直流回路における抵抗(Resistance) R は、オームの法則で電圧と電流との比で表されます。これを交流に拡張して電圧と電流との比をインピーダンス(Impedance) Z と呼びます。ここまではよくご存じのとおりです。

インピーダンスを実部と虚部とに分けると、実部が抵抗になります。それでは虚部は何というか、これをリアクタンス(Reactance) X といいます。

式で表すと、Z = R + jX です。

j は虚数単位で √(-1) です。理想的なインダクタは、ωL のリアクタンスを持ちます。

インピーダンスの単位は Ω(オーム)です。SI 単位記号でギリシャ文字はこの Ω だけです。この単位はオームの法則を発見したドイツの物理学者オーム(Georg Simon Ohm)の名前に由来していますが、その頭文字の O(オー)は数字の 0(ゼロ)と混同しやいから避けたようです。

インピーダンスの逆数をアドミッタンス(Admittance) Y といいます。その実部はコンダクタンス(Conductance) G で、虚部はサセプタンス(Susceptance) B といいます。

式で表すと、Y = G + jB です。

理想的なキャパシタは ωC のサセプタンスを持ちます。

アドミッタンスの単位は S(ジーメンス=Siemens)です。以前は、mho(モー)ということもありましたし、記号は Ω を上下逆さにした文字を用いていました。

余談ですが、S の小文字 s は時間の秒を表します。うっかり、ナノ秒を nS などと書かないように注意してください。ナノ・ジーメンスになってしまいます。

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