本記事は、SPICE に用意されているドット・コマンドについての連載記事です。第7回目は、 LTspice内で初期条件を設定する際に使うコマンド(.ic )について説明します。
最後のアンケートに回答頂くと、LTspice Help にある初期条件 (.ic) コマンドの補足資料をダウンロード頂けます。Help 資料はネットリストベースの資料ですが、本記事のように 回路図ベースのシミュレーションを実行した解説資料とサンプル回路を入手したい方はアンケート回答のご協力お願いします。
初期条件 ( .ic コマンド)
.ic コマンドは、初期条件を定義して、LTspice 内で使えるようにするコマンドです。コンデンサーが接続されているノード電圧やインダクター電流の初期条件の設定が可能です。 特に、次の章で解析例を挙げているようなトランジェント解析において、初期条件を指定しない場合コンデンサーはオープン、インダクターはショートの状態として解析を始めるため、解析の初期状態が意図しない結果となる場合があるので、 .icコマンドで設定が必要となる場合があります。
初期条件(.ic)の構文
初期条件 (.ic) のネットリスト表記について説明します。LTspice の構文 (Syntax. ) は、次の構文になります。 < > は、設定時に必須項目となっています。 [ ] は、省略可能です。
.ic [ V (<n1>) = <voltage> ] [ I (<inductor>) = <current> ]
|
項目 |
内容 |
|
n1 |
ノード名を指定 |
|
voltage |
ノード電圧の設定 |
|
inductor |
インダクターを指定 |
|
current |
インダクター電流の設定 |
初期条件コマンドの使用例
ここでは、次の回路を作成して初期条件(.ic)コマンドの使用方法を確認します。
RC回路を構成しコンデンサーに電圧を与えた時のノードAとノードBに接続されているコンデンサーの充電特性を確認する回路を作成します。電源電圧は、V1から20Vを供給する回路です。
図1:初期条件(.ic)コマンド確認回路
初期条件の設定
初期条件は、.icコマンドを使用して設定します。
SPICE Directive をクリックして、次の様に入力し.ic コマンドにより初期条件を設定します。
.ic V(a)=0
ノードAの電圧を0V(ゼロ)としてシミュレーションを開始するように設定します。
シミュレーション結果
シミュレーションの結果は、次の通りです。 実効後、ノードAの電圧 V(a)(緑色の波形)は、初期条件を0V(ゼロ)設定しているので、RC時定数に従って上昇します。 ノードBの電圧は、初期条件をおこなっていないのでシミュレーション実行直後C2はオープンとして処理されるのでノードBの電圧はV1の設定電圧と等しい20Vとなるので、ノードBの電圧は20V一定のシミュレーション結果となります。
図2:シミュレーション結果
マクニカで用意したの Help の解説資料は、初期条件の設定事例として回路図ベースで説明しています。解説資料とサンプル回路を入手したい方は、アンケート回答のご協力お願いします。
初期条件の設定事例
1, コンデンサーを接続しているノードの電圧設定をした場合
2, インダクターの初期電流値を設定した場合
3, コンデンサーの放電特性を確認した場合
ユーザー定義関数 (.func) コマンドの補足資料ダウンロード
LTspice ヘルプ内の 初期条件 (.ic) コマンドの解説資料とサンプル回路をダウンロード頂くことが可能です。アンケート記入後、補足資料ダウンロード URL をメールにて送付させていただきます。
今後こんなセミナーを実施して欲しい、こんな技術資料が欲しいなど、ご要望がありましたらアンケートの自由記述欄にご意見ください。皆様のご意見をもとに、お役に立てるようなセミナーの実施、技術資料の提供をさせて頂きたいと考えています。
最後に
まだLTspiceを使ったことがない方は、下記のリンクよりLTspiceをダウンロードしてみてください!
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