突然ですが、マクニカオンラインサービスの記事でよくご紹介している SensorTag IoT評価キットが、実は3種類あることをご存知ですか?今回はそれぞれのSensorTagの特長についてご紹介します。

今回ご紹介する3種類のSensorTag

  • CC2650STK       :Bluetooth Low Energy、6LoWPAN、ZigBee をサポートするマルチスタンダード
  • CC3200STK-WIFIMK : 低消費電力ワイヤレス SimpleLink Wi-Fi
  • CC1350STK       : Bluetooth Low Energy と Sub-1GHz の長距離ワイヤレス

CC2650STK はFWを変更するだけで3つの無線規格が使用可能

CC2650STK(テキサス・インスツルメンツ製品:以下 TI 製品)は、小さな赤いパッケージに10種類の低消費電力センサとBLE、 ZigBeeや、6LowPAN といった3種類の無線規格に対応するデバイスが内蔵され、コイン・セル・バッテリを使用したバッテリ動作が可能です。

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低消費電力を実現したため、バッテリ不要アプリケーションの実現も可能です。

また、Bluetooth Smart により、SensorTag用のアプリ(iOS, Android)を使用すれば、わずか 3ステップでスマホに接続、加えてクラウドとの接続を確立し、センサ・データのオンライン利用を可能にします。

詳細はこちらの記事をご覧ください
SensorTag(CC2650STK)の3つの特長

CC3200STK-WIFIMK なら ゲートウェイ不要!

TIの低消費電力SimpleLink Wi-FiデバイスであるCC3200を利用しています。この低消費電力テクノロジーによって、SensorTagは単4電池のみで動作でき、バッテリー駆動アプリケーションの最適なデモ・プラットフォームとなります。

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CC3200STK-WIFIMK

Wi-Fi SensorTagキットは、ゲートウェイなしであらゆるWi-Fiネットワークに接続でき、IBM Quickstartクラウドに対しても簡単にプロビジョニングして接続できるよう設計されています。

残念ながら、本製品はFWの書き込みを行うための拡張ボードをサポートしていないため、更にマイコンの作りこみを行いたい場合は CC3200MOD LaunchPad をお買い求めください。

CC1350STK は BLE の他に Sub-1GHz に対応

CC1350STK は、Bluetooth Low Energy と Sub-1GHz 対応の長距離ワイヤレス SensorTag キットです。

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CC1350STK

見た目はCC2650STKと同じように見えますが、SimpleLink デュアル・バンド CC1350 ワイヤレス・マイコンをベースとしており、 CC1350STK は、Bluetooth を使用してスマートフォンやタブレットと直接接続できるほか、Sub-1GHz 無線インターフェイスによる数 km 範囲の通信機能も実現します。

※Macnica-Mouserからご購入いただくことも出来ますが、国内技適について未取得のため、お客様判断でご利用ください。

3種類のSensorTagの共通点と差異点

共通点

共通点は下記の3点が挙げられます。

  1. 各種情報を取得できる10種類のセンサを搭載
  2. 無料のiOSまたはAndroid™アプリを使用可能
  3. 回路/ブロック図、BOM コスト、設計ファイルなどを提供(後述のリファレンスデザインをご参照下さい)

 

技術の比較表

下記の表は、各SensorTagの技術の特長をまとめました。

製品名 CC2650STK C3200STK-WIFIMK CC1350STK
無線技術 Bluetooth Low Energy 6LoWPAN ZigBee Wi-Fi BLE(beaconのみ)+ Sub-1GHz
価  格 $ 29.00 $ 39.00 $ 29.00
バッテリ・タイプ コインセル(CR2032) 単四電池 コインセル(CR2032)
FWの開発可否 *1 ×
メッシュ・ネットワーク × ×
※標準FWでは不可
FWの開発が必要
範  囲 *2 50m 100m(メッシュ・ネットワークを使用して拡張) 100m 50m(Bluetooth)2km(Sub-1GHz)
バッテリ寿命 *3 1年(1秒間のレポート間隔) 3か月(更新周期が1分の場合)※変更不可 1年(1秒間のレポート間隔)
国内技適取得 ×

*1 開発したFWの書き込みには別途 CC-DEVPACK-DEBUG をお買い求めいただく必要があります。
     なお、FWの書き込み方法はこちらの記事をご参照ください。
*2 こちらに記載した距離はあくまで目安としてお考えください。
*3 送信間隔だけでなく、送信するデータの容量によっても変わるため、目安としてお考えください。

開発時間の時短にも繋がる リファレンスデザイン

TI社では、回路/ブロック図、BOM コスト、設計ファイル、テスト・レポートといった設計データを包括的に提供するTI reference designsがございます。

TI reference designsをご利用いただければ、組み込みプロセッサからパワー・マネジメント、更にはシグナルチェーンに至るまでの必要な情報を提供しておりますので、システムの迅速な評価、カスタム化を可能にし、製品開発期間を短縮します。

各種SensorTagの BOM(部品表)、回路図、3D 設計ファイルはこちら
CC2650STK 設計ファイル
CC1350STK 設計ファイル
CC3200STK-WIFIMK 設計ファイル

最後に

今回の記事でご紹介した3種類のSensorTagは、値段も手ごろですので、特にIoTのプロトタイプのデモ用デバイスとしておすすめの製品です。

マクニカオンラインサービスでは、SensorTagの使い方に関する技術記事やFAQも豊富にご用意しておりますので、ぜひこの機会にSensorTagを使ってみてはいかがでしょうか。


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本記事でご紹介した各種SensorTagや、IoTに活用可能なTI社の製品について詳細な情報をお求めの方は、是非こちらからお問い合わせください。

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※CC1350STKの型番について
本製品はSub-1GHz帯域が国によって使用可能な帯域が異なるため、対応する帯域に応じてアンテナ周りの回路を変更した2種類の型番がございます。購入される場合は以下を参考に、お客様の判断でお選びください。

CC1350STKUS:アメリカ、日本向け
CC1350STKEU:欧州向け