新たな学びを得て実践した部門横断DXプロジェクトの本音に迫る
ロート製薬が強力に推進する取り組みの現在地

──ロート製薬株式会社様

 世界の人々が、身体も心もイキイキと、様々なライフステージにおいて笑顔あふれる幸せな毎日を過ごせるWell-beingな世の中の実現に向けて、企業ビジョンとして「Connect for Well-being」を掲げ、OTC医薬品やスキンケア、機能性食品・食品、医療用眼科領域、再生医療など幅広い事業を展開しているロート製薬株式会社では、全社横断的なプロジェクトとしてDXを強力に推し進めています。
今回は、「どのように異なる部門が連携して社内の変革を成し遂げたのか」といったDXプロジェクトの詳細を伺いました。

本プロジェクトの参加メンバー

ロート製薬株式会社の方々

  • 製品・製剤技術部 製剤技術グループ リーダー 長光 陽平様
  • 生産技術部 エンジニアリンググループ リーダー 中山 美夫様
  • 生産技術部 データインフラ開発グループ 近藤 隆之様
  • 基盤情報システム部 アプリケーショングループ 廣瀬 正人様

株式会社マクニカ

  • デジタルインダストリー事業部 事業部長代理 阿部 幸太
  • デジタルインダストリー事業部プロフェッショナルサービス第1部第2課 中嶋 凌
課題
  • 社内で点在している情報管理の負担
  • 要件定義を決めることが難しい複雑な業務の改革
  • 業務の標準化が得意なメンバーの不足
目的
  • 業務プロセスの高度化
  • システムを内製開発できる人財の育成
  • 実際に業務を行う担当者のインサイトを獲得
効果
  • プロジェクトマネジメントのスキル向上
  • マインドセットや視野の拡大
  • 関係者が多いなかでも仕組みの構築に成功

部門横断変革プロジェクトの概要

①既存の業務プロセスの可視化と効率化に向けたエンジニアリングチェーン改革

長光様:もともとDXに関する取り組みは、2021年に生産調達にかかわる部門で構成するプロジェクトとしてスタートしたもので、発足初期から私自身も関わっています。具体的には、我々が関係する生産調達に関連した部門が集まり、購買から生産管理、工場、品質管理、生産技術部門などサプライチェーンまで含めて、プロジェクトメンバーで10を超える取り組みテーマを進めています。生産・調達を中心にしたデジタル人財の育成を軸に、自薦他薦問わずプロジェクトメンバー80名ほどが参加し、各領域のテーマをまとめる運営チーム8名が全体を統括しながら、テーマに応じて分科会やグループを作っています。

 そのなかで私が関わったのが、エンジニアリングチェーンと呼ばれるテーマです。我々が取り扱う製品は多岐にわたっており、それぞれ製造手順書としての「製造レシピ」が存在していますが、製品ごとにExcelシートで作成していました。このレシピを作る部署と扱う部署が違う、別の部署が製造レシピを参照して別の文書を作成するなど、文書含めた情報管理の負担が課題となっていたのです。この業務プロセスを改善、効率化していくための環境づくりを目指しました。大きなテーマではないものの、基本的にはこれまでの仕事のやり方をリセットする、従来の仕事を大きく見直すことが各テーマ共通の意図になっています。

近藤様:私は海外赴任から戻ったタイミングで、途中からこのDXプロジェクトに参加しましたが、もともと設備保全に関連した設備カルテ情報の管理基盤を整備するべく、マクニカに対してプロジェクトとは別に相談していた経緯があります。そこでローコード開発プラットフォーム「Mendix」に出会い、開発者トレーニングを受けさせてもらったうえで、長光がプロダクトオーナーを務めるエンジニアリングチェーンに参加しました。その体験の中で、自分たちで内製開発していけるローコードツールの重要な役割に気づきました。

②新商品リリースに向けた情報集約・進捗把握を目指すサプライチェーン改革

中山様:私が当時課題と感じていたのは、部署間を超えた情報や進捗が見にかないと見えない、聞きにいかないと伝わらない状態でした。一般的に新製品をリリースする際には、多くの部署が関連していることもあり、スケジュールも含めて変化が起こりやすいのです。例えば生産技術部門がある工程で製品を流すテストを実施することがありますが、数多くある案件の中には、うまくいかない場合もあり、想定していたスケジュールにずれが生じます。そんな変化や進捗状況を可視化するための手段は、これまではメールや電話に頼ったコミュニケーションが中心で、うまく情報集約できていない状況でしたし、なかなか次の製品に活かすことも出来ていませんでした。そこで、部門間を跨いだタスクや進捗が可視化できる環境づくりとして、サプライチェーンというテーマを掲げました。

