電力コストの削減に向けてLED照明の展開を推進
耐久性と長寿命が大きな魅力の高効率産業用LED照明「ShinyU」

USER PROFILE
■企業情報:株式会社ニッケン鋼業
■業務内容:
ニッケン鋼業は、日鉄建材のグループ企業として、日鉄建材が販売する建築・土木分野の主要商品の製造委託加工や、日鉄建材各製造所・工場における役務の提供および防災ベッド等防災商品の製造販売を行っています。我が社は全国に5事業所・7役務提供拠点を展開し、「安全・安心」をキーワードに、働き甲斐のある安全で家族にも安心な職場づくりを実践し、社会に対しては、法令遵守のもと、日々の生活に安全・安心を与える商品の製造を心がけています。日鉄建材とともに、つねに未来を見つめ、社会・地域に貢献できる企業を目指します。

サマリー

背景

 防災商品など安心・安全に貢献する各種ソリューションを提供

課題

 電力コスト削減に向けてLED照明への切り替えを検討

選定

 耐久性の高さと長寿命なShinyUがコスト削減に貢献すると判断

現状運用

 消費電力削減率65%以上・400%越えの照度アップで作業品質向上に大きく貢献

今後

 除菌照明など従業員の安全確保に向けた取り組みにも期待

背景

防災商品など安心・安全に貢献する各種ソリューションを提供

株式会社ニッケン鋼機と株式会社ニッケン滋賀、株式会社ニッケンサービスが合流し、2015年に金属製品の加工メーカーとして誕生した株式会社ニッケン鋼業。日鉄建材のグループ企業として、日鉄建材が販売する建築・土木分野の主要商品の製造委託加工をはじめ、日鉄建材が展開する各製造所・工場における役務の提供や防災ベッドなど防災商品の製造販売を行っており、河川・山間部で使用される防災・鉄構商品や道路で使用されるガードレールや市街地で使用される照明柱、建物の柱として使用されるUコラム、家屋の中で使用される防災ベッドや防災シェルターなど、安心・安全に寄与する各種ソリューションを提供している。

栃木や静岡、名古屋、岐阜、豊前など全国に事業所を展開している同社では、点在する事業所ごとに異なる商材を取り扱っている。その事業所の1つである福岡の豊前事業所では、土砂災害の防止・減災に貢献するスリットダムやノンフレームと呼ばれる斜面防災工法時に利用する補強材、土石流対策えん堤や砂防えん堤に用いられるSBウォールなど、防災・鉄構商品の製造を手掛けている。なかでもスリットダムは西日本エリアにおいて生産量や出荷量は最大規模となっており、土木分野における防災商品によって安心・安全な環境づくりに大きく貢献している。

課題

電力コスト削減に向けてLED照明への切り替えを検討

株式会社ニッケン鋼業 加工工場 田長丸 尽 氏

そんな同社では、以前から全社的に電力コストの削減が大きなテーマとなっており、数年前から事業所内の作業場や倉庫などに使われてきた水銀灯のLED化を進めてきた。「水銀灯自体は法的な規制もあって新たに調達できない状況にあるなか、電力コストを抑制することを目指して、LEDへの切り替えが進められてきました」と参与 事業所長 福間 信夫氏は語る。その意味では、すでに数年前から水銀灯からLED照明への切り替えを作業場ごとに進めており、今回は新たに倉庫として利用している第八作業場がターゲットとなっていた。

第八作業場については、照度自体も課題となっており、生産性の面でも改善が期待されていた。「作業場には出荷場があり、出荷時には商品のバーコードやロット番号の確認などが行われます。実際に作業しているメンバーからは暗いという声も寄せられており、本来であれば先に使うべき古いロットのものに気づかないといった事象も発生していました」と加工工場 田長丸 尽氏は当時を振り返る。

選定

耐久性の高さと長寿命なShinyUがコスト削減に貢献すると判断

 新たな環境を検討するにあたって注目したのが、マクニカが提供する高効率産業用LED照明「ShinyU」だった。実は同社が利用している第二・第三作業場についても、2020年に水銀灯からLED照明に切り替えているが、この2つの作業場で採用したShinyUに改めて注目したのだ。「第二・第三作業場では、切断や溶接などの作業を行うだけでなく、検査場としての役割も果たしています。その照明に採用した実績もあり、ShinyUを改めて検討したのです」と田長丸氏。特に光源寿命が7万2000時間であるShinyUは、一般的なLED照明に比べて長寿命で、交換時のコストも含めて同社が求めるコスト削減に貢献することが期待されたのだ。

