この記事では、リニアレギュレーターや LDO の基礎的な内容について解説していきます。今回は、アナログ・デバイセズ社製品のデータシートをなどを参考に、一般的なリニアレギュレーターや LDO の負荷応答特性について解説していきます。
※ この記事は、データシートのほかに Practical Power Solutions(英文) の Section1 の前半にある内容を含めた記事となります。
負荷応答について
ここでは、一般的なレギュレーターの負荷応答 (Transient Resopnse) について説明します。
図1では、電流の負荷ステップ変動に対する負荷応答特性を示しています。この負荷ステップ変動を適用する前の初期状態の時、レギュレーターは安定した電流を供給しているとします。
その後、負荷ステップ変動直後には、①とラベル付けされたループで出力コンデンサーは、電流ステップに対して電流を供給します。この時、コンデンサーが持つESR(等価直列抵抗)による電圧降下および、コンデンサーのESL(等価直列インダクタンス)によるスパイクによる電圧降下が発生します。その後、コンデンサーは、レギュレーターのフィードバックループによる負荷応答による補正を行うまで、数マイクロ秒かけて負荷に対して放電し電力を供給します。
図1:負荷応答
フィードバックループ (②のループ) により電圧補正を続けると、出力電圧はレギュレーターで決定される最終値(安定化オフセット含む)に落ち着きます。そして、レギュレーターにより安定した全ての負荷電流を供給します。
LDO ADP151の負荷応答特性
次の図2は、ADP151の負荷応答特性を確認した例です。入力電圧5V、出力電圧3.3V設定時に、負荷電流を1mA ⇔ 200mA (500mA/μs) で変動させて出力電圧の変動を確認した波形です。 ADP151の出力コンデンサーとして接続している、セラミックコンデンサーの容量を1μF、10μFと20μFと変化させ負荷応答性の違いを比較しています。
参考URL : https://www.analog.com/jp/resources/app-notes/an-1099.html
この結果から、マイコンやFPGAの要求仕様からLDOの負荷応答特性の改善が必要な場合は、出力コンデンサーの容量を大きくすることで対策できることが理解できます。
LTspiceによる負荷応答特性の検討
負荷応答特性など含め、実機での特性確認は基本です。ただ、必要とする特性に対して、周辺定数の検討など実機でおこなう場合、ある程度まとまった時間が必要となります。
その点、アナログ・デバイセズ社が無償提供しているLTspiceを使用して周辺定数の検討をおこなうと、評価の効率化が可能となります。図3は、LTspiceを使用してADP151の出力コンデンサーの容量を実験と同様に変更して負荷応答特性を確認品内容となります。
このようにシミュレーションを使用することで、ある程度出力コンデンサーの容量を変更することによる、応答性の改善効果を実機検証する前に確認することができ、必要となるコンデンサー容量の推測が可能となります。
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