体育や部活動などグラウンド利用を支えるLED照明に採用
高度な知見と手厚い支援が大きな魅力の高効率産業用LED照明「ShinyU」
USER PROFILE
■学校情報:学校法人 尾張学園 名古屋大谷高等学校
■学校概要:
1827年に真宗大谷派名古屋別院(東別院)境内に仏教研究所「閲蔵長屋」として創立。「人と生まれ人になる」を校訓に、宗祖 親鸞聖人の教えに基づいて命の尊さと真実に生きる人間形成を建学の精神に掲げている。
サマリー
背景 |
・創立190年を超える由緒ある宗門校 |
課題 |
・国際条約によって水銀灯の調達が困難に、LEDへの切り替えが急務に |
選定 |
・新たな環境づくりに向けて、照度や保証条件、ガード設置など条件を設定 |
現状運用 |
・コストやCO2削減などの環境面、生徒の安全面など照明によってさまざまな効果を実感 |
今後 |
・LED照明の拡張や省エネにつながる新たなソリューションにも期待 |
背景
創立190年を超える由緒ある宗門校
1827年に真宗大谷派名古屋別院(東別院)境内に仏教研究所「閲蔵長屋」として創立されたのが始まりで、2018年には創立190周年を迎えた名古屋大谷高等学校。愛知県名古屋市瑞穂区にて学校法人尾張学園が運営しており、「人と生まれ人になる」を校訓に、宗祖 親鸞聖人の教えに基づいて命の尊さと真実に生きる人間形成を建学の精神に掲げている。浄土真宗の教義に基づいた教育を行う宗門校として、将来を担う人材育成に力を注いでいる。
同校が設置している学科には、入試対策によって国公立大学および難関私大へ合格を目指す特別進学コースをはじめ、文武両道を掲げる特別選抜コース、福祉・医療・保育に関する専門性を学ぶ福祉・医療進学コース、適性に応じて幅広い講座を解説している文理進学コースの4コースを持つ普通科とともに、簿記や情報処理、商業経済など社会の要請に応じた資格取得を通じて卒業後の進学や就職に役立てる商業科がある。
学業はもちろん、陸上部は40年連続でインターハイに出場するなど部活動が盛んで、バスケットボールや野球、サッカーなどの運動部だけでなく、吹奏楽部や演劇部、書道部など文化部の活動も活発な学校だ。
課題
国際条約によって水銀灯の調達が困難に、LEDへの切り替えが急務に
そんな同校に設置されているグラウンドでは、体育の授業や陸上部など野外の運動部が主に活動しているが、このグラウンドには水銀灯の利用した照明が以前から設置されていた。水銀灯については、国際条約である「水銀に関する水俣病条約」によって2020年12月31日以降、水銀灯の製造・輸出入が禁止されるなど、照明環境の維持が以前から課題となっており、LED照明への切り替えが検討されてきた経緯がある。
「すでに長い間利用してきたなかで、そろそろ水銀灯自体の利用が厳しくなるとお話をいただいていました。LED照明への切り替えを学内で打診していたところ、承認をいただくことができたのです」と事務担当者は経緯を説明する。万一グラウンドが使えない状況を生み出してしまうと、部活動などへの影響も出てしまうことも考えられ、新たな照明への迅速な切り替えが求められたのだ。
水銀灯の照明は、以前から照度が十分でないという課題が現場からも出ていたという。「やや照明が暗いという話は以前から話が出ていました。またスイッチを入れてからしばらく明るさが確保できないなど、水銀灯ならではの課題も一部の教員から寄せられていたのです」。
選定
堅牢性や照度、均斉度の高さを満たしたShinyU
LED照明については、以前教室に導入した際にいくつか不具合が発生したこともあり、壊れにくい堅牢性を重視したという。また前提条件として、現状の照明よりも明るいことはもちろん、少なくとも5年間は無償保証できることを条件に掲げたという。特に簡単に交換できない高所に設置するグラウンド照明だけに、できる限り壊れにくい安定した商品を希望したのだ。
そんな折に出会ったのが、マクニカが提供する高効率産業用LED照明「ShinyU」だった。実は同校に偶然訪れたマクニカの営業担当者から照明についての提案を受けたのがきっかけだったという。「LEDに関しては素人で、何で比較していいのかも分からない状態でした。そんな折、マクニカからLEDの特徴やJIS規格の概要、他社比較など詳しい情報をいただくことができたのは大きかった。新たな環境づくりに向けては、体育設備全般を扱う企業やさまざまな電化製品を扱う企業、そして工事業者などに声を掛けましたが、エネルギー事業において照明を専門に扱っていたのは、マクニカのサーキュラーエコノミービジネス推進部だけでした」と事務担当者。専門的な製品の特徴や違いなど、分かりやすい資料を入手できたことで、LED照明に対する理解も深まったという。
