左から株式会社ナカヨ生産技術部 部長の三島様、同部生産技術課 設備設計係長の小林様、ものづくりサポートセンター 課長の茂木様

株式会社ナカヨは1944年の創業以来、情報通信機器メーカーとして、情報通信機器分野の発展に大きく貢献されてきた会社です。
現在は、主力のビジネスホンシステムを中心に、情報通信分野でお客様のニーズに応えるさまざまな製品を生産されています。
また、先端技術の導入にも意欲的でIoTやAIといった新しい技術を組み込んだ、ものづくりとサービスの提供を進めています。

今回は、ものづくりサポートセンター 課長の茂木様、生産技術部 部長の三島様、同部生産技術課 設備設計係長の小林様と弊社エンジニアの浅見から、工場で必須となるエアーコンプレッサーの安定稼働への取り組みについてお話を伺いました。

課題解決まで、複数回に分けてお届けします。

会社全体でのスマートファクトリーへの積極的な取り組み

―今回のエアーコンプレッサーの安定稼働に取り組んだきっかけを教えてください。

三島様:私は生産技術部で、製造工程の最適化をミッションとして進めています。
製造工程の可視化を自社で進めていますが、インフラの稼働状態可視化に関しては電力使用量以外は実施しておりませんでした。
しかし、工程で必要となるエアーの安定供給に課題があり、今回エアーコンプレッサーの稼働状態の可視化をすることになりました。

三島様

―まず、自社で製造工程の可視化を進めているとのことですが、簡単に取り組みを教えていただけますでしょうか。

三島様:ナカヨは製造現場を効率化させることに意欲的な会社でして、「製造革新」を行うチームが設置されていて、さまざまな改善活動が行われています。
その中の一つのプロジェクトとして、5年ほど前から機械の製造工程の可視化をはじめとするスマート工場化に取り組みはじめました。
私が所属する生産技術部を中心に、現場や開発部門を巻き込んだプロジェクトです。

現在では各工程のさまざまな機器にセンサーを取り付け、誰でもわかるように品質状況を画面に表示し、課題にすぐに気づくことができるようにしています。
センサーの取り付けは私たちが独自で行い、見える化のソフトは各工程の現場担当の要望にあわせ、社内の開発部門がスクラッチで開発しています。

 

▲機械に取り付けられた外付けセンサー

▲ナカヨ製稼働情報収集装置

各工程に設置してある稼働状態の可視化の画面の写真

―自社でセンサーの取り付けから可視化ソフトの開発まで行っているのはすごいですね!
工場建屋が4つあるのですが、ほぼすべての工程でデジタル化を進めており、稼働状態の監視が可能になっていました。また、ロボットの導入もされていました。 

三島様:どの工程も最適化を目指して進めています。
ロボットは組立作業、搬送を自動化するために導入しました。
初めて導入する際は立ち上げまでに非常に苦労しましたが、2台目からはすべて社内で設計を行い、無事に稼働させることができています。 

―5年ほど前から着実に機械のデジタル化や可視化を進めたことによりスマートファクトリーが実現できているんですね。
先進的な取り組みを積極にされていて素晴らしい工場だと思いました。

エアーの安定供給と省エネへの課題

―さて、コンプレッサーのことについてですが、なぜ工場インフラの中でもコンプレッサーの稼働状態監視に取り組もうと思ったのでしょうか?

三島様:以前、コンプレッサーの吐出圧力が低下し、一部の機械やエアガンへのエアーの供給が不意に止まってしまう事象が発生しました。
同じタイミングで多くのエアーを使用したためだと考え、コンプレッサーの圧力を上げ、余裕をもたせた設定にしました。
それによって想定外の生産設備の停止は防げましたが、圧力を上げた分、消費電力が多くなってしまいました。

国が定める省エネ法では、工場に関しては中長期的にみて、年平均1%以上のエネルギー原単位を低減する努力義務が設けられています。※1

コンプレッサーの消費電力は一般的に工場の20パーセント前後を占めているといわれているため、工場の省エネを推進するためにはコンプレッサー設備の省エネ化は重要な課題となっています。
しかしエアーの安定稼働を優先させるためにコンプレッサーの圧力を上げたことにより、難しい状況になっていました。

―御社のコンプレッサーの構成と問題が発生した状況について教えてください。

小林様:私は工場のインフラ整備の維持・管理担当しています。今回の課題も私が実際に手を動かして、マクニカさん手伝ってもらいながら解決のために動いています。
まず、コンプレッサーの構成ですが、ナカヨには3台のコンプレッサーがあり工場建屋の外2か所のコンプレッサー室で集中管理しています。
この2か所のコンプレッサー室から各工程や設備へ配管しエアーを供給しています。
常時1.5台を稼働するようにしており、不測の事態に備えるため、待機用の1.5台が自動で稼働するような仕組みにしています。

ナカヨ工場配管図

もしコンプレッサーの空気圧が足りなくなっても影響は出ないような構成にしているのですが、今回のような問題が起きてしまいました。

実際にエアーが止まった時、現場担当からエアーの供給が止まったと連絡があるのですが、見に行ってみるとその間に圧力が正常に戻り、問題なくエアーが供給されてしまっています。
結局その場では漏れがないかどうかの確認をすることしかできません。

集中してエアーが使用されるタイミングがわかれば問題個所の目星が付くと思ったのですが、設備に組み込まれているエアーであれば自動で稼働しているのである程度予測がつくものの、人が使用するエアガンに関しては予測がつきません。人と日、生産品目よって使うタイミングが違うからです。

問題個所が配管にあるのか、各工程のエッジ側にあるのか、おおもとのコンプレッサーに問題があるのかなど、さまざまな問題への切り口があるため、解決のためにはどこから手を付けていけばいいのか判断に迷っていました。

そこで以前からお付き合いのあるマクニカさんがスマートファクトリーの取り組みを行っていると知り、相談することになりました。

小林様

―エアー供給が止まる原因が不明なため、安定供給するためには圧力を上げなければならなかった、しかし省エネには反する対応になってしまったということですね。

 

さて、後編ではコンプレッサーの稼働状態可視化を目指し、特定の工場建屋のエアー供給状態を把握するための取り組みについてお伝えいたします。

 

※1出典:経済産業省エネルギー庁のホームページより
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/factory/obligation/index.html

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