新型コロナウィルスの検体搬送

2020年4月現在、新型コロナウィルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言に伴い、不要不急の外出自粛要請が続く中、まだまだ終息の兆しが見えない状況ですが、自動運転技術を活用した対策の取り組みについてご紹介します。

自動運転シャトルバスによる検体の自動搬送

米国フロリダにあるメイヨー病院では自動運転シャトルバスを活用して、医療用品や新型コロナウィルス検体の自動搬送を行っています。これにより逼迫した医療現場において搬送作業の負担を削減し、医療従事者は患者の治療に専念することができます。そして、何より医療従事者や作業スタッフへの感染拡大防止に大きく貢献しています。

2020年3月30日より4台の自動運転シャトルバスにて運用を開始、検体は病院近くにあるドライブスルーの検査場から病院内のラボまで自動搬送しています。自動運転シャトルバスにはドライバーは乗車しておらず、医療用品や検体のみを積載して自動搬送していますが、指令センターによって運行を常時監視しています。また、搬送ルートは歩行者や病院スタッフなどから完全に隔離されたエリアに設置されており、安全な検体の自動搬送を実現しています。

NAVYA自動運転シャトルバスとは

検体の自動搬送にはフランスNAVYA社の自動運転シャトルバス「ARMA」を使用しています。NAVYAは自動運転による社会課題の解決をミッションとして、自動運転シャトルバスなどのソリューションを提供しています。NAVYAの自動運転ソリューションは安全走行・運用、ユーザビリティ、事業性を意識した設計となっており、自動運転の実用化を支援しています。

NAVYA自動運転シャトルバス

 

NAVYAの自動運転シャトルバス「ARMA」は自動運転システムを搭載したEV車(電気自動車)です。最高速度は25km/h、乗車定員は15人、1回の充電で約9時間走行することができます。自動運転システムにはLiDAR、カメラ、GNSSなど、最先端のマルチセンサー技術が採用されており、独自の自動運転アルゴリズムと合わせて、信頼性の高い自動運転を実現します。自動運転シャトルバスの導入では、要件定義から事前調査/検証に基づくシステム設計、走行条件設定(ODD)やマップ作成などから運用における保守メンテナンス、効果検証までトータルサポートしています。

自動運転シャトルバス「ARMA」は、自動運転の実用化において最適なソリューションです。マクニカでは今回の事例のように、病院などにおける自動運転の活用のため、コンサルティングから導入支援、アフターサービスまでトータルでサポートさせて頂きます。製品に関する詳細情報は以下バナーリンクよりご確認下さいませ。

 

広がりを見せる自動運転の活用

メイヨ―病院の最高経営責任者(CEO)のKent Thielen氏は「最先端の自動運転技術を活用することによって、医療スタッフは感染を防止するとともに患者の治療に専念することができる」と語っています。これまで自動運転は渋滞、地方交通弱者、ドライバー不足など「交通課題」の解決策として活用の検討が多く進められてきましたが、今回の新型コロナウィルス検体の自動搬送のように、様々なユースケースにおいて自動運転の活用事例が増えてきています。自動運転は今後更なる技術の発展とともに、より多くの「社会課題」の解決のため活用が期待できます。

 

マクニカでは、自動運転に関する多くのソリューションを提供しております。自動運転に関するご興味やお困りごとなどございましたら、お気軽にお問合せ下さいませ。 

最後に、今回の新型コロナウィルスの早期終息を願うともに、最前線で治療や予防にご尽力されている医療従事者の方々に心から感謝申し上げます。