常時点灯で衛生的な環境の継続が可能、安心安全の提供に貢献
除菌していることを感じさせない白色LED除菌照明「VioClean®

USER PROFILE
■企業情報:株式会社スピナ
■事業内容:
1952年に八幡製鐵株式会社(現 日本製鉄株式会社)の子会社「八幡製鐵ビルディング株式会社」として設立。翌年に貸ビル業を創業して以来、北九州を拠点に不動産賃貸事業、建設業、ビルメンテナンス事業、自動車事業、商品販売事業に加え、環境関連事業として緑化事業および太陽光発電事業など多岐にわたる業種を展開。地域活性化のための「元気の出る素」として“ビジネスのアメニティ”と“暮らしのアメニティ”を提供し続ける人に優しい企業を目指す。

サマリー

背景

 ・総合サービス業として、多角的な事業展開を推進するスピナ

課題

 ・コロナ禍における物理的なスペースの感染症対策を検討

選定

 ・可視光ながら除菌効果のある波長を利用、常時除菌が可能な点を評価
 ・紫外線による除菌設備と比べて半分以下のコストで設置展開

現状運用

 ・室内が常時除菌されていること、人体に悪影響が無く日常使いできることが大きい
 ・一般的な白色LEDで照らしているのと変わらない白い光

今後

 ・換気が不十分なスペースへの展開や自社が運営する不動産に対する価値向上に

背景

総合サービス業として、多角的な事業展開を推進するスピナ

1952年に不動産の貸ビル業として創業、現在は西鉄グループとして北九州を拠点に多角的な事業を展開している株式会社スピナ。不動産賃貸事業をはじめ、建設業やビルメンテナンス事業、自動車事業、商品販売事業、緑化工事や緑地の維持管理といった環境関連事業など多岐にわたる業種を展開しており、2021年には子会社を吸収合併することで給食・レストラン事業も手掛けている。地域活性化を図りながらビジネスおよび暮らしのアメニティを提供し続けることで、人に優しい企業になることを基本理念に据えている企業だ。

多角的な事業展開を行う総合サービス業を生業としている同社では、例えば不動産に関連したビルメンテナンスの際には、リフォームや外構工事といったサービスだけでなく、什器類の販売も含めた不動産価値向上に役立つ各種サービスを一括で提供できることが大きな強みの1つ。また、複数の店舗を誘致した複合商業施設の運営も手掛けているなど、一般的な不動産賃貸業とは異なるユニークな事業展開も特徴となっている。

課題

コロナ禍における物理的なスペースの感染症対策を検討

世界中で新型コロナウイルス感染症が急拡大するなか、企業では様々な方法で感染症対策を実施しているが、同社においても様々な形の対策が実践されてきた経緯がある。「従業員の感染を予防するべく、手洗いの徹底やアクリル板の設置といった基本的な対策を実施したうえで、Web会議ツールなどを駆使してお客様とコミュニケーションできる環境を整備するなど、働き方についての変革も行ってきました」と総務部長 津留 泰宏氏は語る。

株式会社スピナ 総務部長 津留 泰宏 氏

ただし、全てのやり取りがオンライン上で完結できるわけではなく、なかには直接顔を合わせてミーティングする必要があるため、取引先との打ち合わせ場所となるミーティングスペースにおける感染症対策が必要になっていたという。「お客様が来訪いただいた際に、感染リスクを軽減したうえで安心して打ち合わせできる環境づくりが求められていたのです」と津留氏は当時を振り返る。

現実的には、薬剤で除菌するような人的なリソースでの対策は進めていたものの、物理的な除菌作業は継続しながらも、機材を導入して効率的に除菌できるような環境づくりも求められていた。「エアコンの吹き出し口にフィルタを設置して菌を噴射させないといったハードウェアでの対策も実施していますが、どうしても定期的にフィルタ交換が発生してしまう。人手でドアノブなどを消毒するといったアプローチも重要ですが、できる限り手間のかからない形で除菌できる方法も合わせて検討したのです」と津留氏。