廣瀬様:私自身が参加したのは、サプライチェーンのテーマが立ち上がり、ツールを用いて新製品の進捗管理を可能にする環境づくりの検討に入っていた段階からでした。当時の活動では、要件定義や仕様にまで落とし込みができていない場面も見受けられ、開発メンバーとして参加すれば、コミュニケーション含めてうまく進めていけるのではという想いがありました。もちろん外部にお願いして環境を作っていくことも可能ですが、内部独自の運用を外部に伝えきるのは難しいのが正直なところで、内製化の強いニーズがありました。実は、事前にMendixに関する講習会に参加し、個人的にいろいろアプリを作成していたこともあり、私の経験が役立つと考えました。

マクニカとの接点と内製化の重要性

長光様:プロジェクトが発足したのちにメンバーがアサインされ、最初にDXを推進するためのVision Statementsを設定しました。具体的には「人が輝いている工場から、お客様の求める高品質で安心な商品、サービスを驚喜(オドロキ)の体験と共にタイムリーに届けています。お客様の声は直接、現場の私たちに届き、つながりはシームレスです。情報およびデータはオールロートで視える化し、社内の全ての人が正確な情報を平等に共有し、活用しています。その結果、私たちの働き方は革新され、2030年には、2020年の2倍の生産性を達成しています。機械やシステムは時間を生み、人はアイデアを生み出し、私たちロートのメンバーは成長をし続けています。」と明文化しています。そのビジョンに沿って、メンバーそれぞれが実施したいテーマを掲げてプロジェクトテーマを決めていきましたが、テーマを設定する際に外部の目線として参画いただいたのがマクニカです。

中山様:当初はアプリ開発自体をマクニカに依頼しようと考えていました。ロートの業務の進め方が特別なのかもしれませんが、こちらが表現したい内容であったり、普段の仕事の進め方があまりうまく伝わらず、これは自分たちで作りこんでいかないと時間だけが経過してしまう。トライ&エラーを繰り返さないと、それっぽいプロトタイプができあがっても、自分事として魂のこもったアウトプットを出すのは難しく、やはり内部のメンバーで議論しながらブラッシュアップしていけるような内製化の環境が必要だと感じました。

近藤様:私も含めて多くのメンバーは、要件定義のプロフェッショナルではなく、業務を標準化するといったことが得意ではないという背景があります。その点では、おそらく仕様をしっかり固めて進めていくウォーターフォールでのアプローチよりも、粗い仕上がりの仕組みを徐々に改善していく内製化によるアジャイル開発が我々には適した手法でした。加えて、製剤技術をはじめとした各種プロセスは社外秘の部分があり、簡単に外部にお伝えするわけにもいかないという事情から、内製化していける環境が求められていました。

現在のプロジェクト進捗

業務プロセスの高度化を実現、進捗管理基盤としてのリリースを控える

長光様:現在は製造手順書を作成する部門とともに、その手順書の文書をチェックする品質部門、そして工場の現場で手順書を確認してもらう製造部門など、10名ほどで利用およびアプリ開発を行っています。処方情報や生産条件の情報をデータベースとしてマスター化し、調製フロー図や記録書が出力できるようになっています。

中山様:サプライチェーンについては、すでにエンジニアリングチェーンでアジャイル的なアプローチが進められている状況を考慮し、ローコード開発ツールを活用する前提で半年ぐらい遅れてスタートしています。いったん2023年の6月ごろから1回目のPoCにて一部の部署に触れてもらいながら要望を形に変え、202310月から20243月にかけて2回目のPoCを実施し、対象の部門と製品形態を変化させてメンバーに触ってもらいました。最終的に複数品目での流れも確認したうえで、これから正式リリースを予定しています。いったんは企画部門や生産にかかわる部門に絞った進捗管理の基盤として活用してもらう計画です。

廣瀬様:サプライチェーンで機能実装したのは、大きく分けるとキックオフの資料を作成し共有する機能・関係者全員でやり取りする掲示板機能・進捗管理を行う機能・製品ごとの予実管理の4つです。その中でも細かな機能を780ほど開発しましたが、私自身はアプリ開発に注力することができたため楽しみながら開発できました。

