アナログ・デバイセズの車載カメラ向けソリューションでカメラ設計のお悩みを解決！ - 半導体事業

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車載カメラに期待される役割が大きくなるにつれ、開発の課題も深刻さを増しています。車載カメラの設計に携わる方は、

-高画質データを高速伝送したい

-熱の影響を抑えて小型化を実現したい

-車載向けのノイズ要求をクリアしたい

と、よりよいソリューションを日々探しているのではないでしょうか。

今回は、車載カメラの開発でお悩みの方に、アナログ・デバイセズ社の優れたソリューションについて、その種類と、課題解決に役立つ特長をご紹介します。

車載カメラのトレンド～増加と高画質化～

ADAS（先進運転支援システム）や自動運転システムの普及にともない、車載カメラには次の2つのトレンドが見られます。

(1) 種類や数の増加

リアビューカメラ、サラウンドビューシステム、ドライブレコーダー、電子ミラーなどが一般的になり、カメラの種類や数が増えています。

車両1台あたりの車載カメラの数は、自動運転レベル2＋（プラス）で6台、自動運転レベル3では12台まで増えるとも予想されています。

(2) 高画質化

より高い安全性を確保するために、高画質化が求められるようになっています。すでにADASでは画素数2MPの解像度が要求されていますが、今後は6MP以上にも達すると予測されます。これまでコストの観点から多く採用されてきたアナログカメラは、解像度が不足するようになっています。

車載カメラの開発では、高画質化、小型化、発熱対策、ノイズ低減といった、相反する課題の解決が技術者に求められているのです。

アナログ・デバイセズのカメラ向けソリューション群

こうした課題の解決におすすめのソリューションが、アナログ・デバイセズから提供されています。どのようなラインナップがあるか、ご紹介しましょう。

そもそも車載カメラには、どのようなICが使われるのでしょうか。下の図は、車載カメラの構成要素を示すブロック図です。

カメラモジュールのCMOSセンサーで読み取った映像を、GMSLインターフェースでカメラコントロールユニット (ECU) に伝送します。

ECUからカメラモジュールには、通信ケーブルに電源を重畳するPower Over Coaxで電力を供給します。

赤枠で囲まれたブロックは、アナログ・デバイセズのソリューションラインナップからご提案が可能です。

＜車載カメラ向けにアナログ・デバイセズが提供可能なソリューション＞

・GMSL（シリアライザー、デシリアライザー）

・電源（プライマリー、セカンダリー）

・Power Over Coax（送信側、受信側）

それぞれの機能や特長を紹介していきましょう。

ADASに対応できるカメラインターフェースGMSL

車載カメラの高画質化における課題の1つが、高解像度のデジタルカメラで捉えた映像の機器間伝送です。

アナログ・デバイセズでは、大容量データをシリアル伝送できる「GMSL（ギガビットマルチメディアシリアルリンク） SerDes IC」を提供しています。

シリアライザー（送信側）とデシリアライザー（受信側）を組み合わせて、高画質の映像データを広帯域幅で伝送できます。

GMSLシリアライザーとデシリアライザーは、いずれも多様なインターフェースに対応しています。

さまざまなシステムを柔軟に接続できるため、複雑な相互通信も簡潔な回路で実現可能です。

豊富なラインナップが用意されています。必要な伝送量に応じて、ご提案できるソリューションが変わります。

GMSLソリューションのラインナップ

■ シリアライザー製品選択ガイド

型番	入力	インターフェース	速度(Mbps)	HDCP	アプリケーション
MAX96707	14	CMOS/LVDS	1740		1.74Gbps小型カメラ
MAX96709	14	CMOS/LVDS	1740
MAX96705	16	CMOS/LVDS	1740
MAX96711	14	CMOS/LVDS	1740
MAX9271	16	CMOS/LVDS	1500		1.5Gbpsカメラ/ディスプレイ
MAX9273	22	CMOS/LVDS	1500		1.5Gbpsカメラ/ディスプレイ
MAX9249	4	LVDS	2500		2.5Gbpsカメラ/ディスプレイ
MAX9259	30	CML	2500		2.5Gbpsカメラ/ディスプレイ
MAX9293	-	HDMI	3120	〇	3.12Gbpsディスプレイ
MAX9277	4	LVDS	2800
MAX9281	4	LVDS	2800	〇
MAX9275	30	LVCMOS	2800
MAX9279	30	LVCMOS	2800
MAX9291	-	HDMI	3120

