水位計測・情報表示をリアルタイムで実現

水位計測コーナーではインフラ用途の例として河川などの水位監視を想定し、水位が変化したことを遠隔地からリアルタイムで監視するというプラットフォームのデモを実施しました。

プラットフォームは以下のものに活用できます。

  • 容器内の液量検出
  • 液漏れ検出
  • 河川の水位観測
  • アンダーパスの冠水監視


このプラットフォームのようにエッジデバイスから可視化までの一貫したサービスを利用することで、お客様は早期に実証実験を行うことができます。

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水位計測の活用のイメージ

進化した水位計測プラットフォーム

水位計測のプラットフォームには、Texas Instruments社の静電容量式センサ FDC2214 を使用しており、これまでも何度かクラウドを通じ遠隔地からモニタリングする例を紹介してきました。

過去の展示の様子
AWS Summit Tokyo 2016

過去の展示内容と比べて、一見 変わっていないように見えますが、お客様の実証実験を早期に実現するため実は大幅に進化しています。

1. Mpression One IoT に水位センサをアタッチ

最も進化した点は、カスタマイズ自在のIoTセンサ端末(Mpression One IoT)を使用してた点です。
IoT PoV 検証モデル展示コーナーでも触れましたがセンサ、マイコン、無線デバイスの任意の組合わせをベースボードに接続することができるセンサ端末です。

水位計測のハードウェア構成は、Mpression One IoTを搭載したMain Sensor Boxと、静電容量式センサFDC2214を搭載したSub Sensor Boxを接続し、水位センサをアタッチさせています。従来は評価ボードを組み合わせて装置を構成していた点を考えると、Mpression One IoTを利用することにより実証実験が更に容易になりました。

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Mpression One IoTを活用した構成

2. 水位変化のアルゴリズムをクラウドに実装

次に挙げる進化した点は、静電容量値を水位へ変換するアルゴリズムをクラウド側へ実装したことです。

静電容量センサにはどうしても個体差(バラツキ)があり、センサを設置した後にバラツキを校正しないと正確な水位計測ができません。
仮にセンサデバイス側に水位変換のアルゴリズムを実装するとどうでしょうか?センサを設置した後にバラツキを校正することになり、非常に困難な作業が必要になります。
一方、クラウド側にアルゴリズムを持たせるとどうでしょうか?センサデバイス設置後にクラウド上で校正することができるので非常に大きなメリットになります。

見た目ではわかりませんが、実は非常に大きな進化と言えます。

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水位へ変換するアルゴリズムはクラウド側へ

モニターには、温度や湿度、照度、位置情報も表示されていますが、これはMpression One IoT端末にTexas Instruments社の複数のセンサ製品が実装されているためです。もちろん、水位計測以外にも活用することができます。

3. 給排水の自動化

デモをお見せする側の立場から言うと、この進化が最も画期的です。

従来は灯油の給油に使うポンプを使用した手動式で、動作を説明しながらシュッポ、シュッポと水位を変えていましたが、今回は水のくみ組げはポンプを使用し、排水はサイフォンの原理を使用することで自動化しました。知ったかぶりで「サイフォンの原理」と書きましたが皆さんも一度はやったことのある身近な原理です。

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左:自動給排水装置、右:従来の手動給排水装置

動画で解説

展会場で撮影した動画がありますので、デモを見れなかった方は是非、ご覧ください。

最後に

ご来場頂いた方からは「このプラットフォームは河川監視の活用事例以外にも応用ができそう」など、さまざまな感想を頂き、興味を持ってデモをご覧になっている方が多かったと感じました。

また、「水位の変化を何で見ているの?」「静電容量センサから水位って簡単に算出できるの?」といった質問も多く頂きましたので、静電容量式の水位センサを作ろう ではデモ機材の準備風景を紹介します。静電容量センサの調整方法についても触れますので同様の構成を検討されている方、要チェックです!


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