私は機械メーカ―で3年半、筐体や機構設計など、開発業務に携わった後、マクニカにFAEとして中途入社しました。
マクニカは中途入社の方の比率も多く、全く疎外感がなくとても過ごしやすいです。
もともと、大学も機械系で入社時には全く電気の知識がなく、オームの法則からやり直し現在、必死に勉強中です。
そんな中で実際にDC/DCコンバーターを設計する機会がありましたので、私のような電気屋初心者の方の手助けになればと
その過程をご紹介させていただきます。
この記事は、「ユニバーサル基板でDC/DCコンバーターを作ってみた」編の回路図そのままに、プリント基板で作成しています。
基板パターンのレビュー
前回は基板パターンを私の思うままに書いてみましたが、今回はこれをレビューしてもらいます。
初めて書いた基板パターン
何度も修正してはレビューを繰り返し、ようやく出来上がった基板レイアウトはこんな感じです。
レビュー後の基板パターン
見違えましたね!(笑)
これでもまだ修正の余地が残っていると思いますが、ひとまず今回は、これで決定とします。
変わりすぎてもはや何がダメだったのか。。という感じですが、以下に主な修正点をまとめました。
主な修正点
・入力/出力ノードが狭すぎる。寄生抵抗・寄生インダクタンスにより、電圧が落ちたり(電圧ドロップ)、ノイズが
発生する可能性がある。
・入力コンデンサーの並べ方
低い周波数から順番にカットして、最後は一番小さい容量のコンデンサーすなわち一番高周波カット用のコンデンサーを
デバイスのPINに極限まで近づける。
・Css,INTVccなどデータシートに、デバイスに近づけて配置と記載のある重要なコンデンサー類は、最大限、近くまで近づける。
・ホットループが、他のパターンによって分断されてしまっている。ホットループ上に障害物は置かない。
・電圧FBポイントの取り方
出力をモニターするポイントは一番安定したポイントであるべき。
・SWノード(電源ICのSWピンとインダクターの接続部)は最小減の広さにするべき。
基板レビュー後の感想
導通していることと、パターンとして機能するということが、全く違う話だということを学びました。
全て部品と部品をつなぐパターン配線には(ベタになっているGNDも)、寄生のインダクタンス成分や、抵抗成分が含まれていて、それをケアしなくてはいけないということです。そして、そのケアしなくてはいけない部分がどこなのか?をしっかり把握しておくことが大事だと思いました。
正直あまり、電流の流れを意識できていなかったので、これからは常に意識していくことが大事だと思いました。
あと、アナログ・デバイセズの製品ページを見ると、評価ボードのレイアウトがダウンロードできることがあります。
評価ボードは理想的な設計がされているので、これを参考にすることで少し手間が省けると思いました。
基板の発注
とは言え、実際パターンによる違いが本当に表れるのか、体感したことがないので分かりづらいので
レビュー前とレビュー後のパターンは両方注文して比較することにしました。
パターンを確定させたら発注作業に入ります。
基盤の発注は、Elecrow Elecrow: PCB Prototype & Open Hardware For Makers というサイトでおこないました。2層の基板なら一枚100円程度で作れてしまう激安サイト。。。
これで儲かるの?と心配になりますが(笑)
詳しい手順は長くなってしまうのでここでは説明できませんが、KiCADでガーバーデータを出力後、レイヤーごとにファイルが生成されるので
Elecrow指定の拡張子に変換して、そのデータをアップロードすればOKでした。
次回、届いた基板に部品を実装・評価してきます!
ユニバーサル基板編 / プリント基板編一覧
■ユニバーサル基板編
・ユニバーサル基板でDC/DCコンバーターを作ってみた (1)
・ユニバーサル基板でDC/DCコンバーターを作ってみた (2)
・ユニバーサル基板でDC/DCコンバーターを作ってみた (3)
・ユニバーサル基板でDC/DCコンバーターを作ってみた (4)
■プリント基板編
・自作プリント基板で電源作成!(2)