ソフトウェアファーストのクルマづくりを加速させる
次世代車載通信フレームワーク
DDS が支える車両ライフサイクルのソフトウェア進化
自動車業界では、ドライバーの方々に対して商品の魅力を高めるため、車両の開発段階からアフターセールスに至るライフサイクルを通して、ソフトウェアや機能を効率的に開発・進化させる仕組みが求められています。
従来は、ソフトウェアが特定のハードウェアに強く依存していたため、開発効率向上やアップデートの柔軟性に制限がありました。
RTI のDDS のソリューションを活用することで、ソフトウェアをハードウェアからデカップリングし、ソフトウェア資産の拡張性・流用性を向上します。これにより、車両のライフサイクルを通したクルマの魅力向上を容易にします。
また、ミドルウェアとしてQuality of Service (QoS)機能、セキュリティ機能を持っていますので、アプリケーション開発者の方々はそれ以外の差別化領域にリソースを集中させることができます。
これらにより、開発コスト削減、開発期間短縮、OTA (Over The Air) による車両機能販売後の継続的アップデート、そして市場競争力強化を実現できます。
DDSをベースにしたRTI Connext Driveは車載分野では200万台超の量産車への搭載実績があります。ISO26262 ASIL-D認証も可能な高信頼ソフトウェアフレームワークであり、次世代の車両開発を支える技術です。
幅広い対応力と信頼性で選ばれるRTI DDS
DDSはQoS、セキュリティ設定といった機能をミドルウェアとして有しているため、開発者は一からアプリを開発する必要がありません。
1.OMG DDS標準の完全実装
- 全API、ワイヤプロトコル、型システム、QoSをフルサポート
2.多言語・多プラットフォームに対応
- 幅広い言語と多くのOS、CPUに対応
3.多様なトランスポート
- 用途に応じた最適な通信方式を選択可能
4.安全認証パッケージ
- 認証エビデンスを提供可能
5.実績と高信頼性応
- 2000件を超えるデザインウィン、200万台超の量産車両に搭載
6.DDSの専門家による直接支援
- システムの設計および最適化、トラブルシューティングまで幅広く対応
車載ソフトの未来を拓くRTI DDSの利点
1.アプリケーション開発のスピードアップを実現
- Databusコンセプトで拡張性を確保
- Zero-copyでAD/ADAS等の大容量データをリアルタイム高速処理
2.豊富な量産実績&AUTOSARとの統合
- 年間200万台超の量産車に搭載実績
- ISO26262/ASIL-D準拠
3.新旧PFの統合が容易
- AUTOSAR CP/ AP、ROS2、各種POSIX OSや、Androidなど幅広いプラットフォームに対応
- 将来発生する市場ニーズに応じて開発される新たな機能と、既存のプラットフォームの統合が容易
4.既存ソフトウェアを流用できる
- 豊富な対応プラットフォームと "Data-centricコンセプト" で、ハードウェアとソフトウェアをデカップリング
- 既存ソフトウェア資産への修正を最小限に抑え、新しいハードウェアプラットフォームへの流用が容易に
5.“edge to cloud”まで適用可能
- 車両内部の通信、車両・クラウド間の通信にも適用可能
- ネットワークの物理層に影響を与えることなく運用可能
- 開発工数の低減とコスト削減を実現
RTI DDS製品群 ― 信頼と実績の通信基盤
RTIはDDS規格の創設メンバーであり、ハイパフォーマンス制御、ツールでの歴史があります。21年を超える商用製品としての開発・販売経験があり、車載、防衛、医療、産業制御、発電、通信といった分野での実績があります。
製品説明
DDS標準に基づく通信フレームワークソフトウェアは、以下の製品群から成り立っています。
Connext Driveは、ADAS/AD開発のための車載量産グレードの通信フレームワークであり、Connext Professional、Connext Cert、Connext Microを自動車向けに統合したパッケージで、今は200万台超の量産車両で使用されている実績があります。
OEM向けのユースケース
例)
- ゾーナルアーキテクチャ、セントラルECUアーキテクチャへの対応
- AD/ADASにおける大容量データ転送の最適化
- ROS2ベースアプリケーションの量産対応
RTI Connext Professionalは、DDS標準を完全に実装したコアソフトウェア製品であり、大規模かつ高信頼性が求められるシステムを開発するさまざまな業界の開発者に最適です。現在、世界で 2000 件を超えるデザインウィンの実績があります。
主な特長は以下のとおりです:
- 複数の言語(C、C++、Java、C#、Python、Ada、JavaScript など)および複数のプラットフォーム(Windows、Linux、macOS、QNX、Android、その他のOSやRTOSにもカスタマイズ対応可能)をサポート
- 複数のTransport(Shared Memory、UDP、TCP、TLS、その他、カスタマイズ可能)をサポート
- 最も充実したQoS機能とツール群(Admin Console、System Designerなど)を提供
RTI Connext Certは、RTI Connext Microをベースにした安全認証向けDDS実装です。DO-178C DAL A(航空)、ISO 26262 ASIL D(自動車)、IEC 61508 SIL 3(産業)などの厳格な安全規格への認証を容易にします。
- サポート言語:C
- サポートプラットフォーム:QNX OS for Safety、FreeRTOS、Linux、Windowsなど、認証済みプラットフォーム
- サポートトランスポート:UDPv4、INTRA(プロセス内通信)、共有メモリ(プラットフォームによる)、Zero Copy等
- QoS機能:Connext Microのサブセット(安全認証に必要な機能のみ)
RTI Connext Microは、リソース制約のある組込みシステムや、フォーマルな安全認証が必要なシステム向けに設計された、軽量なDDS実装です。Connext Professionalと同様にOMG DDS標準に準拠し、堅牢で予測可能なリアルタイム通信を提供します。
- サポート言語:C、C++
- サポートプラットフォーム:幅広いOS/ハードウェア(Windows、Linux、macOS、QNX、FreeRTOSなど)、移植性を重視した設計
- サポートトランスポート:UDPv4、INTRA(プロセス内通信)、共有メモリ(Connext Micro 4.xのみ)、カスタムトランスポートも可能
- QoS機能:DDS標準のサブセットをサポート(DEADLINE、RELIABILITY、DURABILITYなど)
製品ポートフォリオ
機能安全から開発環境までの製品表
開発ツール
開発段階における、通信パフォーマンスやボトルネックの解析を行うことができます。
① Admin Console
全体の可視化・監視・管理を行うためのツールです。QoSや型の不整合、通信エラーの診断、リアルタイムデータの監視などに役立ちます。
② System Designer
GUIベースでDDSシステムの設計・構成ができるツールです。XMLベースのアプリケーション定義や型定義、QoS設定などを直感的に行えます。
③ Code Generator (rtiddsgen)
IDLやXMLで定義したデータ型から、各言語(C、C++、Java、C#、Pythonなど)向けのサポートコードを自動生成します。開発の初期段階や型変更時に非常に便利です。
④Connext AI
Connext AIは、RTIの膨大なドキュメント、トレーニング、実例、データモデル、専門知識を学習したAIアシスタントです。
⑤RTI Perftest
Connext DDSアプリケーションのスループットやレイテンシなどのパフォーマンスを正確に測定できるツールです。
RTIの実績
- 21年を超える商用製品の開発・販売経験
- 実績:車載、防衛、医療、産業制御、発電、通信
- 500,000以上のライセンス
- 米国DoD Technology Readiness Level(TRL)9
- DDS技術に特化した世界最大のエンジニアリングチーム
- 200万台超の量産車両への搭載実績を持ち、重機・建機向けの搭載実績もあります。