Texas Instruments(以下TI)社のIoT向けセンサー評価キットSensorTagは、10種類のセンサを搭載し、Bluetooth SmartやZigbeeなどの複数の無線通信規格に対応しています。またビーコンとしても動作可能なため、位置情報とセンサーを組み合わせたIoT分野にご興味があるお客様に、大好評の製品です。
今回はBluetooth Smartを用いたビーコン向け規格として今後注目される“Eddystone”を使って、SensorTagを“Eddystone Beacon”にしてみました。
TI社が公開している手順書を元に作業していますので、詳細は以下のリンクを参考にしてください。
http://processors.wiki.ti.com/index.php/CC2640_Eddystone_Beacon_Implementation
Eddystoneとは?
AndroidやiOSなど、Bluetooth Smartをサポートしているマルチプラットフォームで利用できるBluetooth Smartを用いたビーコン向けの規格です。Eddystoneに関するプログラムコードなどはGitHubで公開されており、Apache 2.0ライセンスにより再配布も可能となっているため、誰でも簡単に使用することが出来ます。
Eddystoneでは以下の3種類のデータの送信方法が規定されています。
・Eddystone-UID … IDを送信する
・Eddystone-URL … URLを送信する
・Eddystone-TLM … 温度や起動からの経過時間やバッテリー残量の情報を送信する
今回使用したもの
SensorTag
・CC2650STK 多種類のセンサーをBluetooth Smartで送信する評価キット
・CC-DEVPACK-DEBUG デバッグ機能を追加するデバッガボード
ソフトウェア
・TI社WEBページにて提供されているBluetooth Smart用スタック
BLE-STACK-2-1-1
・Eddystone Beacon用サンプルコード (TI社が公開している手順書のIntroduction最下部にリンクがあります。)
・統合開発環境 Code Composer Studio 6.1.1 ※以下CCSで説明
ビルド手順
GitHubに公開されているサンプルコードから2つのフォルダを、
・SimpleEddystoneBeacon
・Profiles
BLE-STACK-2-1-1をインストールすると作られる以下のフォルダの下にコピーします。
C:\ti\simplelink\blecc26xx20100_44423\Projects\ble
CCSを起動して
C:\ti\simplelink\blecc26xx20100_44423\Projects\ble\SimpleEddystoneBeacon
にある以下の2つのプロジェクトをインポートしてビルドします。
・SimpleEddystoneBeacon
・SimpleEddystoneBeaconStack
手順に記載はありませんが、
SimpleEddystoneBeaconとSimpleEddystoneBeaconStackの両方のtargetConfigs/CC2640F128.ccxml を開き、以下のConnectionを選びます。
ビルドが正常に行えたらCCSのdebugを使えばEddystone Beaconとして動作するはずです。
では、動作確認です。
SimpleEddystoneBeaconStack を先に実行(debug)した後、SimpleEddystoneBeacon を実行(debug)します。
いよいよ動作確認!
Android用アプリの Eddystone Validator は、Lollipop 5.1 でしか動作できず、対応する端末が手元にありませんでしたので、動作確認は、Evothings Studio 2.0 beta 2 の Examples "Eddystone Scan" を利用しました。
1つの画面で Eddystone-UID と Eddystone-TLM の2種類のデータが確認できました。
- Eddystone-UID (接続後すぐに表示されました)
・NID : `NID : 10-byte Namespace`
・BID : `BID : 6-byte Instance`
- Eddystone-TLM (表示されるまでに少し時間がかかりました)
・Voltage : `VBATT : Battery voltage, 1 mV/bit`
・Temperature : `TEMP : Beacon temperature` (19.5固定)
・ADV_CNT : `ADV_CNT : Advertising PDU count`
・DSEC_CNT : `SEC_CNT : Time since power-on or reboot`
まとめ
手順だけ見ると難しそうですが、ファイルのコピーだけで簡単にEddystone Beaconが作れました!
今回はiOSで動作確認を行いましたがAndroidでも動作確認が行えますので、スマートフォンがあれば手軽にどんな方でもEddystoneの動きを見ることも出来ます。
是非お試しください!
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