電気も光も波としての性質を持って伝わります。
光が 1 秒間に地球を 7 周り半することは、よく知られています。
元々、長さの単位のメートルは、地球の北極から赤道までの長さの 1,000 万分の 1 として定められました。 地球を完全な球とすると、地球の 1 周は 4,000 万メートル、すなわち 4 万キロメートルとなります。したがって、地球の 7 周り半は 30 万キロメートル、すなわち、光の速度は秒速 30 万キロメートルとなります。
この逆数をとります。速度の逆数なので、単位長さを進むに要する時間を意味します。30 万キロメートル、すわなち、3 × 10^8(3 かける 10 の 8 乗)の逆数は、3.3 × 10^-9(3.3 かける 10 のマイナス 9 乗)となります。 10 のマイナス 9 乗はナノ(nano)なので、光は 1 メートル進むのに 3.3 ns を要するということになります。ここでいう光の速度とか時間は、真空中という条件が付きます。物質中では光の屈折率だけ速度が遅くなります。
さて、電気も真空中を電磁波として伝わる場合には、光と同じ速度で進みます。真空中に張られた電線でも同じです。一般には、電気を伝える場合には、絶縁のために誘電体で囲みます。同軸ケーブルとか、プリント配線板のパターンとか周りには誘電体があります。誘電体はそれぞれ固有の誘電率を持っています。物質の誘電率と真空の誘電率との比を比誘電率といいます。電気の進む速度は、この比誘電率の逆数の平方根に比例して遅くなります。よく使われているガラスエポキシのプリント配線板の場合は、比誘電率が 4 ~ 5 程度なので、真空中に比べて 2 倍程度遅くなるというわけです。
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