シチズンマシナリー株式会社様事例

 

USER PROFILE
■企業情報:シチズンマシナリー株式会社
■事業内容:
CNC自動旋盤世界シェアNo.1であり続けるなど、工作機械のリーディングカンパニーとして付加価値の高い製品やソリューションを展開しています。これまで相反すると考えられていた個性化と量産的効率を「機械」、「IoT」、「使いこなす技術」の三位一体の生産革新ソリューションで両立させるという革新的なモノづくり『個の量産』を提案しています。今後も革新的なモノづくりの実現を通して、お客様の安心と成長、そして世界中の製造業の発展に貢献していきます。

 

サマリー

背景

  • 主軸台移動形CNC自動旋盤「Cincom」と主軸台固定形CNC自動旋盤「Miyano」を中心に事業展開

  • シチズングループ事業の第2の柱として、グローバルに工作機械事業を推進

目的

  • 自動旋盤向けの故障予測の仕組みの検討

  • 状態基準保全の実現

  • 新たな付加価値としてモノづくりの環境を整備

選定

  • 信頼性があり接続も簡単なセンシング環境を整備できる

  • 将来的な製品搭載も視野に入れる

  • センシングやAIの技術力と知見を持つパートナー

取り組み

  • 品質向上に貢献する主軸ベアリングの状況を「SENSPIDER」で見える化

  • 可視化した機械データを解析して異常原因を素早く特定

今後

  • 「SENSPIDER」を使用した故障予測技術の、装置への搭載と主軸ベアリング以外の稼働部位への展開

  • クラウドでの遠隔監視や装置健康診断など新たなサービスの構築を検討中

 

シチズンマシナリー株式会社の方々(中央から右)

開発本部 開発企画部 部長 中谷 尊一 氏
開発本部 開発企画部 ソリューション開発課 御園 彩美 氏
開発本部 開発企画部 ソリューション開発課 中原 大吾 氏
開発本部 開発企画部 ソリューション開発課 解良 康弘 氏

株式会社マクニカ 大野 謙司、福岡 広大、梶本 俊輔

背景

高付加価値なソリューション開発で工作機械業界を強力にけん引

シチズン時計株式会社において工作機械を手掛ける精機事業部を経て1982年に株式会社シチズン精機を創立、2015年に現在の商号となり、CNC自動旋盤を中心とした工作機械の開発・製造・販売を手掛けているシチズンマシナリー株式会社。
「世界最先端の生産革新ソリューション(=『個の量産』)を提供し、新・モノづくりの企業ポジションを確立する」という事業ビジョンを掲げ、革新的なモノづくりの実現を通して製造業の発展に貢献している。
主軸台移動形CNC自動旋盤の「Cincom」および主軸台固定形CNC自動旋盤の「Miyano」という2つのブランドを中心に事業展開を行っており、シチズングループにおいて時計事業に次ぐ第2の柱として、独自技術や操作性、加工技術ノウハウを強みに、グローバルに工作機械事業を推進している。

工作機械業界におけるリーディングカンパニーとしてさまざまなソリューションを展開している同社において、新たな技術を駆使して付加価値の高い製品開発を行っているのが、開発本部 開発企画部だ。

ー 中谷氏
削り出しの際に出る長い切りくずによる予期せぬ加工不良が発生してしまうという自動旋盤の課題を解消するべく、低周波振動を利用して切りくずを細かく分断するLFV技術をはじめ、バー材加工における素材の1割に及ぶ残材を摩擦にて新材と接合、一体化し残材の削減に成功した摩擦接合技術を開発するなど、自動旋盤における新たな価値創造につながる研究開発を行っています。

目的

インダストリー4.0で示された故障予測への挑戦

そんな同社において新たなテーマとして検討されたのが、同社が提供している自動旋盤向けの故障予測の仕組みだった。そのきっかけとなったのが、ドイツが提唱した製造業における革新的な取り組みである「インダストリー4.0」における1つのアプローチとして紹介された、機械から得られた各種センシングデータをAIによって解析し、故障予測につなげる手法だった。

ー 中谷氏
我々も故障予測のような新たな付加価値を提供できる環境づくりを整備すべく、現在の旋盤におけるウィークポイントを検討しました。結果、高速回転する主軸のベアリングに関して比較的故障頻度が高いため、この部分に関する故障予測技術の開発を最初の取り組みとして行うことにしたのです。

従来は事前に決められた一定の間隔で対象部品を交換する定期保全や故障のタイミングで交換する事後保全が中心で、主に人が判断していたが、状態を定量化し、交換が必要と判断した時のみ部品交換を行う状態基準保全に向けた環境を目指すことになったわけだ。

ー 解良氏
以前から主軸に限らずセンシングに挑戦してきましたが、改めて主軸ベアリングの故障診断を中心に取り組むことに。定期保全で予備交換しているお客さまにとっては、ムダな部品交換が不要になり、コスト面でも価値提供ができるようになります。

工作機械に限らず、取り組みを始めた2016年当時は装置における故障予測の仕組みが実装できているものが少なく、自動旋盤における業界では先進的なプロジェクトだったという。


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