電源ドック技術担当の佐々木です。
このコラムでは、色々なお客様サポートの中で複数回遭遇した、電源に関する不具合事例をご紹介していきたいと思います。
FPGAの電源数増加に伴い、電源ラインに配置するコンデンサーの数も増えています。
今回は、電源ラインでのコンデンサー配置についていただいた質問についてお話します。
コンデンサーの配置について気を付けていますか?

コンデンサーは FPGA 直近に配置するように言われていますが、基板の制約上、100uF のコンデンサーは FPGA から離して配置する必要があります。
問題ないでしょうか?

はい、100uFなど大容量のコンデンサーは、バルク・コンデンサーと呼ばれ、FPGA の直近でなくても、電源ラインに入っていれば大丈夫です。
ただし、FPGA の消費電流値が急変した時に電圧ドロップが発生しないよう、多少の配線インダクタンスがあっても問題無いように、大容量のものを選定する必要があります。

FPGA 直近でなくても良いのですね?
では、0.1uF や 10pF などのコンデンサーもとりあえず電源ラインに入っていれば大丈夫ですか?

いいえ、0.1uF や 10pF など小さい容量のコンデンサーは、FPGA 直近に配置してください。
また配置するときは次の図の様に、サイズの小さいコンデンサーほど FPGA の近くに配置するようにしてください。
特にコンデンサーの ESL/ESR が小さいものを FPGA の近くに配置することが望ましいです。


なぜ、小さいものは FPGA 近くに配置するのですか?

FPGA から離れると、その分基板上の配線によるインダクタンス成分が大きくなります。
これによってコンデンサーの容量成分がキャンセルされ、コンデンサーを配置していないのと同じ状態になってしまうんです。

そうなんですね。
では、小さいコンデンサーは、FPGA の近くに配置するようにします。

最近は、コンデンサーの配置や定数選定の違いによって変化する「反共振ポイント」のインピーダンスが原因でDDRが誤動作を起こすこともあります。
パワーインテグリティーセミナーなどで詳しく説明していますので、ぜひご参加ください。

コンデンサーの配置も、色々と考えないとダメなんですね。
セミナー受講も検討してみます。
今回のポイント

・サイズの小さいコンデンサーはできるだけ FPGA の近くに配置する。
・100uF などの大きな容量・サイズのコンデンサーは FPGA から離して配置しても問題無い(電源ラインに入っていればよい)。
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