電源ドック技術担当の佐々木です。
いつも電源コラムをご覧いただきありがとうございます。
今回は、私(筆者)が講師を務める
の中で、お客様からいただいた質問を紹介したいと思います。
実機検証も重要ですが、仕様を守ることは必須!

最近のデバイス(特に FPGA)では多電源が必要で、電源設計が非常に難しいです。
そのうえ電源シーケンスも決められていて、最近では「立ち上げ」だけでなく「立ち下げ」シーケンスまで規定されています。 本当に守らないとダメなのでしょうか?

はい、電源シーケンスはデバイスの信頼性に影響を与えますので、必ず守ってください。

そうなんですか?
昔のデバイスだと、シーケンスを守らないとラッチアップを起こしてデバイスが焼損することもありましたが、最近のデバイスではそんなことはありませんよ?
それなのに電源シーケンスを絶対守らなくてはいけないというのは、いまいち納得ができません。

確かに昔のデバイスは焼損など目に見える問題が発生していたので、電源シーケンスの重要性が分かり易かったですね。
最近は焼損は起きないですが、目に見えないところで問題が発生しているので非常に厄介です。

例えばどんな問題が発生するのですか?

電源シーケンスを守らないと、デバイスに大きなラッシュ電流(※1)が流れます。
電源のオンシーケンスやオフシーケンス時に、デバイス内に大電流を流すことで品質を低下させる危険性があります。
あと、大きなラッシュ電流が流れることで電圧ドロップが発生します。
これにより電源電圧が大きく低下する場合、デバイスにリセットがかかり、再コンフィグレーションが始まったり、最悪、デバイスが正常に起動しない 不具合が発生する可能性があるので注意が必要です。

目に見える不具合が出ないからといって、電源シーケンスを無視しては ダメだということが良く分かりました。
電源シーケンスを守って、品質の良い製品を作ろうと思います。

何か他に追加の疑問がありましたら、後日、WEBサイト からお問い合わせください。

分かりました。また質問させていただきます。
※1:ラッシュ電流以外に突入電流やサージ電流など、色々な呼び方があります。全て同じ意味で、瞬間に大電流が流れる現象のことです。
今回のポイント

電源シーケンスは絶対厳守。
規定を守らないと大きなラッシュ電流が流れ、製品品質が劣化する可能性あり。
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