電源ドック技術担当の佐々木です。
このコラムでは、色々なお客様サポートの中で複数回遭遇した、電源に関する不具合事例をご紹介していきたいと思います。
ある日、「電源 IC の不具合が多発しているので至急サポートして欲しい。」 との連絡が。
カメラモジュールの電源が壊れる理由は?
詳しい症状はこちら
- 電源 IC はお客様の会社が製造するカメラモジュールで使用
- 自社の出荷試験では正常に動作することを確認
- メーカーレポートでは、過電圧破壊(EOS)が原因とのこと
- 同じ電源 IC をボード上で 3 個使用
- 初段の電源回路(24V から 5V を生成)でのみ不具合が発生

IC メーカーからは、"30V の耐圧があるので、品質上問題は無い" と言われました。
ですが 24V 入力部分の電源回路のみで不具合が発生しているので、耐圧の弱いロットが納入されたのではないかと疑っています。
念のため回路図とレイアウト図を確認したが、特に問題はなさそう。

メーカーが推奨している回路図、レイアウト図をそのまま使用しているのに EOS の不具合が発生するのは不思議ですね。。。
他に何か気になることはありませんか?

そう言えば、不具合が発生しているのは特定のお客様です。

そちらについて、もう少し詳しく教えてください!
カメラモジュールが使用されているアプリケーションや使用方法に特徴はありませんか?

うーん。。。
使用方法までは分からないのですが、 同様の電源仕様でも、セキュリティカメラだと問題は発生していないんですよね。
産業用のカメラとして使用している特定のお客様でのみ、不具合が発生しています。

なるほど・・・。不具合が発生しているお客様ですが、電源ラインを長くしてカメラを設置している可能性はありませんか?

あ!確かに、電源ラインを長くして配置する可能性のある装置です。

お客様の使用方法を確認してみてください。
カメラモジュールの入力コンデンサーがセラミックコンデンサーのみなので、電源ケーブルが長いと EOS 不良が発生する可能性があります。
対策方法は、私が書いているコラムの 第2回 犯人は長い配線? の内容を確認してみてください。

ありがとうございます。参考にして対策してみます。
このお客様は実際にコラムに掲載された対策を実施し、無事不具合を無くすことができました。
電源が過電圧破壊(EOS)不良となった原因
- 長い電源ケーブル
- 入力コンデンサーがセラミックコンデンサーのみ
今回のポイント

製品が設置される環境を考慮した電源回路設計が大切。
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