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はじめに
こんにちは!
「工作機械へ新たな価値を」をスローガンに、工作機械メーカー様へAIやIoTを活用した課題解決を伴走型スタイルでご提案させていただく弊社専任部隊、“チームメタルプロセッシング”の創立者兼書記のKODAIでございます。
今回、9月16日~21日にドイツハノーバーで開催された世界三大工作機械見本市の一つであるEMO(Exposition Mondiale de la Machine Outil) 2019 に参加してまいりました。

左から マクニカ イノベーション戦略事業本部 本部長 佐藤
チームメタルプロセッシング コンサルタント KODAI、エンジニア モリリ
工作機械好きなら誰もが一度は行ってみたいと憧れる場所です。
本コラムではあたかも皆様がEMO 2019に参加したと錯覚するほどの臨場感を味わっていただくことを目的とし、題して「EMO 2019で見た“ええもん”お届け~ハノーバー秋の工作機械祭り~」を計3回にわたってお届けいたします。
第1回:ハノーバー&EMOってこんな感じ
第2回:全体的な技術トレンドってどうなっているの?
第3回:技術担当・モリリが独自の視点でお届けする技術トレンド深堀
では早速、第1回 “ハノーバー&EMOってこんな感じ”をお届けいたします。
ハノーバーってこんな感じ
まず第1回目はハノーバーやEMOに行ったことがない方に雰囲気をお伝えするところから始めたいと思います。
私自身はじめてのヨーロッパ上陸ということでテンションが上がっておりますが、何卒最後までお付き合いいただけますと幸いでございます。
さて、羽田からミュンヘン経由にて15時間かけ、ついにやってまいりましたハノーバー!

降り立った空港もEMOモード一色です

早速DMG森精機様の広告を発見!ちなみにこちらは私です
ハノーバーの街
さて、ハノーバーの街についてですが、人口は50万人程度で、街並みはこれぞ古き良きヨーロッパといった感じです。
また、国際的自動車部品メーカーの「コンチネンタル」の本社もあり、商工業も盛んな街です。
規模からしても日本に例えると金沢に近い印象を受けました。
一瞬、EMO=MEX金沢か?と胸躍りますが、その規模の大きさに後ほど驚嘆することになります。
スポーツはサッカーが盛んで、日本代表の原口元気さんが所属する「ハノーファー96」の本拠地でもあります。
少し街の雰囲気をご紹介します。


駅から少し歩くと、古き良きヨーロッパの街並みが広がります


街のシンボルの教会は、街中の至る所から望むことができます


まるでお城のような市庁舎
あたり前ですが街はドイツ車一色で、日本車はほとんど見あたらないです。
ベンツやBMWがフィットやカローラのように走っていました。
余談ですが、先日観光で行ったエジプトではボコボコの90年代の日本車だらけだったことを思うと、同じ海外とはいえ対照的な風景で、さすが自動車大国ドイツだと感じました。
そんな中見つけてしまいました。
ハノーバー市民に最も親しまれている移動手段を・・・・・
その名もTIER mobility!

TIER mobility

一緒に行った技術のモリリくんと
TIER mobility概要
- 電動スクーターのシェアリングサービス
- スマホのアプリで支払先登録をするとすぐに使える
- 登録が完了すると街中に転がるバイクが地図上に表示されるので、任意のバイクを選択
- 支払いを終えると、バイクのエンジンが点灯
- 最高時速20キロ。結構速い
- 0.2EUR/分程度。ちょっとした街中の移動に最適
ドイツでは移動手段の一つとしてこのTIERのようなシェアリング電動スクーターサービスが広まっているようです。
ぜひ皆様もドイツに行かれた際はお試しください。
なお、石畳の上を走ると入れ歯が外れそうなほど視界がガクガクしますのでくれぐれもご注意ください。
ハノーバーのグルメ

ソーセージとビールの組み合わせほど人間を容易に快楽の世界へいざなうものはないと再認識しました。
こちらのお店についてはこのコラムの最後にご紹介します。
いざ、EMO会場へ
さて、かなり前置きが長くなりましたが、ついにEMOの会場にやってまいりました。
さあ、いざ会場へ・・・

