株式会社不二越様事例

 

USER PROFILE
■企業情報:株式会社不二越
■事業内容:
不二越は、創業者・井村荒喜の「機械工具の国産化が日本の機械産業を発展させる基礎である」という理念のもとに、1928年12月、富山市で工具メーカーとして創業しました。創立から10年、製鋼所を設立し、材料から商品までの一貫生産体制を確立しました。 そして、高品質な材料をベースに、工具、ベアリング分野へ業容を拡大してきました。工具に始まって工作機械・ロボット、ベアリング・油圧機器、材料までを手がけている企業は世界にありません。
機械加工、ロボットなどのマシニング事業、ベアリング・油圧機器などの機能部品事業、材料・熱処理などのマテリアル事業という複合・連環型のナチ・ビジネスで、「ものづくりの世界の発展に貢献」しています。

 

サマリー

背景

  • 老舗企業から成長企業への挑戦

  • 産業構造変革での新規顧客獲得

  • ノウハウ継承などの生産現場課題

課題

  • 工作機へ付加価値で競合差別化

  • DXを活用した新機能開発

  • 高価な工具の破損防止

選定

  • データ収集・解析のノウハウ

  • 国内企業の安心感と手厚い支援

  • 設備へ組込める筐体、品質、コスト

取り組み

  • SENSPIDER×工具損傷検知機能

  • 加工中の振動データ収集とAI解析

  • 設備を止めず判別でき生産性向上

  • 最適な状態判別で工具コスト低減

今後

  • 新たな商品への展開

  • 振動以外のセンサーデータも活用

  • 知能化や自律化への新機能開発

 

本プロジェクトの参加メンバー

株式会社不二越の方

工作機事業部 スカイビング開発プロジェクト 古田 知康氏

株式会社マクニカ

梶本 俊輔、福岡 広大、馬場 勇気

背景

産業構造の大変革を見据え、総合機械メーカーとして新製品開発に注力

輸入に頼っていた機械工具の国産化を目指し、1928年に富山にて創立された株式会社不二越。

「成長企業への挑戦、夢をかなえるものづくり企業へ」を長期ビジョンに掲げ、多彩な事業・技術・生産ノウハウを有する独自性を生かし、自動車業界や産業機械、エネルギー、インフラ分野などの顧客に対して多様なソリューションを提供。日本だけでなく、中国や米州・欧州・ASEANなどに数多くのソリューションを提供しており、海外売上がおよそ半数を占めるなど、グローバル企業として世界のものづくりを支えている企業だ。

主な事業として、切削工具や工作機などのマシニング事業をはじめ、産業用ロボットなどを扱うロボット事業、ベアリングや油圧機器などの機能部品事業、特殊鋼やコーティングなどを行うマテリアル事業だ。なかでも工作機部門においては、ブローチ加工を行うブローチ盤など特殊な加工専用機の領域で世界トップシェアを誇っている。

現在は中長期的な脱酸素・EV化をはじめとする産業構造の大変革を見据え、総合機械メーカーとしての特徴を生かし、ユーザーのものづくりに役立つ新製品の開発や、技術提案などを積極的に行っている。

課題

工具の損傷状態、工具交換の適切なタイミングを見極める、工具損傷検知システムの仕組みで差別化につなげたい

そんな同社が手掛ける工作機事業では、世界的なDX推進の潮流や製造業におけるノウハウ継承の課題といった市場動向を背景に、工作機械に必要な機能を実装することで競合との差別化を図り、新たな付加価値を顧客に提供するための機能開発が求められていた。

-工作機事業部 スカイビング開発プロジェクト 古田知康氏
我々に限らず、工作機メーカーの多くがDXに貢献するような新たな機能実装に注力している状況です。我々としても、IoTやAIなど新たな技術を駆使してこれまでにない付加価値が提供できる環境整備を進めていたのです。

特に同社がターゲットとしてきた自動車業界では、電気自動車やEV化の流れが加速する中、部品点数などの減少も危惧されている状況にある。
そこで、新たな顧客獲得が求められており、マーケットに対して工作機を提供していくためは、高付加価値のある機能開発が必要だったのだ。
そんな中、新たな機能開発において耳を傾けたのが、製品加工のために必要な高価な工具の破損などを早期に発見したい、適切なタイミングまで工具を使い切りたいといった顧客の声だ。

-古田氏
工具のなかには、数百万円するような高額なものもあり、ある程度摩耗が進めば研磨し直して再利用することが一般的です。そのタイミングは、加工時間や加工した部品の個数で見ているケースが通例です。

ただし、加工条件によって摩耗の状態が変わってくるため、工具交換の最適なタイミングは、熟練者の勘やノウハウに頼らざるを得ない。

-古田氏
設定を間違えてしまうと工具を大きく破損してしまい、再研磨できなくなる恐れも。加工できなくなれば大きな機会損失を招くため、適切なタイミングを見極めることは非常に重要になってきます。


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