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観光DXが遅れる日本の観光業界:課題と現状を徹底分析

新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいた観光業界ですが、コロナ前よりもインバウンドが過去最高のペースで増加しています。この観光業界の回復は、政府が後押しする地方創生の実現に大きく貢献するといわれています。地方創生には雇用の創出が必須です。そのため、地方都市では多くの観光客を招き入れ、観光客を迎え入れるスタッフを雇用することで、地方創生につなげることが可能となります。

そこで必要になるのが、観光客が訪れやすい環境を整備することです。観光体験を向上させ、質の高いサービスを提供できれば、多くの観光客を呼び込むことができるでしょう。 

しかし課題もあります。おすすめの観光スポットがどこにあるのかわかりにくいケースや、観光マップにバスの時刻表が載っていなかったり、地図アプリが最新の時刻表に対応していなかったりするケースも多く、乗車時刻を把握できず周回ルートがわかりにくくなることもあるでしょう。観光DXが進んでいないことで課題を抱えたままの地域が多く存在するのが現状です。

つまり、観光DXの促進こそが、観光サービスの質や利便性の向上をもたらすのです。

観光DXが進まずこんなことに困っていませんか?

 観光地では、紙の観光マップを用意している場所が多いですが、掲載できる情報量に制限があります。また、日本語のみの観光案内板があったり、日本語以外話せないスタッフしかいなかったりして、コミュニケーションに支障をきたしていることもあるでしょう。そうなると災害発生時の対応も懸念されます。

日本の観光案内は時代遅れ?見えてきた課題

多くの観光地では、魅力を伝えるために紙の観光マップを用意していますが、紙だと記載できる内容に限りがある点が課題です。

例えば、紙の観光マップには観光地全体の地図が掲載されていても、観光地の情報と公共交通機関の情報を一緒に掲載することが難しく、さらに各観光スポットの詳細な情報や人気飲食店のおすすめメニューなどは載っていないこともあります。また、周辺のバスの時刻表なども記載されていない場合が多いです。

そのため、観光客は紙のマップを見ながら、スマホやタブレットなどでバスの時刻表を調べるといった手間がかかり、限られた時間の中で効率的に観光を楽しむための最適なルートも把握することは困難です。

インバウンド対応の遅れがもたらす影響とは

多言語対応できていない観光地が多いことも課題となっています。案内板が日本語のみで書かれていることや、案内板の数が多くて書き換える余裕がないケースもあるでしょう。また、言葉の壁によって外国人観光客とコミュニケーションが取れないなんてことも。そのほか、公共交通機関の利用方法がわからなかったり、ベジタリアンや宗教・宗派のルールに配慮したメニューを提供している飲食店を見つけられなかったりすることもあるでしょう。

さらに、外国人観光客が急病になったり、災害が発生したりしたとき、避難誘導がスムーズに行えないケースも想定されます。

観光地の課題を解決する鍵:DX化がもたらすメリット

観光庁は、旅行体験の満足度向上が必要だと訴えていますが、オーバーツーリズムや地元民とインバウンドの共存などが課題となっています。観光DXを促進するうえで注意すべき点はどのようなところにあるのでしょうか。

観光庁が示すDX推進の重要性

観光庁は、訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備の必要性について、旅行環境を世界最高水準に高めることで、地方部も含めた旅行体験の満足度を一層向上させることが必要だとしています。これにより、旅行者を日本の強力なファン層とし、口コミ効果により訪日関心層の拡大を図れると考えています。

その一方で、一部の地域ではオーバーツーリズム(観光公害)が問題になっています。観光地に訪日外国人旅行者が殺到することで、混雑や渋滞、ゴミのポイ捨てなどが発生し、地域住民が公共交通機関を利用しにくくなるトラブルも起きています。オーバーツーリズム対策が徹底され、混雑を解消できれば、地域住民と旅行者の双方の満足度が向上します。観光DXは、オーバーツーリズム対策にもつながる可能性があるため、DXの推進は急務といえるでしょう。

観光地をDX化するというと、得てして地方に目が向きがちですが、都市部も含めた国内すべての観光地で訪日外国人旅行者が訪れている現状を踏まえると、あらゆる観光地で観光DXを推進し、外国人の受け入れ体制を構築する必要があります。

地元住民とインバウンド観光客の共存を実現する方法

観光庁では、持続可能な観光地域づくり戦略を掲げています。この戦略では、観光産業の収益力と生産性を向上させ、地域社会や経済に好循環を生む仕組みづくりを推進しています。旅行者の利便性向上、周遊促進、観光産業の生産性向上、観光地経営の高度化、観光デジタル人材の育成・活用において、観光DXが重要であるとして積極的に取り組む姿勢を見せています。

持続可能な観光地域づくりを進めるためには、地元の住民や働く人々、日本国内からの観光客と外国人観光客のいずれも共存できる地域を目指さなければいけません。観光地において、生産性や利便性の向上、そしてコミュニケーションの促進が重要な課題となっているのです。

観光DXに最適な「デジタルマップ」とは?その特徴を解説

今まで述べてきたように、観光地では店舗の混雑や交通渋滞などが慢性的な課題となっています。多くの観光地ですでに取り入れられている紙の観光マップや案内板では、最高の観光体験を提供することは難しくなってきています。インバウンドの対応にも適応しきれていません。こうした課題を解決するために、観光DXが各地で進んでいます。そのうちのひとつである「デジタルマップ」も課題を解決するために適した観光DXといえます。

