フレッシャーズにはフレッシャーズの時にしかない特権があります。
まだ知らないことは恥ではありません。何でも聞けばよいし、先輩も教えてくれます。ただ、いつまでも聞くばかりでは進歩しません。まだこの特権があるうちに、いろんなことを覚えましょう。
今回は、『特性インピーダンス』です。
特性インピーダンス
いきなり専門用語が出てきました。
英語では、Characteristic Impedance といいます。特有のインピーダンスといった方がぴったりくるかも知れません。インピーダンスとは何か。否定を表す im- という接頭語と、足とか歩くという ped の組み合わせで、impede = 歩くのを妨害する、そして、電気が流れるのを妨害するいうように変化しました。最後の -ance は名詞化するための接尾語です。
インピーダンスとは、電気が流れるのを妨げるものです。もし、これがゼロなら、電気はどんどん流れます。インピーダンスについては、『豆知識:インピーダンスとアドミッタンス』をご覧ください。
さて、極めて長い電線の先に豆電球をつないで、その反対側に電池を接続したとします。電線の損失を無視して考えると、最終的には豆電球が点灯します。極めて長い配線なので、電池から豆電球に電流が到達するにはある時間を要します。例えば、その時間を1秒とします。それでは、つないだ瞬間はどんな電流が流れるのでしょうか。1秒経過してようやく豆電球に電流が到達するので、それ以前は電池は豆電球が接続されているか否かも知らないはずです。つないで、例えば 0.5秒後に、誰かが豆電球を外したらどうなるのでしょうか。
答えは、豆電球がつながっているかどうかには無関係に、電池をつないだ瞬間にある電流が電線を伝わって流れていきます。この電圧と電流との比を、特性インピーダンスといいます。電線の種類によって決まる値です。例えば、測定器用のケーブルなら 50 Ω、テレビのアンテナのケーブルなら 75 Ω です。地面から高く離れた電線なら、300 Ω 程度になります。1.5 V の電池を 50 Ω のケーブルを介して電池までつなぐと、最初は 1.5 V / 50 Ω = 30 mA の電流が流れます。最終的には、豆電球のワット数に応じた電流に落ち着きます。150 mW の電球なら 100 mA なので、電池から電球、電球から電池、また電池から電球と何度も電流の値を変えながら最終的な 100 mA に変化していきます。この変化の様子については、また別の機会に述べます。
"特性インピーダンス" については、『特性インピーダンスって何?』や『特性インピーダンスとドライバの駆動能力』でクイズや出力特性をシミュレートしたグラフを用いて解説をしております。あわせてご参照いただく事で、より理解度を深められるでしょう。
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