日々新しい目標にチャレンジしていますか?私は FPGA 技術サポート8年目にして、アナログ知識ゼロから Enpirion® 製品の技術サポートにチャレンジ中です。

Enpirion® 製品はFPGA / CPLD のようなプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)ではなく、電源製品です。FPGA / CPLD との親和性が良く、インダクタやFET を内蔵しているために外付け部品が少なくて済み、非常にボード設計しやすいのが特徴です。そのため、アナログ初心者やFPGA / CPLD と並行して電源を設計されている方には、とても扱いやすい製品です。

実際に触ってみないとわからないのが技術の常ですので、社内のEnpirion® 技術部隊に相談しながらデバイスを評価し、使い易さや設計のポイントを皆様にお伝えしていこうと思います。つまり、FPGA 用の電源設計初心者必見の内容になっています。

FPGA に供給する電圧がわからないと電源デバイスを選ぶことができません。最近のFPGA はコア用の電源や PLL 用の電源、I/O 用の電源など複数の電源電圧を供給するのが当たり前になっているので、使用する FPGA のドキュメントを確認して、必要な電圧を調べましょう。

FPGA の消費電力は?

供給する電圧がわかったら、次に必要な電流を調べましょう。これがわかれば、必要な電源デバイスが見えてきます。でも、どうやって必要な電流を調べたら良いでしょうか?

実際は、FPGA 内のデザイン(回路)がない中でも先行して基板を作らなければならないケースが多いでしょう。そういう時のために、インテル® FPGA は消費電力を見積もる PowerPlayEarly PowerEstimator というエクセル・ベースのツールを用意しています。略して EPE と呼んでいます。この EPE に I/O 数やロジック数、内部メモリや DSP ブロック、トランシーバなどの様々な情報(使用するリソース)を入力すると、消費電力が算出されます。周囲温度やエアー・フローなどの条件も入力できるので、基板を作る前に消費電力を見積もることができます。

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FPGA に必要な電源精度は?

電源デバイスで FPGAに必要な電圧を作っても、ぴったり設計値を出力することは難しく、多少ずれてしまいます。そのずれがどの程度なのかは、電源デバイスの使い方と条件に依存します。では、どの程度の範囲に収めればいいのかというと、 FPGA側が要求する供給電圧範囲に収めてあげればいいんです。そうすれば、推奨動作条件を満たした状態でFPGA を起動させることができます。そんな電源精度に関する内容をまとめました。

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FPGA に必要な電源の立ち上がり時間は?

FPGA に必要な電流値や精度を満たす電源が見つかったとしても、FPGA には電源の立ち上がり時間という規定があります。これを満たさないと FPGA のコンフィギュレーションがうまくいかない可能性があるので、非常に重要な確認項目です。立ち上がり時間は、FPGA のドキュメントを見れば確認できます。またドキュメントから必要な情報の見つけ方も含めて、まとめました。

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いかがでしたか?

FPGA を使うには必要な電源の種類や消費電力の見積もり方法、更には電源の精度や立ち上がり時間を事前に確認する必要があるんです。他にも、電源の立ち上げ順序の規定があるFPGA もあり、これを立ち上がりシーケンス(Power-UpSequence)と呼んでいます。ここでは電源シーケンスの詳細には触れませんが、電源シーケンスの規定がある FPGAを使用する場合は、電源の投入順序や条件もドキュメントをしっかり確認してください。電源の立ち下がりシーケンス(Power-Down Sequence)の確認もお忘れなく。

これらのポイントを考慮して、安全かつ確実にFPGA 用の電源設計をしてください。



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