Splunk

スプランク

株式会社シャノン様

マーケティングサービスをクラウドでクラウドで支援するシャノン。 Splunkで迅速かつ容易なログ解析を実現し 運用負荷抑制と顧客サポートを向上

Before
  • アジャイル開発の採用後、アプリケーションのリリースが急増していた
  • パフォーマンス改善のための品質チェックの対象項目が数万を超えていた
  • 顧客増に伴う問い合わせの急増によって、サポートにまつわる負荷が増大していた
矢印:横
矢印:縦
After
  • 数万の監視項目に対し、高速処理によって全体のチェックを短期間で完了可能に
  • パフォーマンスに関するクレームや障害発生に事前に対処可能な体制を構築
  • 問題調査にかかる負荷と時間を抑制するとともに、顧客からの調査要求に柔軟に対応しサポート満足度向上
藤倉 和明氏

株式会社シャノン
技術統括本部 Platform Technology
グループ マネージャー
藤倉 和明氏

平崎 祐憲氏

株式会社シャノン
ソリューションサービス本部
テクニカルサポートエンジニア
平崎 祐憲氏

クラウド型サービスの顧客増に伴い複雑化する運用管理の軽減が課題に

日本におけるB to Bマーケティングは未開の地であり、優れたマーケティングを展開する海外の企業と比べて利益率が低く、効率化できる余地は大きい。そうした企業のニーズを捉え、セミナーやイベントに特化したマーケティング分野のリーディングカンパニーが株式会社シャノン(以下、シャノン)である。

同社は「マーケティングに新しいスタンダードを」とのコンセプトのもと、業務の自動化・効率化と統合的なデータ管理により、戦略的なコミュニケーションを実現するクラウド型マーケティングプラットフォーム「シャノンマーケティングプラットフォーム」を展開している。その特長は、セミナーの運営フローを劇的に効率化する多彩な機能を備えていることにあり、煩雑な作業を解消すると同時に、セミナーを本来あるべき姿である「戦略的なマーケティング活動」に変えるサービスとして高い評価を獲得。現在では200社以上の企業に利用されている。

シャノンでは2010年より、マーケティングプラットフォームの開発にアジャイル開発手法であるScrumを採用するとともに、顧客からの要望に応じてその機能を拡張してきた。その結果、アプリケーションのリリースが増え、時には週3回のリリースを行うこともあったという。だが、そうした開発・運用を続けていく中で、いくつかの課題が生じていた。その1つが、Webアプリケーションにおけるパフォーマンスの問題で、特定の顧客、特定の機能だけが遅くなるという現象が発生していたのだ。

マーケティングプラットフォームはマルチテナント型のアプリケーションであり、数百規模のドメインに対して、それぞれ400の機能モジュールを有する。そのため、全てのドメインの品質チェックの対象項目も数万を超える膨大な数に達していた。技術統括本部の藤倉氏は、「数万パターンにおよぶ対象項目の中からエラーの原因となる1つを抽出して調査したり、エラーを事前に検知したりすることには、多くの労苦と時間が伴いました」と振り返る。

もう1つの課題が、顧客数の増加に伴うテクニカルサポート部門への問い合わせ件数の急増である。テクニカルサポート部門は、カスタマーサポートや導入部門といった顧客の一次窓口となる部門から、マーケティングプラットフォームに関する質問や不具合に関する報告があった際に、その原因を調査したり、適切なソリューションの回答を行っている。テクニカルサポート部門で回答できない問題が寄せられた場合には開発チームへエスカレーションしていたが、その結果、顧客へのレスポンスの遅延だけでなく、開発チームが調査に要する時間が発生、本業であるアプリケーションの開発に支障が生じることもあったという。

アクセスログを“見える化”し顧客サポート向上につなげる

シャノンではこれらの課題の解決を目指し、ログツールの導入に向けた検討を開始する。当初はツールの自社開発も検討したものの、開発工数が膨大になることから断念。複数のログツールを検討する中で、最終的に白羽の矢が立てられたのが、マクニカの提供するSplunkである。シャノンが抱えていた課題を解決できることに加え、導入の容易性、そして自社開発よりもコストを安価に抑えられることがその理由だ。Splunkの採用を決定したシャノンは、2010年6月より導入作業に着手。以後、テスト検証を経て、2011年2月からの本番運用を開始した。

