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リニアレギュレーターの基礎 (4) ~ 電源シーケンス ~

この記事では、リニアレギュレーターや LDO の基礎的な内容について解説していきます。今回は、アナログ・デバイセズ社製品のデータシートをなどを参考に、一般的なリニアレギュレーターや LDO を使用した際の電源シーケンスを組む方法について解説していきます。

 

※ この記事は、データシートのほかに Practical Power Solutions(英文) の Section1 の前半にある内容を含めた記事となります。

電源シーケンスは必要なの?

電源シーケンスは、なぜ必要なのでしょうか? 

 

マイコン、FPGAやアナログ集積回路などのデータシートやアプリケーションノートには、電源供給する際の注意事項として電源シーケンスが規定されています。 複数の電源電圧供給が必要なデバイスを使用する際は、必ず確認することが重要です。

 

電源シーケンスを守らない場合、デバイスのプロセス、回路や構造により問題発生の内容が異なりますが、次のような問題が発生する可能性があります。

 

  1,ラッチアップが発生し大電流が流れ、最悪デバイスが破損する

 

  2,ラッシュ電流が流れて、デバイスの信頼性に影響する

 

  3,内部のロジックタイミングがズレて、誤動作する可能性がある

 

このような、いくつかの問題が発生する可能性があり、デバイスの信頼性に影響することや回路誤動作につながるので注意が必要です。

 

必ず次のような、立ち上げや立ち下げ電源シーケンスが必要なデバイスか確認してください。

図1:電源立ち上げ・立ち下げシーケンス
図1:電源立ち上げ・立ち下げシーケンス

リニアレギュレーターやLDOを使用した場合の注意点

イネーブル (EN) やシャットダウン (/SHDN) ピンがあるか確認する

電源の立ち上げシーケンスのみで良い場合は、イネーブル (EN) やシャットダウン (/SHDN) ピンがあれば問題ありません。

 

ただし、リニアレギュレーターやLDO製品には、イネーブル (EN) やシャットダウン (/SHDN) が無い製品もあるので、必ずピンがあるか確認してください。

図2 : イネーブル (EN) やシャットダウン (/SHDN) の有無
図2 : イネーブル (EN) やシャットダウン (/SHDN) の有無

立ち下げシーケンスが必要か確認

最近の低電圧を必要としているPFGAなどは、立ち下げシーケンスも要求事項となっています。 立ち下げシーケンスの場合、イネーブル (EN) やシャットダウン (/SHDN) ピンのみで制御することが難しい場合があります。 

 

リニアレギュレーターやLDOは、出力側に電荷を引き込むパワー素子などが内蔵されていない場合が多いため、出力と負荷間にあるコンデンサーの容量が大きい場合、オフの電圧まで落ちずに電源の立ち下げシーケンスを逸脱する場合があります。

 

そのような場合には、外付けのFETで出力側の電圧を制御する必要があります(図3)。

図3:外付けディスチャージ回路
図3:外付けディスチャージ回路

アナログ・デバイセズ社の製品には、電流を引き込むためのパワー素子内蔵のディスチャージ機能付きLDOがあります。 この製品を使用すれば、外付けのパワー素子を使わずにパワーダウンシーケンスを組むことも可能です。

 

詳しくは、「FPGA用電源シーケンスの注意点(LDO編)」の記事を参照してください。

電源シーケンスを組むには

リニアレギュレーターやLDOを使用した際の電源シーケンスの注意点をまとめましたが、実際に電源シーケンスを制御するためには、マイコンやCPLDなどを使用しプログラミングが必要となり開発工数が気になるところです。

 

プログラミングを避けたい場合は、次に紹介するハードのみで設計するアナログ・デバイセズ社のシーケンス専用のデバイスを使用することも検討してみてください。

トラッキング制御

電源を同時立ち上げしたい場合、トラッキング制御をおこなうデバイスがあります。 例えば、LTC2923を使用することで2つのレギュレーターの立ち上げ・立ち下げをトラッキング制御することが可能となります(図4)。

 

このデバイスの特長は、接続する抵抗によりトラッキングのタイミングや傾きを制御できることです。トラッキング制御は、最大4チャンネル制御(LTC2925を使用)まで可能です。

図4 : トラッキング制御
図4 : トラッキング制御

パワー・システム・マネージメント (PSM) を使用したシーケンス制御

多くの電源シーケンスを組むには、パワー・システム・マネージメント (PSM) を使用することをお勧めします。このシリーズのデバイスを使用することで1つのデバイスで2~24チャンネル制御可能なデバイスがあります。 また、デージーチェーン接続することで制御可能なチャンネル数を増やすことも可能です。

 

その他、パワー・システム・マネージメント (PSM) 製品の特長については、「電源回路起因のシステム異常を記録する」という記事を参考にしてください。

リニアレギュレーターやLDOを使用したシステムにおいて、電源シーケンスを組む必要がある場合は、注意事項を確認して部品選定してマイコンやFPGAの要求仕様に合った設計をお願いいたします。

 

プログラミング不要のシーケンスICやパワー・システム・マネージメントICの有効活用もご検討ください。

 

LDO使用の注意点をセミナーでも解説しております。下記セミナーのご参加も検討お願いいたします。

おすすめセミナー/ワークショップはこちら

今回の技術記事にある、LDOの負荷応答特性、LTspiceを使用したLDOの評価方法、ジャンクション温度の計算ややシーケンス制御などを知りたい方は、下記リンクのセミナー一覧の「LTspiceを使ってリニアレギュレーターの基礎を学んでみよう!」「LTspiceを使ってディレーティングカーブと電源シーケンスを確認してみよう!」の受講を検討ください(3-4ヵ月毎に開催)。

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