前回の LTspiceを使ってみよう -「.meas」で最大・最小電圧値の確認方法 では、電源ICの負荷変動時における出力電圧の最小・最大値の値を読み取る「.masure」コマンドをご紹介をさせていただきました。

今回は、「.step」コマンドを使って、回路図中の定数を段階的に変化させてシミュレーションをおこなうパラメトリック解析の方法をご紹介します。

 

もしLTspiceを今から始められる方でしたら、以下の一覧から「基本編」を見ることをお勧めします。 

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コンデンサーへの充電時間をシミュレーションしてみよう!

RC回路において抵抗値を10Ω、100Ω、1kΩに変化させた時の、コンデンサーへの充電時間を「.step」コマンドを使って時間軸での波形を確認してみます。

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CR回路

.stepコマンドの使い方

抵抗部品のパラメーターを変数で定義するため、抵抗の上で右クリックしResistance(抵抗)の値として{X} と入力します。

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抵抗の[Value]欄に「{X}」を入力

ツールバーのEditから[SPICE directive]を選択します。Edit Text on the schematicsを開くので、ここで.stepコマンドを追加します。

 

このコマンドは、パラメーターで指定した変数(ここでは X)を線形または対数的に値を変化させるか、リストによってパラメーターの値を指定します。今回は3つの値をリストとして設定します。 そのため記述は「.step param X list 10 100 1k」とし、パラメーター X をリスト中の各値に変化させながら実行します。

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.stepコマンドの入力

シミュレーションの実行

トランジェント解析を実行すると、下図のように波形が3種類でました。抵抗値が10Ωの時が緑の波形、100Ωの時が青の波形、1kΩの時が赤の波形となります。 このように、一度のシミュレーションでパラメーターを変化させた結果を得ることができるため、回路検証を効率よくおこなえることが可能となります。

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充電時間の波形結果

「.step」コマンドを電源ICの評価に応用してみよう!

前回の LTspiceを使ってみよう -「.meas」で最大・最小電圧値の確認方法 では、降圧型レギュレーターのμModuleシリーズ LTM8065の負荷変動時における出力電圧の最大最小電圧値(Peak to Peak)の値を読み取りました。

さらに「.step」コマンドを使って負荷電流のパラメータを変更して「.masure」コマンドで最大・最小電圧値(Peak to Peak)の値を読み取ってみます。

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LTM8065シュミレーション回路

前回のダウンロードファイルを開き、負荷電流源の設定を次のように最大値を {X} に設定します。

PULSE(0.5 {X} 600u 100u 100u 300u)

また下記の通り「.step」コマンドを記載します。

.step param x 1 2.5 0.5

最後にシュミレーションを実行すると、下図のように1~2.5Aを0.5Aずつ変化させた(4ステップ)の出力電圧変動の結果が確認できました。

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負荷電流の最大値ステップ変更時の負荷応答

回路図上で「Ctrl」+「L」でLogファイルを開くと、下図のようにステップパラメーターを振った際の最大・最小電圧値(Peak to Peak)の値を読み取ることができました。

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ステップ変化時の最大値・最小値の読み取り結果

このように「.step」と「.meas」を組み合わせることで、効率的に電源ICのシュミレーションが可能となります。

今回検証したLTspiceデモ・ファイル

LTspiceインストール済のパソコンで、zipファイルを同一フォルダーに解凍後、LTspiceを実行すると波形表示が自動的に始まります。

RC_step_test__1.zip

.step(RC回路)シミュレーションファイル

8065_step_test__1.zip

.step(LTM8065回路)シミュレーションファイル

最後に

今回は「.step」に関する内容でしたが、他にも多種多様なコマンドが用意されています。今後も様々な機能についてご紹介していきますので、引き続きよろしくお願いします。

また、LTspiceセミナーも定期的に実施しています。LTspiceの基本操作を習得できますので、ご参加をお待ちしております。

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