高くて涼しい！？広入力範囲・小型の降圧DC/DCコンバーター＆モジュール「ヒマラヤ」 - 半導体事業

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産業用機械に組込まれる降圧DC/DCコンバーターには、広い入力範囲と高い効率が求められます。「広入力で、出力電流が大きく、小型のモジュールが欲しい」「もっと効率の良いDC/DCコンバーターを使いたい」とお探しの方も多いのではないでしょうか？

そうした方に紹介したいのが、広入力と高効率を両立する、アナログ・デバイセズの「Himalaya（ヒマラヤ）」シリーズです。地球上で最も標高の高いヒマラヤ山脈のように、「高くて涼しい」という特長を持っています。

ここでは、産業用におすすめのDC/DCコンバーター、Himalayaシリーズを紹介します。

高くて涼しい？降圧DC/DCモジュール「Himalaya」とは

「Himalaya（ヒマラヤ）」は、アナログ・デバイセズの提供する、産業用DC/DCコンバーターのシリーズです。

「高電圧入力が可能」かつ「熱を帯びない」ことから、8000メートル級の山々が連なり、いつでも涼しい「ヒマラヤ山脈」をイメージした愛称が付けられています。

デバイスとモジュールが豊富にラインナップされており、いずれも「高くて涼しい」のが大きな魅力になっています。

「ヒマラヤ」と名付けられた由来でもある、シリーズの特長を紹介します。

ヒマラヤの理由その1　～最大76Vに対応。「高いところ」で使いやすい～

Himalayaシリーズの大きな特長は、「4.0V～76V」という非常に広い入力範囲です。最大60V・76Vなど、一般的な産業向けDC/DCコンバーターと比べても抜群に高電圧に対応できるラインナップがそろっています。大きな電圧変動にも耐えられる堅牢性を有しており、広入力の求められる産業用アプリケーションに最適です。

また、Himalayaシリーズの動作保証温度は「-40℃～125℃」で、非常に幅広い温度帯に対応しています。極寒から極暑まで、過酷な環境で使われることの多い産業用機械に安心して搭載できます。ICが組込まれる製品本体にも、広範囲の動作温度を保証することが可能です。

パッケージは0.5mmのピンピッチ。各種保護機能も組み込まれており、産業用途で優れた性能を実現できるソリューションとなっています。

ヒマラヤの理由その2　～最大92％の高効率で、いつでも「涼しい」～

Himalayaシリーズのもう１つの特長として、最大92％という業界トップクラスの変換効率が挙げられます。

電源変換ロスが非常に少なく、IC自体の温度上昇を抑制できます。これにより、ヒマラヤ山脈のように「いつでも涼しい」動作を実現しています。

高電圧・大電流で使われる産業用機械は、ICの熱が基板に伝わることによって、近くのICの動作不良や計測精度の低下を招きます。熱を帯びにくいHimalayaシリーズは、他のICに与える影響が少なく、自由度の高い設計が可能となります。基板の熱が精度低下につながりやすい計測機能などにも最適です。

Himalayaシリーズは、最大76Vまでの広入力と、最大92％という高効率を両立し、その名の通り、最高にクールな使い勝手を実現していると言えるでしょう。

「60Vまでの広入力」かつ「1Aの出力」が可能な、反転出力用小型デバイス「MAX17577」

それでは、Himalayaシリーズのソリューションを具体的に紹介しましょう。デバイスの一例が、FET内蔵のDC/DCコンバーター「MAX17577」です。最大60Vという広い入力電圧に対応しつつ、最大1Aまでの出力電流を実現しています。

4.5V～60Vという入力範囲の広さを持ちながら、負電圧への反転出力が可能なことが特長です。パッケージサイズは3.1×3.1×0.8ミリメートルと小さく、狭い基板スペースにも実装できます。

動作温度範囲は-40℃～125℃で、Himalayaシリーズならではの堅牢性。最大ピーク効率90.6％を実現しています。CISPR32(EN55032) Class B適合、設定可能なEN/UVLOスレッショルド、過熱保護機能など、産業向けに求められる機能を備えています。

高電圧テレコム電源、産業用制御装置 (PLC)、ビルディングオートメーション、空調システム (HVAC)、汎用高電圧電源といったアプリケーションに適しています。

「42Vまでの広入力」と「5Aの出力」を両立する、世界でも数少ない小型モジュール「MAXM17546」

また近年は、基板スペースの制約や開発期間の短縮化から、インダクター内蔵で省スペースなモジュールタイプのICをお探しの方が増えています。

そうした方には、「高くて涼しい」ヒマラヤのメリットはそのままに、インダクターなどの周辺部品を1つのパッケージに集約した、モジュールタイプのラインナップがおすすめです。「設計の簡素化」「回路の小型化」「部品点数の削減」に貢献する、広入力・高効率のモジュールがそろっています。

その一例が、降圧DC/DCモジュール「MAXM17546」です。

モジュールタイプでありながら「42Vまでの広入力」と「5Aまでの出力」を同時に実現している、世界でも数少ないソリューションです。9×15×4.3ミリメートルの小型パッケージで、限られた基板スペースにも容易に配置できます。

一般的に、広い入力と大きな出力が両立するモジュールは開発難易度が高く、サイズやコストが犠牲になりがちです。ところが、Himalayaシリーズのモジュールは、機能を両立しながら、採用しやすいサイズとコストを実現しています。広入力、大電流、小型化をすべて同時に実現し、筐体の小さい産業用機械にも採用しやすいモジュールです。