電源ドック技術担当の佐々木です。
このコラムでは、色々なお客様サポートの中で複数回遭遇した、電源に関する不具合事例をご紹介していきたいと思います。
ある日 「テスト工程で 50% の基板の電源が焼損する不具合が発生している」 と報告がありました。
回路図だけでは分からないことも・・・
電源 IC の Lot 不良が考えられ、代替え品の用意と不具合解析を急いで実施するとのこと。

(IC 起因の不具合で 50% の不良率は高すぎるなぁ・・・)
IC 以外に問題があると考え、回路図やレイアウト図の確認をおこなうことに。
回路図を確認すると、特に問題はありませんでした。
レイアウト図は提供まで時間がかかるとのこと・・・。

レイアウト図は時間がかかるので、代わりに写真を撮りました。
外観上、問題ないと思われます。
写真を確認

確かに・・・。
IC のリードには綺麗に半田も付いていますし、写真で基板上のレイアウトを見る限り、問題は無さそうですね。。。

上司から言われて X 線写真も撮影したので、こちらも見ていただけますか?


なるほど、そういうことでしたか。原因が分かりましたよ。

本当ですか!?

正常に動作している方の X 線写真を見ると IC の裏面には半田がありますが、焼損している方は IC の裏面から半田が無くなっています。

本当だ。。焼損したことで溶けて無くなってしまったんですか???
電源が焼損した原因
電源IC裏面の半田がスルーホールに流れ落ち、半田濡れ性が悪くなったこと
焼損品の X 線写真を見ると、スルーホールが黒くなっています。
これはリフロー時に半田がスルーホールに流れ落ちたことによるものです。
これにより半田の濡れ性が低下し、電源 IC が焼損してしまいました。
このような場合、半田工程に合わせてスルーホールデザインを適正にする必要があります。
今回のポイント

IC 裏面の放熱用のスルーホールデザインには気を付ける。
アプリケーションノート
スルーホールデザインに関する 3 つのトラブル回避方法を紹介しているアプリケーションノートがダウンロードできます。
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