時系列データ解析ソフトウェア Sigma

Sigmaは、実際に音や振動データの分析を行っている産業機器の状態診断エキスパートが開発した時系列データ解析用ソフトウェアです。長年の時系列データ診断経験に基づいて設計されており、シンプルなインターフェースで膨大な測定データを管理し、各測定データの波形や周波数スペクトル・特徴量の確認など、詳細分析を行うことができます。

Sigmaの特徴

01  直観的なデータ管理

Sigmaに読み込んだ測定データは、アプリケーション内で作成可能なフォルダを用いて、ドラッグ&ドロップなどの一般的なファイル操作を行うことにより直感的に管理することができます。

 

 

 

 

 

 

 

02 柔軟なデータ読み込み機能

各種設備で測定された様々な形式のデータを読み込むことが可能です。さらに、WAVE形式の音声データも読み込み可能です。取り込んだデータはそれぞれレコードとして管理されます。

 

 

 

 

 

03  簡単操作で信号を表示

レコードをダブルクリックすることで時系列データの波形を表示できます。また、マウス操作により波形の拡大・縮小・平行移動を行うことができるほか、ボタン1つで周波数スペクトルへの切り替えができます。

 

 

 

 

 

04  多彩な信号表示機能

複数のレコードを1つのグラフエリアに重ねて表示することができるほか、1つのウィンドウ上でそれぞれ個別のグラフエリアに分けて表示することができます。描画色の変更など詳細なカスタマイズも可能です。

 

 

 

 

05  パワフルな信号処理機能

バンドパスフィルタやエンベロープ、自己相関などさまざまな信号処理を用いた、高度な詳細分析を行うことが可能です。また、スペクトログラムにて直感的に信号を比較することができます。

 

 

 

 

06  特徴量とトレンド表示

RMSや平均値など基本的な特徴量を計算可能なほか、簡単な操作でユーザ独自の特徴量を定義できます。さらに、特徴量のトレンドグラフやしきい値による判定結果を表示することができます。

 

 

 

 

モニタリング機能

Sigmaはマクニカ製データ収集用ターミナル(SENSPIDER)に対応しており、機器のリアルタイムモニタリングを行うことができます。また、CSVなどテキスト形式でデータを書き出すことができるその他のロガーでも、リアルタイムモニタリングすることが可能です。

 

 

モニタリング画面では信号の波形やFFT、スペクトログラムをリアルタイムで確認することができます。
また、RMSなど特徴量のトレンドを表示し、測定対象機器の状態の推移をトレンドグラフとして確認できます。
しきい値を設定している場合は、データを測定ごとにリアルタイムに判定結果を表示します。

Sigma・SENSPIDERの構成例

AIモジュール機能

Sigma AIモジュールでは、基準となるデータセット(正常データセット)と評価対象データとの差異を、機械学習により評価することが出来ます。
基準データセットを構成するパラメータのばらつきや相関関係などを考慮した評価を行うことにより、単純な1パラメータのしきい値監視と比較して、より高度な異常検知が可能になります。

左図は1つのサンプルが2パラメータを持ち、それらに正の相関がある場合の例です。

緑の楕円は、MT法の評価値(基準データセットからどの程度距離が離れているか)の等高線です。
等高線が2つのパラメータの相関(角度)とばらつきを反映した楕円となっているため、AよりもBの方が異常の程度が大きい、と判定することができます。
それぞれのパラメータの個別のしきい値監視では、このような評価はできません。

アラート機能

Sigmaは、モニタリングしているデータがしきい値を超えた場合、異常を知らせるメールを管理者へ送付したり、異常を音で知らせたりできるアラート機能の設定が可能です。アラート条件はユーザーによってカスタマイズすることができます。これにより、プロアクティブ保守を実現します。

Sigmaの活用事例

1. 工場での活用 ①
— 重要機器のリアルタイムモニタリング —

Sigmaに読み込んだ測定データは、アプリケーション内で作成可能なフォルダを用いて、ドラッグ&ドロップなどの一般的なファイル操作を行うことにより直感的に管理することができます。

 

 

 

 

 

2. 工場での活用 ②
— 診断技術の伝承 —

機器が発する振動や異音、熱などの情報を五感を用いて定性的に診断する場合、診断する人の技量によって結果が左右されます。機器が発する情報をセンサで測定しSigmaで分析することにより、機器状態を定量的に把握できるようになります。

 

 

 

 

 

3. 研究開発での活用

機器の動作時に発する振動などをSENSPIDERなどのデータロガーでロギングしSigmaで分析することにより、製品の動作状態や耐久性の評価に活用できます。分析結果を製品の設計や製作過程にフィードバックすることで、信頼性の高い製品の研究・開発を行うことができます。

 

 

 

 

4. 品質管理での活用

製品出荷前の検査工程において、振動などの各種センサで測定したデータをSENSPIDERなどのデータロガーでロギングし、Sigmaでリアルタイムに評価することで、動作状態を即座に確認できます。定量的に品質を確認できるので、品質を均一に保つことができます。また、検査工程での確認が可能となるため、オフラインでのデータ評価に対し時間短縮につながります。

 

 

 

 

 

5. 時系列データの管理・詳細分析

ポータブル測定器などで測定した時系列データの管理やトレンドの確認、FFTなどの詳細分析を行うことができます。

 

 

 

 

 

Sigmaの動作環境

対応OS Microsoft Windows 10/8.1/8/7/Vista 64bit, 32bit
CPU インテルCore 2 Duo以上相当推奨
メモリ 1GB以上推奨
ライセンス認証 インターネット接続による認証
USBドングルによる認証(インターネット未接続で使用する場合)