ラインナップは一部のみ掲載です。この他にも該当製品があります。

■ デシリアライザー製品選択ガイド

型番	入力	インターフェース	速度(Mbps)	HDCP	アプリケーション
MAX96796	14	CMOS/LVCMOS	1740		1.74Gbps小型カメラ
MAX96708	14	CMOS/LVCMOS	1740		1.74Gbps小型カメラ
MAX9272A	28	CMOS/LVCMOS	1500		1.5Gbpsカメラ/ディスプレイ
MAX9264	30	CMOS/LVCMOS	2500	〇	2.5Gbpsカメラ/ディスプレイ
MAX9268	4	LVDS	2500
MAX9260	30	CMOS/LVCMOS	2500
MAX9278A	4	LVDS	3210		3.12Gbpsディスプレイ
MAX9282A	4	LVDS	3210	〇
MAX9276A	32	CMOS/LVCMOS	3210
MAX9280A	32	CMOS/LVCMOS	3210	〇
MAX9288	4	CSI-2	3210
MAX9278	4	LVDS	3210
MAX9286	4	CSI-2	1500		カメラ用クアッドSER入力

ラインナップは一部のみ掲載です。この他にも該当製品があります。

GMSLソリューションを活用することで、ADASに対応できる小型・高解像度のカメラを実現できます。ぜひご検討ください。

GMSLについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

複雑な電源構成をシンプルにできる豊富なソリューション

車載カメラの数が増えるにつれて、小型化の要求水準が厳しくなり、電源回路の簡素化はますます重要になっています。

アナログ・デバイセズでは、車載電源に対応する電源ソリューションを豊富に取りそろえています。

下の図は、プライマリー電源に利用される高電圧向け同期バックコンバーターのロードマップです。

幅広い電圧、電流に対応するソリューションがそろっており、車載電源のあらゆる用途に利用できます。

適切な電源ソリューションを選択することで、少ないICでシンプルな回路構成を実現できます。

車載電源では、プライマリー電源から受け取った電力を変換して出力するセカンダリー電源が置かれることが多くあります。

下の図は、セカンダリー電源向けソリューションのロードマップです。

こちらも多様な電圧、電流に対応しており、カメラやマイコンといった供給先の仕様に合わせて、最適なソリューションを選択できます。

アナログ・デバイセズの車載電源ソリューションは、高効率で、小型化、ノイズ低減といった課題の解決に貢献できるのが特長です。ぜひご活用ください。

電源ICについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

1ケーブルで電源まで供給できるPower Over Coax

車載カメラの小型化に寄与する技術の1つが、信号ケーブルに電源を重畳し、1本のケーブルで電源供給までを可能にするPower Over Coaxです。

アナログ・デバイセズでは、カメラモジュール、ECUのそれぞれに向けたPower Over Coaxのソリューションを提供しています。

下図は、Power Over Coaxの利用イメージ例です。

この例でカメラモジュールの基板に置かれているのは、わずか3 mm x 2 mmという小さい2チップからなる降圧型DC/DCコンバーター「MAX20019」です。

Power Over Coaxによって、煩雑になりがちな電源回路を圧倒的に簡素化できています。

ADASでは高画質化や多チャンネル化が進み、カメラが必要とする電流が大きくなっています。そこで、Power Over Coaxの送信側となるECU向けには、バックブーストや複数チャンネル化に対応できるソリューションが用意されています。

アナログ・デバイセズのPower Over Coaxソリューションを使えば、狭いカメラの基板に複雑な電源回路を押し込む必要がなくなり、カメラの小型化、部品の削減、ケーブルの軽量化を容易に実現できます。
Power Over Coax向け製品については、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。