プロジェクトにおける難しさ、苦労

メンバーをいかに参加させるか “巻き込み方”は今でも難しい

長光様:私が苦労したことの1つは、支援いただくマクニカとのコミュニケーション部分です。当初マクニカに業務プロセスを作成してもらったのですが、こちらから出す情報が不足していたせいか、我々が実際に行っている業務になっていないケースが散見されました。実態を理解してもらうための別のやり方があったのではと反省しています。今でも難しい部分ですが、当時はとても苦労しました。

 また、社内メンバーをどうテーマの活動に巻き込んでいくかという部分も苦労したことの1つです。各部門の主要メンバーから意見が欲しいと思っても、それぞれ本業を抱えながらの参画だったため、多忙を理由に打ち合わせに全員参加できないケースもありました。
どこまでこの取り組みの重要度を伝えていけるかが大事で、そのためにはよくなった実感を繰り返し持ってもらえるかどうかが重要だと感じました。実際には、PoCのなかで文書作成の時間が80%短縮できたという定量的な効果を示すことで、メンバーが所属する部署の上長にも興味を持ってもらうなど、うまく巻き込んでしっかり展開していくことができました。

近藤様:現場の巻き込み方に関しては、私の場合はMendixで開発できる後任をどう育成するのかに苦労しました。そもそもMendixの価値や魅力を本人だけでなく周りに理解してもらわないと、その本人も本業から離れて時間を作ることができません。だからこそ、価値を提供し続ける、成功体験を提供していくことがとても重要になってきます。

 また、私自身は製造技術をはじめとしたプロセスに対して門外漢だったため、Mendixを使って環境アプリを作りこむために現場に話を聞いても、表面的な内容しか引き出すことができませんでした。どうやったら担当者のインサイトが得られるのかはとても悩みました。ちょうど会社で募集していたデザインシンキングなど各種セミナーに参加しながら、インサイトを引き出すためのヒントを得ることで、質問の投げかけ方のテクニックを習得するなど、この取り組みを通じて学べたことが多くありました。

これまでにないプロセスを整備する難しさ

中山様:既存業務をデジタル化するエンジニアリングチェーンと違い、サプライチェーンはこれまでにないプロセスを作り出すことが求められるテーマです。最終的には1つの基盤でプロセスを回していくことになるものの、過渡期においては既存の運用を続けながら新たなプロセスに挑戦してもらう必要があり、シンプルに業務量が増えてしまいます。それでも関わってもらうためには、熱量をしっかり伝えていく必要がありますが、まだ伝えきれていない面もあって、関わる皆様がもっと自分事化して考えていただき、このアプリを積極的に運用・試用してもらうことに苦労しています。

 できるだけ関わってもらうためには、とにかくこれを使ったらとても便利だということに気づいてもらうことでしょうか。定例ミーティングで実際にアプリを触ってもらうと、要望がたくさん寄せられます。そこでスピード感をもって改修し、次のミーティングにはそれが再現できているということを繰り返すことで、徐々に距離感を縮めていくことができました。

 

廣瀬様:中山の頭のなかで描いているものをたたき台として作り、そこから意見をもらって改修を続けていきましたが、ミーティングでの要望を即座に反映させていくのは、個人的には大変でした。1度のヒアリングで数十件もの要望をいただくこともあり、期待を裏切らないためにもそれらに全て対応してしまった結果、機能過多に陥ってしまった面もあります。使いやすくしたつもりが、かえって複雑になってしまったことは反省点です。本当に必要なのか考える時間をとるのと、素早く開発し展開していくのと相反することを考えなければならず開発者泣かせではありますが醍醐味でもありました。

 他にも、ローコード開発の基盤となるMendixですが、どうしても現場の要望に応えるためにはJavaScriptによるコーディングを一部実施せざるを得ず、個人的に苦労しました。この辺りは、マクニカの支援がないと難しかったと思います。上司がこの業務に専念させてくれたことは感謝ですね。ローコードで実現という部分から少し外れはしましたがMendixでの可能性は高く感じることは出来ました。

プロジェクトを通じて得た学び

プロジェクトマネジメントのスキルが大きく向上

長光様:特にプロジェクトマネジメントのスキルは向上した実感があります。新製品を立ち上げる場合はプロジェクトのような形で業務を進めてきましたが、アジャイル開発の重要性や小さい成功体験の積み重ね、そして周囲の巻き込みも含め、その他の部門がどんな仕事をしているのかを俯瞰して把握できるようになりました。従来のような部分最適ではなく、全体最適で考えることができるようになり、テーマを進めるうえでの引き出しが増えたのではないでしょうか。