観光地の魅力をリアルタイムで発信する仕組み

デジタルマップは、地理情報をデジタル形式で表現した地図のことです。紙の地図とは異なり、スマホやタブレットなどのデジタルデバイスで閲覧、操作することが可能です。

紙の観光マップをデジタル化すれば、紙や印刷にかかる費用を抑え、ペーパーレス化によるコスト削減、環境負荷の低減が見込めます。店舗所在地などの静的な情報だけでなく、店の混雑状況、交通渋滞などの動的な情報もリアルタイムで提供できるようになります。例えば、観光地を周回しているバスがどこを走行しているかを把握できたり、フラワーパークの開花状況を知らせたりすることも可能です。

初めてその観光地を訪れる、土地勘のない旅行者にとっては、観光マップ上で自分の現在地と目的地を同時に把握できるため、観光体験の向上につながります。

多言語対応でインバウンド観光をサポート

紙の観光マップでは、多言語対応に限界があります。しかしデジタルマップなら、多言語に対応でき、訪日外国人旅行者の出身国に合わせた柔軟な対応が実現できます。スタッフと旅行者のリアルタイムなコミュニケーションも容易になり、デジタルマップ内に画像や動画を使用し、おすすめの観光スポットを外国語で案内することもでき、街の魅力を余すことなく伝えられるでしょう。

また、ひとつのアプリで詳細な観光情報、バスの時刻表やリアルタイムな運行状況、さらに店舗のメニュー情報などを一元的に配信できるようになるため、旅行者の利便性が向上します。そのほか、店舗の開閉業、混雑具合などがリアルタイムで更新できるというメリットもあります。

地域独自の文化や名所を最大限に引き出すデジタルマップ

デジタルマップを活用すれば、目的地への最適なルートを調べることができたり、公共交通機関を使った歩行者向けのルートを提示したりすることもできます。また、観光スポットのレビューや評価を確認できるため、利用する施設を選択する際の参考にもなります。

関東地方のある観光地では、混雑を緩和しオーバーツーリズムを防止するため、混雑状況に応じたルート提案にデジタルマップが使われています。また別の観光地では、地域の食文化や歴史探索、季節や時間帯に応じた独自のコンテンツを含めたルート提案を行って、独自の魅力を発信しています。

観光体験をワンストップで提供するサービス

デジタルマップは、観光に必要なすべてのサービスをワンストップで提供できることも特徴です。飲食店の予約・決済もデジタルマップを通して完結できます。また、独自のクーポンをデジタルマップ経由で配信して来店を促すなど、販促ツールとしても活用できます。さらに、特定のスポットを訪れてデジタルスタンプを集めるとクーポンを獲得できる機能を搭載するなど、集客力を高めるキャンペーンを展開することも可能です。

政府は、訪日外国人旅行者を積極的に呼び込む方針を打ち出しており、今後インバウンド需要のさらなる高まりが予想されています。このような背景から観光DXの拡大は急務となっています。

オリジナルデジタルマップを作成できる「プラチナマップ」

さまざまなデジタルマップが世の中に存在しますが、その中でもおすすめなのが、「プラチナマップ」です。プラチナマップは、街全体の広域エリアから商業施設内のフロアガイドマップまで、多種多様なエリア情報をデジタル化できる観光DXプラットフォームです。

バスやクルーズ船などの位置情報や混雑状況をリアルタイムで配信できるのはもちろん、デジタルスタンプラリーの開催、クーポンの発行、施設の予約・決済などの機能も搭載でき、観光やショッピングに必要なサービスをワンストップで提供できます。

観光クーポンで誘客&回遊性を向上させる方法

プラチナマップは、ショッピングモールや動植物園、水族館などの屋内施設でも利用可能です。利用者がスマホで特定の施設をタッチすれば、施設の詳細な地図情報にアクセスでき利便性向上にもつながります。

また、自治体がプラチナマップを導入することで、観光促進に役立つイベントを開催できます。例えば、デジタルスタンプラリー機能を利用し、観光スポットをまわるごとにスタンプを集める企画を実施できます。スタンプを集めた利用者にデジタルクーポンを発行すれば、観光地の販売促進と回遊性の向上が期待できるでしょう。

観光DXに最適なソリューションを提供するマクニカ

マクニカでは、観光DXに最適なソリューションを提供しています。そのひとつが、自動運転EVバスです。デジタルマップと自動運転EVバスを組み合わせれば、観光地が抱える課題を解決でき、地域の魅力を最大化できます。

マクニカの自動運転EVバスとは?

マクニカでは、観光DXにも適した自動運転レベル4に対応した自動運転EVバス「EVO」を提供しています。公道での走行はもちろん、公共交通ネットワークと接続し、交通弱者の支援や渋滞緩和といった社会課題の解決にも効果を発揮します。

すでに23カ国以上で200台の導入実績があり、快適な輸送を実現するとともに、集客力やコストの改善にも寄与しています。

さらに、自動運転EVバスは運行管理システム「everfleet」と連動させることで、位置情報や混雑状況などをリアルタイムで把握できるようになります。EVOeverfleetを合わせて活用すれば、観光地での快適な人員輸送をサポートできます。

お問い合わせ

当社マクニカでは、プラチナマップをはじめ、自動運転に関するさまざまな製品やサービスを提供しています。観光DXに関するご質問やご要望などがありましたら、以下よりお気軽にお問い合わせください。