選定

可視光ながら除菌効果のある波長を利用、常時除菌が可能な点を評価

そんな折、グループ内でバス事業を展開する企業から、バス設備を常時除菌できるような仕組みがないか、相談を持ち掛けられたという。そこで、ソリューションを持っている複数の企業に声をかけ、実際に商品の説明を受けることに。「いくつか商品を見せてもらいましたが、基本的には紫外線を照射するタイプばかり。紫外線の照射は人体に影響を及ぼす波長があり、そもそも常時除菌することが難しい。設置場所についても制約があるなど、クリアしなければいけない条件が多かったのです」と建築設備部 部長 判田 敏幸氏は説明する。

白色LED除菌照明「VioClean®」

そんな状況下で、マクニカサーキュラーエコノミービジネス部から提案されたのが、Gtech Solutions Inc.(本社所在地:台湾、台北市)の白色LED除菌照明「VioClean®」だった。VioClean®は、可視光を使いながら除菌効果のある波長の光の照射が可能という画期的な技術を採用しており、これまでにはないアプローチだったという。「実機にて事前確認をしましたが、普通の白色LEDで照らしているのと変わらず、違和感がなかった。その場にいる人に除菌していることを意識させないという観点でも、魅力的な商品だと考えたのです」と津留氏は期待を寄せたという。

また、紫外線を使った照明器具は1台あたりの単価が高額だが、VioClean®は一般的な紫外線による除菌設備に比べても半分以下のコストで設置展開できることも大きかった。ただし、紙面上での効果データは示されていたものの、除菌やウイルス不活性化にどの程度つながるのかについての事前検証は必要だった。そこで、将来的には自社で販売することも視野に、VioClean®を採用して検証することを決断したという。

現状運用

室内が常時除菌されていること、人体に悪影響が無く日常使いできることが大きい

現在は、打ち合わせなどに利用するミーティングルームに、これまでのダウンライトと同じ場所に8灯のVioClean®を設置し、打ち合わせ時には白色除菌モードで除菌を実施、夜間は照明部分をオフにすることで除菌が可能な省エネ除菌モードにて運用している。設置自体は半日ほどの施工で済むなど、一般的な電気工事が可能であればすぐに設置できる仕組みだ。

設置当初は試運転の段階にあったため、VioClean®を使った除菌についての全社的な通達は行っていなかったが、通達前にミーティングルームを使用したメンバーからVioClean®について特段声は上がらなかったという。「デザインもこれまで使ってきたライトと同じで、照明の色も違和感がないことから、除菌されていることに誰も気づいていません。誰からも気づかれずに安全対策ができているのは何より」と津留氏は評価する

VioClean®を導入したことで、顧客との対面ミーティング時にも安心して部屋を利用してもらうことができるなど、安心感を提供することができるようになったのは大きな効果だと語る。また、VioClean®によって常時除菌が可能になったことで、現在行っている人手による除菌作業が減らせるようになるなど、運用次第では負担軽減にも大きく貢献することになるはずだと津留氏。なお、菌を抑制することによって消臭効果も生まれるなど、除菌以外の効果についても期待を寄せているところだ。

白色除菌モード
省エネ除菌モード

マクニカについては、半導体を通して時代が求めるニーズに対して先進的な提案を行っている企業として評価できるという。また、現場に対して分かりやすくプレンゼンするスタイルについても評価の1つに挙げられるという。「最初に我々のところに訪れた際、わざわざVioClean®のデモ機を持ち込んできたのは、正直驚きました。現場に何度も足を運んでくれるなど、親身になって対応いただけたことにも感謝しています」と判田氏。

今後

換気が不十分なスペースへの展開や自社が運営する不動産に対する価値向上に

現在はミーティングルームへの設置に限定されているが、本社のなかには窓がなく十分に換気できない打ち合わせ場所も存在している。主にそのようなスペースに対してVioClean®の展開を検討していきたいという。「営業所も含め、窓のない場所などにはもちろん、他のスペースにも積極的に展開していきたいと考えています」と津留氏。また、従業員が普段働いているオフィススペースにもVioClean®を展開することで、従業員の感染リスクを軽減するといったことも検討したいと意欲的だ。

また、同社が手掛けている不動産賃貸事業に関してのVioClean®展開についても可能性は十分あると指摘する。「我々が運用している不動産物件には、共有スペースなども多く存在しています。テナントさんに対して安心安全な環境づくりの一環として、VioClean®にて常時除菌できるような環境整備についても検討したい」と津留氏。賃貸物件の付加価値サービスとしての展開も視野に入れながら、今後もVioClean®を積極的に活用してきたいと今後について語っていただいた。

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