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特性インピーダンスを決めるパラメータ

基板の特性インピーダンスは、図1 の基板断面図の各部の寸法や材質の特性により変化します。これらは、いずれも製造誤差を含むので、特性インピーダンスにも誤差が生じます。特性インピーダンスを制御するには、基板の複数の製造工程で、エンジニアが介在して誤差を制御する必要があります。

図1 基板の断面(表面層)

図1 において、特性インピーダンスに影響のあるパラメータは、パターン幅 W1、W2、パターン厚 t、パターンのグラウンドからの距離 h、および、樹脂の誘電率 εr です。これらがどの程度変化するかは、基板メーカによって異なりますが、仮に、いずれも ±20% 変化するとして考えます。

パラメータの誤差と特性インピーダンス

図2 から 図5 は、それぞれのパラメータを ±20% 変化させたときの特性インピーダンスの変化を解析して示します。パターン幅については、W2-W1 を 10um として、W2 の変化で示しています。

例えば、パターン幅については、±20% の変化に対して、特性インピーダンスは、±7% 程度変化します。パターン厚に対しては、±2.5%、グラウンドからの距離に対しては、±10%、比誘電率についても ±10% 程度変化します。

図2 パターン幅の変化と特性インピーダンス
図3 パターン厚の変化と特性インピーダンス
図4 グラウンドからの距離の変化と特性インピーダンス
図5 誘電率の変化と特性インピーダンス

誤差の分布

図6 は、これらの変化が正規分布するとしたときの分布を示します。

図6 の総合は、これら 4つのパラメータの変化に対する総合的な分布で、±15% 程度の変化となります。実際の計算は、100,000点の乱数を発生させて分布を求めているので、分布に多少の凸凹が生じています。図6 から、各パラメータが ±20% 変化すると、特性インピーダンスの誤差は ±15% 程度になります。冒頭に述べたように、各パラメータがどの程度変化するは、基板メーカによって異なりますが、およその傾向は分かると思います。

図6 特性インピーダンスの変化の分布

TDR

特性インピーダンスは、通常 TDR (Time Domain Reflectmetry) 法で測定します。TDR の波形を詳しく観察すると、被測定物(DUT)の特性インピーダンスの読みが、傾斜していることに気づきます。この傾斜は、DUT の長さによって変わります。

図7 は、この読みを解析したものです。特性インピーダンスは、どのタイミングの読みが正しいのでしょうか。実は、変化した瞬間なので、図7 では 46Ω です。これを、安定するまで待って、最後のタイミングで読むと、DUT の長さによっては、特性インピーダンス 10% 程度大きく読むことになります。ここで無用の誤差が生じて、特性インピーダンスの低い基板を作ってしまうことになります。

図7 TDR(DUT の線長をパラメータ)

特性インピーダンスの誤差の影響

ところで、特性インピーダンスの誤差は、波形にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

図8 は、85Ω の差動伝送の、特性インピーダンスと両終端の終端抵抗との比に対する、遠端の振幅を正規化して示したものです。線路の特性インピーダンスが、規定値に対して、20% 小さい場合には、遠端の立ち上がりの振幅は、1.2% 小さくなります。

図8 特性インピーダンスの誤差と遠端の電圧

図9 は、特性インピーダンスが ±20% のときの反射波形です。

図9 特性インピーダンス ±20% の反射

これらを考慮して、特性インピーダンスコントロールが本当に必要か否かをきちんと解析して決定することが肝要と考えます。

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