電源ドック技術担当の佐々木です。
このコラムでは、色々なお客様サポートの中で複数回遭遇した、電源に関する不具合事例をご紹介していきたいと思います。
ある日「降圧型小型 DC/DC コンバーターの出力が出ない」という問い合わせがありました。
異常発熱の原因は?
詳しい症状はこちら
- 負荷電流が小さいときは出力(3.3V)が正常に得られる
- 負荷電流を IC 定格の 3A まで上げようとすると、約 2A くらいで IC が発熱し出力が 0V となってしまう
- 発熱時は手で触れないほど高温になる

発熱が大きいので、サーマルシャットダウンで出力が停止してしまったのでしょうか?

ICの定格は3Aですし、データシートの仕様で計算してもこれほど温度が上がるとは考えられませんね。。。

小型のICで良いと思って使ってみたのですが、これじゃ使い物にならないなぁ。

メーカーの評価ボードと実機では何か違いはありますか?

評価ボードでは、3A までは問題なく出力(3.3V)が出ています。
ですが弊社実機では、先ほども説明したように 2A 以上で出力が 0V となってしまいます。
実際に実機で確認

確かに IC 表面も熱いし、出力が 0V まで下がっていますね。
この基板 2 層ですね?
なるほど。原因が分かりましたよ。
もう一度無負荷状態から、ゆっくり負荷電流を上げていただけますか?
実機を見守るお客様と私・・・

あ!発振してる!


そうですね、発振状態で温度が上がってしまっていたようです。

発振してしまうということは、この電源 IC は使えませんよね・・・?

大丈夫ですよ。
評価ボードと同じように入力コンデンサーを IC 直近に配置すると発振が止まります。

そうなんですか!では早速やってみます!
電源 IC が発熱し出力が 0V となっていた原因
入力コンデンサーの不適切な配置
今回のポイント

部品配置と基板のレイアウトは、メーカーの評価ボードを参考に設計する!
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