得られた情報も参考にしたうえで、照度や保証条件、そして野球のボールなどが飛んでくることを想定したガード設置など入札に必要な条件を設定。「特定のスポーツに特化したグラウンドではないため、ムラのある明るさよりは、全体が明るい均斉度の高いものを希望したのです」。
そして最終的な応札の結果、マクニカが提案した「ShinyU」が最もコストパフォーマンスの高いソリューションとして選択されたのだ。
現状運用
コストやCO2削減などの環境面、生徒の安全面など照明によってさまざまな効果を実感
現在は校舎上部からグラウンドを照らす形で2棟の校舎に合計で30個のShinyUを設置し、グラウンドの使用制限を最小限にするべく2日ほどで施工を実施。実際の明るさについては、導入前に測定した水銀灯に比べて全体で2倍以上の照度を実現し、最も暗いところで見ると5倍以上の明るさが確保できるようになったという。「かなり明るくなったと先生方からも好評です。今はコロナ禍のために遅くまで部活ができていない状況ですが、もっと使ってみたいという声もいただいています」。また、水銀灯に比べて照明にかかる電気代はおよそ半分ほどに圧縮できており、その結果CO2削減にもつながるなど環境面でも大きく貢献している。
LEDに切り替えたことで、電気のオンオフ状態がすぐに把握できるようになり照明の消し忘れも防止できるようになったという。「照明を消してしまってもオンにすればすぐに明るくなります。帰宅時に照明を消していいのか判断に悩む先生方の不安解消にもつながっています」と事務担当者は評価する。また、安全面に関しても一定の効果が期待できると説明する。「ボールなどが見やすくなり、生徒の怪我防止など安全面でも効果があるはずです。以前は部室の前などは暗い状態でしたが、ムラなく明るくできたことで防犯面でもよくなっているはず」。
学校内の設備などを変更する場合、いろいろな意見を寄せられることが多いが、今回の照明切り替えに関しては批判的な声は一切出ていないという。例えば座る椅子を新しいものに変更すると、座り心地はいいものの足元の収納が狭くなるといったリアクションが出てくるケースも。「設備に関しては先生全員に満足いただくことは正直難しいのが実情ですが、今回の照明切り替えは一切批判的な声があがってこない、珍しいケース。シンプルに明るくできたことが多くの先生から支持されている証です」。
マクニカについては、同校の使用環境を考慮したうえで、LEDに関する基礎知識から比較するべきポイントまで、早い段階で豊富な知識や詳細な資料を提供するなど、その手厚い支援に関して高く評価する。「LED照明に関する情報だけでなく、事前に照度測定を行ったうえで提案いただくなど、手厚く支援いただけました。現状を数値化していただけたことで、事務長などにも分かりやすく説明できるなど、本当に感謝しています」。また堅牢性という意味では、上場企業が扱う製品だけに安心感もあったという。さらに、別の業者が見てもわかるよう取り付けに関わる灯具の設置条件をはじめとした詳細な情報を提供するなど、充実したアフターフォローにも評価の声が寄せられている。
なお、当初はJIS規格に沿ってスポーツ施設の照明設計を軸に提案が行われたが、最終的には均斉度の高いものを選択している同校。「学校側では明るさにムラの少ない均斉度の高さを選びましたが、スポーツ施設に関連した照明のJIS規格に基づくなど専門的な提案をいただいたのはマクニカだけ。ニーズに応じてさまざまな提案ができるという意味で、安心感のある会社だとマクニカを評価しています」と事務担当者。
今後
LED照明の拡張や省エネにつながる新たなソリューションにも期待
今回行ったグラウンドへのLED照明設置についてはひと段落しているが、正門も含めていまだにLED照明が導入されていない部分も残っている。学校としては、地域における防災拠点としての役割を担うという立場もあるため、学内全体における投資の優先順位を念頭に判断していくことになる。新たなLED照明を設置する際には、実績ができたShinyUは有力な選択肢の1つになり得るという。
また、LED照明がもたらした省エネという視点から、体育館の空調設備など環境配慮型のソリューションについても現在マクニカが提案しており、照明以外の領域についても課題解決につながるソリューションに期待を寄せている。