 そして今回導入を計画した第八作業場は、夏場には建屋の天井部分が高温になることがあり、耐久性などについて十分配慮された製品が必要だった。「以前導入した作業場は普段から作業しており、大型ファンを回しているため熱についてはあまり意識しませんでしたが、倉庫として利用している第八作業場にはファンなどが導入されていません。通常に比べて耐久性能のあるものが必要だったのです」と田長丸氏。一般的なLED照明の場合、おおよそ40℃前後が性能保証となっているが、ShinyUは50℃まで耐えられる仕様になっているなど、耐久性の面でも高く評価されたのだ。

 事前にマクニカが実施した照度シミュレーションも具体的な展開イメージが分かりやすく、製品選定プロセスにおいて背中を押す材料になったという。光を拡散させずに必要な場所に最適な光を落とすレンズによって、眩しすぎずに手元を明るく照らすことが可能になるなど、生産性を高めることにつながる提案についても評価された。

 また、マクニカのパートナーとして現場への提案から設置までを手掛けた株式会社スピナの存在も大きかった。スピナであれば、水銀灯に含まれているポリ塩化ビフェニル(PCB)への適切な処理が可能で、既存環境の撤去についても適切に処理できると判断。結果として、コスト削減と作業性の向上につながる環境として、スピナが提案したShinyUが選択されることになった。

現状運用

消費電力削減率65%以上・400%越えの照度アップで作業品質向上に大きく貢献

現在は、以前導入した第二・第三作業場には21灯、そして新たに第八作業場には32灯のShinyUが設置され、水銀灯に比べて大幅な省エネ効果を実現しており、照度アップによって現場作業の品質向上に貢献している。具体的には、第二・第三作業場については設置前の照度に比べて204%増、第八作業場については東エリアで131%増、南西エリアでは作業場としても利用可能な照度に設定し482%増の照度アップを実現した。

また、今回の切り替えにより、第八作業場では消費電力削減率68.8%10年間のCO2排出量削減量約5,745トンを実現し、電力コスト削減・CO2排出量削減にも大きく貢献している。

第八作業場(東エリア)
第八作業場(南東エリア)

 ShinyUの設置後、現場で働くメンバーからは手元が見やすくなったと好評だ。「再点灯まで時間が必要な水銀灯とは違い、すぐに明るく照らせるLED照明のおかげで、帰宅するつもりで消灯したあとに作業が必要な場合も、すぐに明るくできることは大きなメリットだと現場からも評判です」と田長丸氏。特に第二・第三作業場では溶接などの作業を行っている現場となっており、ミリ単位で実施される切断作業や精度が求められる溶接作業の品質向上にも貢献しているという。「照度によって見やすさが変わるため、例えば溶接の欠陥や乱れなどへの影響も出てくるところです。もちろん、その場で問題が発見しやすくなったほうが、後工程での確認よりも効率は間違いなくよくなります。作業品質の向上にかなり役立っているはずです」と田長丸氏。

 現場の照度向上によって、外部の人が行う製品の立ち入り検査時にも印象は大きく変わってくるという。「実際に役所の方などお客さまが現場に来て、現場の工程や加工溶接のプロセスを見て回ることがあります。作業場が明るくなることで印象も変わりますし、視覚的な効果も見逃せない」と田長丸氏。なお、もともとグループ全体として脱炭素や省エネなど環境への積極的な取り組みを実施しているだけに、環境に配慮した施策につながるものとしての評価も高い。

 なお、今回ShinyUの提案から現場施工までを一気通貫で担当した株式会社スピナについては、「以前からグループ全体でお付き合いがあり、別の機械導入や現場工事などもお願いしてきた経緯があります。今回も我々が必要とする対投資効果などの資料を揃えていただくなど、とても助かっています」と福間氏は高く評価する。


今後

除菌照明など従業員の安全確保に向けた取り組みにも期待

現在は、作業所全てのLED照明への切り替えが完了している段階で、LED照明を拡張していく計画はないという。ただし、現在のコロナ禍において需要が高まりつつある除菌照明などの分野については検討する余地もあるという。「事務所内の照明については、従業員の感染リスク軽減や来訪者の安全につながる除菌照明などを検討することは十分考えられます。すでにマクニカが提供している白色LED除菌照明のVioClean🄬に関する紹介をいただいており、検討する価値はある」と田長丸氏。

また、環境に貢献するための仕組みや安全対策に効果のある環境づくりについては、引き続き検討していきたいという。「照明だけでなく、脱炭素につながるような環境配慮の仕組みや防災をはじめとした安全面に役立つものなど、さらなる提案に期待しています」と福間氏に今後について語っていただいた。

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