とその前に、恐縮ながら私、これで世界三大工作機械見本市全制覇となります!
若干31歳にして金字塔を打ち立ててしまいました。
ここで三つの展示会を比較してみたいと思います。
改めて比較してみると、それぞれに展示会に色がございます。
展示会 |
EMO |
JIMTOF |
IMTS |
国/都市 |
ドイツ/ハノーバー |
日本/東京 |
アメリカ/シカゴ |
出展社数 |
1,600 |
969 |
2,375 |
来場人数(万人) |
15.5 |
14.0 |
11.5 |
展示面積(万㎡ ) |
34.5 |
9.8 |
24.8 |
私が感じた印象 |
規模大/技術色/グローバル |
技術色強め |
即売会に近い |
当社調べ
では、早速EMO2019に参加した率直な印象を3つお伝えします。
① めちゃくちゃ会場が広い
まず上の表でもひと際目を引くのが、その圧倒的な展示面積です。
実にJIMTOFの4倍ですね。
会場であるハノーバー国際見本市会場は総面積約100万m2あり、世界最大の展示ホールとしてギネス世界記録に登録されています。
皆様、この100万m2・・・あまりイメージがわかない広さだと思いますが、どれくらいの広さに匹敵すると思いますか?
実は東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの総面積を足したのとほぼ同じなんです!
これは計画的に回らないとあっというまに日が暮れてしまいますね。
会場の中には巡回バスが走っておりますので活用することをおすすめいたします。


② DMG森精機様のスケールに圧倒
展示会のスケールと同時に度肝を抜かれたのが、JIMTOF2018に引き続きDMG森精機様の1ホール丸々貸し切り展示!
もはやそこは異空間で巨大なプライベート展示会。
さすが世界のDMG森精機様、スケールが桁違いです。
展示ブースはあえて機械の数を減らし、洗練された空間デザインが強調されています。
主に1階が展示場&ステージ、2階が大商談ブースとなっており、数多くの商談が行われておりました。
ある担当の方にお聞きしましたが、この1週間だけでも分刻みで相当の受注が動くとのこと。
最先端の技術の展示だけでなく、お客様との重要な商談の場でもあるようです。

©Deutsche Messe
2階からの眺め。サッカーコート丸々1面は取れそうな圧倒的なサイズ。
③ グローバル感
ブースを見渡すと、JIMTOFでは見かけない世界各国の工作機械メーカーがたくさんあります。
JIMTOFは海外来場者比率が全体の10%程度なのに対し、EMOはなんと50%以上とのことで、そのグローバルな感じはうなずけます。
また、世界各国の販社が集結するため、工作機械メーカー様にとっては海外の販売チャネル開拓も大きな目的とのことです。

©Deutsche Messe

©Deutsche Messe
ただ、その中においても日本の工作機械メーカー様の存在感はとりわけは抜きんでたものがございました。
さすが工作機械技術大国だなと誇らしくなりました。

©Deutsche Messe

オークマ株式会社様
なお、現地では日頃お世話になっている数多くの工作機械メーカー開発者様との交流も図ることができました。


夜は日本工作機械工業様によるEMO Hanover 2019視察団様の懇親会に、普段からお世話になっている上智大学名誉教授 清水様と一緒にゲストとしてお招きいただきました。
会場には日本からはるばる50名以上もの方が参加しており、工作機械メーカー様、大学の方と交流をさせていただくことができました。
一言に工作機械の展示会といっても、皆様職務にあわせ、実にさまざまな目線で展示会を視察されており、非常に興味深いと感じました。
懇親会ではゲストスピーチをさせていただきました。

エンジニア モリリによる “EMO 2019で見た工作機械の最新AI IoTトレンド”


清水様と日本工作機械工業会 村田様との1枚
さて、特別な時間はまだまだ続きます。
第2回ではEMO 2019で見た技術トレンドについて触れていきたいと思います。
※さて、皆様お待ちかね。ハノーバーでおすすめしたいレストランですが、こちら! さあ、料理が運ばれてきました。
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※本文中に記載のある情報、および会社名は2019年9月時点のものです。