 また、マクニカをはじめ外部パートナーや業者の皆さんとのコミュニケーションの取り方もこの活動を通じて学べた部分です。どこが分かっていないのかを考えながら説明できるようになりましたし、現場に来ていただいてしっかり理解を進めてもらうなど、いろいろトライしてきたことから学べたものが多くあります。ある意味で、プレッシャーを与えるのがうまくなったのかもしれません。

システムを学ぶことでマインドセットが変化、視野も広くなった

近藤様:シンプルにMendixの開発スキルを向上させることができたこと、そして学んだ開発スキルを武器に、また別のDXプロジェクトへ積極的にお手伝いにいくなど、おそらく考え方やマインドセットが変わり、視野も広くなったことが行動にも表れている気がします。

 今回を通じてG検定を取得したりChatGPTの社内研修に参加したりなど、積極的にITAIの分野に関わるようになりました。今は、品質保証部門のDXプロジェクトに関わり始めていますが、そこでも自分が手を動かすだけでなく、しっかりメンバーを育てていくというスタンスで関わっています。社内におけるMendix開発のパイオニアとして、いろいろなところに知見を広げ、経験していきたいです。

 実は社内では他の開発基盤として他の業務効率化アプリが採用されていたため、そのアプリ自体も勉強したうえで適材適所に使い分けています。感覚的には自動車と新幹線のような違いがあって、同じ移動する手段であっても役割が異なっています。Excelで運用できる業務はそのアプリでも十分ですが、遠くまで移動する新幹線のように広い範囲で業務をつないでいくにはMendixでないと難しいといった違いも実感しているところです。

多くのメンバーが関わるプロジェクトテーマを遂行できたことが財産に

中山様:そもそもこれまでの業務負荷は大きく軽減できたことはもちろん、関わるメンバーが多いなかで1つの仕組みを作り上げることができ、私自身も成長させてもらいました。この経験は大きな学びですね。また、関わる人たちとの距離がこの活動を通じて近くなり、話やすくなって議論もしやすくなったのは大きいと思います。メンバーはもちろんですが、上長やパートナーであるマクニカともしっかり議論できるようになったのは成長した部分でしょうか。

 当初はプログラムが書けるようなデジタル人財になりたいと思って手を挙げたのですが、いざプロジェクトに入ってみると多くのメンバーがいて、窓口的な担当に選ばれたことでプロジェクトマネジメントを行うことがメインになりました。結果的にこの流れが良かったと感じており、当初の想いとは違いますが、成長度合いはこちらの方がはるかに大きいと今は思っています。

現場と開発に介在することが、DX人材として重要に

廣瀬様:シンプルに開発能力は向上したことは間違いありませんし、ヒアリングするメンバーが多かったことで関係性も近づき、日々の業務もやりやすくなるなど、一体感を持って仕事ができたことは何よりです。コミュニケーションについては、開発者とプロダクト担当者であるPOとの間で仕様がなかなか伝わりづらいというのは確かにありますが、逆にその間に入って行く人材を開発側も増やしていくべきだと実感しています。 

 まさにDX人財という観点では、その仲介者を強化することでより前進できるのではないでしょうか。そこにはいっていけたらいいなと思えるようになったことが、プロジェクトにおいて成長できたことの1つかもしれません。外部に委託するにしても、間にいる人間がより重要になってくるはずです。

プロジェクトに対する周囲からの評価

自身の立ち位置が変わるDXプロジェクト

近藤様:現地責任者として海外赴任した際に、これまでの経験で仕事ができる調達やQAQuality Assurance:品質管理)など幅広く頼られることが多かったものの、システムのところだけは応えられずに悔しい想いをしたことがあります。その経験がDXのプロジェクトに入ったきっかけの1つでした。当時の悔しさをばねにシステムにかかわることで、自分の経験をベースに新たな価値を生み出すことができたことを実感しています。

具体的な評価はこれからだと思っていますが、部署内の異動があったときに、前の部署からは「近藤さんがいなくなるとDXが進まなくなってしまう」と言われたことは正直うれしかったのを覚えています。

中山様:徐々にではありますが、“DXに関わることがあればこの人と話してみようという人材として周囲から認知されてきているようです。サプライチェーンの領域で活動しているものの、まったく違う領域の担当者からもご連絡いただくようになりました。周りからの評価という意味でも、私自身がDXにおいて存在感を持ちつつあるのではと勝手に感じています。

