電源ドック技術担当の佐々木です。
このコラムでは、色々なお客様サポートの中で複数回遭遇した、電源に関する不具合事例をご紹介していきたいと思います。
お客様先の打ち合わせスペースにて。。。
その試験方法は大丈夫ですか?
低温試験をしていると、出力電圧が設定値よりも高くなったり、突然 0V になったりしてしまうんです。。。
何とか原因を突き止められませんかね・・・?
出力が不安定になる原因の一つとして、低温に対応していないコンデンサーの使用が考えられる。
しかし回路図と部品リストを確認してみると、コンデンサーやその他部品の選定方法には問題はなさそう。。。
お話だけでは分からないので、実際に検証させていただけますか?
分かりました。ではここに機材を持ってきますので、少々お待ち下さい。
(え????ここに持ってくるって、どんな方法で低温試験をしているんだろう???)
戻ってきたお客様の手には、問題の評価ボードと冷却スプレーが。。。
なるほど・・・そういうことでしたか。
実は冷却スプレーを使って低温試験をすると、正しい出力が得られない場合があるんですよ。
今後低温試験をする場合は、できるだけ恒温槽で確認するようにしてくださいね。
出力が異常になった原因
冷却スプレーを使用した低温試験が原因でした。
冷却スプレーを使用した場合、デバイスの周りには結露が発生し、これによってデバイス端子と GND 間のリーク電流が増加することがあります。
今回の場合は 8Pin の Soft Start Pin や 6Pin の COMP Pin が結露し、GND に対するリーク電流が増加したため、出力電圧が低下/上昇したり、0V まで低下するといった不安定動作が発生したようです。
今回のポイント
低温試験は恒温槽で!
冷却スプレーの使用はトラブルの原因に!!
アプリケーションノート
冷却スプレー使用時の実験結果と、トラブルの回避方法を紹介しているアプリケーションノートがダウンロードできます。
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