それでは、Splunkの導入効果について見ていこう。まず、パフォーマンスの問 題については、Splunkを用いて全顧客、全機能、数百顧客、数百機能、数万パターンのすべてのレスポンスタイムの監視を実施。その結果に基づき前日と当日のパフォーマンス値を比較することで、どの顧客のどの機能モジュールで問題が発生しているのか、その洗い出しが簡単に行えるようになった。これにより、パフォーマンスに関する顧客からのクレーム発生、および障害へと発展する前に対処可能な体制を構築できたという。

続いてテクニカルサポートにおける導入効果について見ていこう。顧客からの問い合わせがあった場合、Splunkを参照し、「どのようなリクエストがあったのか」「どのような操作をしたのか」について調査を実施。これにより顧客の設定ミスや操作ミスについて、ある程度、その場で回答できるようになったという。テクニカルサポートエンジニアの平崎氏は、次のように説明する。

「以前はデバックログを探して、どこにリクエストが書いてあるのかを探すのに多大な時間を要していました。しかし、Splunkを用いて、Webアプリケーションから発行されているユニークIDを検索すれば、IDとデバックログのファイルは一意に紐づけられているため、すぐに結果が表示されます。ファイルを探す時間がゼロとなったことで、全体の調査時間も3 ~ 5倍まで早くなり、結果、多くの調査依頼にも対応できるようになりました」

さらに、開発チームにエスカレーションしなければならない問題が発生した場合でも、まずはテクニカルサポート部門がSplunkで調査し、不具合の原因をある程度限定できるようになったことで、原因調査に関する開発チームの負荷も軽減されている。

  • アクセスログを“見える化”し顧客サポート向上につなげる

操作の容易性を高く評価社内でも様々な活用法が推進

Splunkは、その操作性も評価されている。「活用しての評価ポイントは、検索画面がとても使いやすいことです。私はSplunkを導入する立場として社内で布教活動をしていたのですが、特に努力することもなくスタッフの皆が様々な使い方を始めるなど、ごく自然と社内に浸透していきました」と藤倉氏は話す。

顧客サービスの向上にもSplunkは一役買っているようだ。顧客からは「アプリケーションへのアクセスの有無」をはじめ、「この期間にどのくらいアクセスがあったのか」「1,2年前と比べてアクセス状況はどう変化しているのか」といった調査依頼も数多く寄せられていたが、従来のシステムではデバックログしか参照できず、その対応に多大な時間を要するため、断らざるを得なかったという。対して、「SplunkはURLを指定すれば一目で検索結果が分かることに加え、期間別にグラフに分類、表示させることも可能です。どのくらいアクセスがあったのかも一目瞭然であり、現在では、顧客からのアクセス履歴に関する調査依頼にも容易に対応できるようになりました」と平崎氏は述べる。

Splunkの今後の活用法についてシャノンは、「あらゆるアクセスログを登録し、システムに関するすべての状態をSplunkで可視化したい」という。例えばデータベースのトランザクションログやSQLを登録し、httpリクエストからアプリケーションログ、データベースの 検索履歴を一貫してSplunkで検索できるようになれば、顧客へのレスポンスの速度や精度向上にもつなげられると期待する。

藤倉氏は今回のSplunkの導入を振り返り、次のように展望を語る。
「Splunkは自分自身、触っていて楽しいツールなんですね。そこで今後は『こんな使い方があるよ』と、その利用法を社内の様々なスタッフに伝えていくことでさらに利用者を増やし、やがては社内全体がSplunkを使いこなせるようにしていきたいと考えています」

User Profile

株式会社シャノン
URL

http://www.shanon.co.jp/

シャノンは、マーケティングにかかわるコンサルティングおよびサービスをトータルに提供する企業として2000年8月に創業。クラウド型マーケティングプラットフォーム「シャノンマーケティングプラットフォーム」を主軸に、企業のマーケティング活動をサポートする製品やソリューション、サービスを展開。イベントやセミナーの運営をはじめ、マーケティング業務の効率化や自動化、見込み客管理の最適化を支援している。

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株式会社マクニカ  Splunk 担当

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