり、それらの重量やサイズは様々です。特に鋳物や鉄板など重量がある部材のハンドリングについては、小型の牽引車と台車を使用し、工場内の建屋を移動する事も多いと思われます。

重量のあるマテハンの移動に自動運転トラクターの活用があります。

NAVYA社の自動運転トーイングトラクターは、空港や工場・プラントなどにおいて、貨物や手荷物を積載したコンテナを自動搬送し、省力化の実現、労働力不足やコストの改善に貢献します。

この自動運転トーイングトラクターは、フランスのCHARLATTE MANUTENTION社の電動トラクター車両「AT135」にNAVYAの自動運転システムを実装しています。自動運転での最高速度は15km/h(手動運転最高速度25km/h)、最大重量25tまで牽引が可能です。

このサービスは欧州のOEM様の工場で検証作業が進められております。

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