自動運転を活用したモビリティサービス(MaaS)の実用化について、求められる仕組みや関連ソリューションを紹介します。

自動運転の実用化に求められる仕組み

地域や施設などにおいて自動運転のモビリティサービスを実用化するためには「機能」「事業」「運用」に関わる3つの仕組みづくりが重要であると考えられます。また、このうちどれか1つでも抜け落ちると自動運転の社会実装を進めることは難しくなります。

自動運転の実用化に求められる3つの仕組みづくり

機能:自動運転に対応したシステムの構築

「機能」に関わる仕組みづくりは、自動運転のモビリティサービスに対応したシステムの構築です。自動運転車両を安心・安全に運行するためには、自動運転に対応した車両だけでなく、様々な技術の組み合わせが必要になります。

例えば、ドライバーのいない無人運行が想定される自動運転では、乗客の見守りや緊急時のトラブル対応などのため、遠隔地のオペレーターが複数の自動運転車両を運行管理することが求められます。これを実現するためには、車両の位置情報や車室内のカメラ映像などをリアルタイムに取得し、遠隔地で可視化するためのデータプラットフォームが必要になります。

また、交差点のあるルートを自動運転で運行する場合では、信号機のサインに応じて前進や減速・停止などを自動で判断することが求められます。これには、車両と信号機が通信して事前に信号情報を取得する「信号協調」と呼ばれる技術によって対応します。

その他にも、車両の予約・配車や乗車運賃の決済をするアプリケーションなど、様々な技術を組み合わせることで、自動運転のモビリティサービスに対応したシステムを構築することが必要です。

事業:持続可能なビジネスモデルの構築

「事業」に関わる仕組みづくりは、自動運転のモビリティサービスにおける持続可能なビジネスモデルの構築です。サービスの運用には費用が発生するため、事業採算性に期待のできるマネタイズの仕掛けが必要になります。

公共交通などでは乗車運賃による収入が一般的ですが、乗車運賃だけでは採算を確保できないことも多くあります。そこで、モビリティサービスを移動手段として提供するだけでなく、様々な分野との掛け合わせにより収入源の多角化やサービスの最適化を図ることが有効と考えられます。

例えば、ハンドル・アクセル・ブレーキといった運転席の存在しない自動運転車両では、車室空間が広く設計されているため、車室内にデジタルサイネージなどを設置して広告配信を行うことができます。これにより、広告売上による収入源の多角化に期待できます。

また、自動運転車両はカメラやLiDARなどの様々なセンサーを搭載しており、走行中に周辺環境の情報を取得しています。この情報から道路やガードレール、電柱などの状態を把握することで、社会インフラのメンテナンスの自動化に役立てることができます。

このように、様々な分野との掛け合わせにより自動運転のモビリティサービスにおける持続可能なビジネスモデルの構築が必要です。

運用:持続可能なオペレーション体制

「運用」に関わる仕組みづくりは、自動運転のモビリティサービスを支えるオペレーション体制の構築です。サービスを運用するためには様々な役割が存在し、特定の事業者が単独で行うことは難しいため、複数のパートナーと連携して役割分担することが必要です。

自動運転車両の運行では、前述の通り遠隔地のオペレーターによる運行管理が求められます。これには、車両の運行管理を専門とする地域の交通事業者などの協力が必要になります。

また、車両の取り扱いでは、定期的な法定点検などの保守・メンテナンスが発生するため、地域の整備会社とも連携するようになります。

さらには、万が一の事故の備えとして、自動運転に特化した保険プログラムを提供する保険会社や、車両導入の初期負担を軽減するためにリース会社と連携することもあります。

このように、パートナー連携により役割分担をすることで、自動運転のモビリティサービスを支えるオペレーション体制の構築が必要です。

自動運転MaaS向けソリューション

MaaS支援サービス

自動運転の実用化をトータルサポート

自動運転車両を活用したモビリティサービスの実用化を支援します。お客様の要求に合わせて最適な車両・システム構成の提案、実証実験などの事前検証、自動運転の実装作業、運用における保守・メンテナンス、導入効果の最大化までトータルサポートします。様々なユースケースに合わせて、最適なサービスモデルを設計し、自動運転の活用を実現します。

マクニカモビリティデータプラットフォーム(MMDP)

モビリティデータの収集・伝送・蓄積をリアルタイムかつ信頼性を確保した上で実現することのできるプラットフォームです。経時的に変化する大容量かつ高精細な時系列データを正確に把握することで、モビリティの運行管理などに役立てることができます。また、様々なフィールドにおける多様なAIモデルの迅速な開発と実行環境を提供します。 

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