長光様:実はプロジェクトのオーナーが当時直属の上司であったということもあり、一定の評価は得られているのではないでしょうか。これからのキャリアという意味では、手段としてのデジタルツールを使うことは当然ですが、今の部署に閉じたものだけでなく、会社全体が良くなるような働き方の提案といったことをもっと進めていきたいと考えています。何屋さんなのかと問われると回答に困りますが、得意分野や自分の強みを生かせる仕事をこれからも続けていきたいです。

廣瀬様:実際にはこれからリリースになるため、評価もそのあとついてくる部分かもしれません。ただ、アジャイル開発で要望を取り入れたものをレビューすると、評価の声をいただく機会が多くありました。取り組み自体が社内に広がっていることでより質の高いプログラムが完成していくと確信しています。

これからのプロジェクトとマクニカに対する評価

強力な伴走支援がプロジェクト完遂の大きな力に

近藤様:マクニカのMendix開発者の方と当初のOJTでは週2~3回のペースでオンライン会議を実施いただき、本当に同僚のように伴走していただきながらトレーニングしていただきました。特に具体的にやりたいことを提示すると、その方法について懇切丁寧に指導いただけるだけでなく、考えるチャンスもきちんと与えてくれます。今も継続して支援いただけていますが、本当に頼りになる存在で、まさにこれが真のトレーナーなんだと気づかされました。とても感謝しています。
 しかもシステムだけでなく、業務プロセスの可視化や業務量の調査など、製造業の現場に関しても博識があり、後で持ち帰って確認するといったこともありません。次にメンバーが入ってきたら、是非マクニカの伴走支援をつけてあげてほしいと提案するぐらいです。

長光様:人材育成という観点からとても助けてもらう機会が多くありました。ITとかシステムというよりも、デジタルではない泥臭いところを詳細に聞いていただき、活動の進め方や資料を何度となく作り直していただいたこともありました。コミュニケーション的に苦労した点は確かにありますが、そこまでやってくれたパートナーはこれまでにはいませんでした。目指すTo Beの姿に向けて強力な伴走支援をいただけて、本当に感謝しています。正直に言えば、もっといろいろ使い倒せればよかったと今になって思うこともありますが、そう思えるようになったのも成長できた部分かなと思っています。

中山様:我々と同じ目線で納得できるまで説明いただくことができましたし、私が険しい顔をしていたらすぐに気づいて、声掛けもしっかり行っていただけました。ゴールに近づけていくためのステップを示しながら、着実に踏んでいくことで成功体験が得られたのも、マクニカの伴走支援があったからこそです。我々が開催する会議にほぼ全て参加いただけるなど、マクニカがいるだけで本当に心強かった思い出があります。

廣瀬様:新たなプロセスを設計するサプライチェーンでは、一緒に開発するというよりも一緒に仕様を考えている時間がとても多く、話し合いに時間をしっかり割いてもらえたことがとてもよかったと思っています。実は開発面で技術的な支援をいただいていた方は何度か変わった経緯がありますが、とてもうまく引き継いでいただけたことも好印象です。私も今回異動したことで引継ぎの大変さを痛感していますが、そんな引継ぎのノウハウなども教えてもらえたらよかったなと思うほどです。

DXプロジェクトをさらに加速させていく

長光様:今後については、エンジニアリングチェーンに関連した業務の幅を増やしていきたいと考えています。蓄積されたデータを連携していくことで、開発から製造までの情報を、必要な時に正確な情報が取得できるだけでなく、レシピ文書の作成や作業などの自動化や効率化をさらに推し進めていきます。進捗管理やコミュニケーションといった機能はエンジニアリングチェーンにおいても必要な機能であり、いずれはサプライチェーンとの融合を果たしていくことになると考えています。

中山様:これからリリースをしていく段階ですが、我々の大きな生産拠点の1つである上野工場にて展開を進め、大阪工場への拡張やグループ会社への展開も進めていくことを考えています。企画から生産までをターゲットにしていますが、長光さんが関わる開発領域とはつながっていません。いずれはMendix同士で融合させていくことも視野に入れています。

会社ロゴ

ロート製薬株式会社

事業内容
医薬品・化粧品・機能性食品等の製造販売
設立
1949年(昭和24年)9月15日
従業員数
1,687名<単体>、7,259名<連結>(2024年3月期現在)
ウェブサイト
https://www.rohto.co.jp/

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