車載用ディスプレイやドライバーモニタリングシステム(DMS)など、LEDを使った車載アプリケーションの開発が活発化しています。設計にあたり、自動車業界ならではの「ノイズ低減」「小型化」「機能安全対応」といった厳しい要求に悩んでいる技術者も多いのではないでしょうか。
アナログ・デバイセズのLEDドライバーは性能に優れ、緻密な制御を求められる車載アプリケーションにも最適です。ここでは、特に車載ディスプレイやDMSに適したLEDドライバーソリューションを紹介します。

ラインナップ豊富なアナログ・デバイセズの車載用LEDドライバー
車載用LEDにはさまざまなカテゴリーがあります。例えば、LEDヘッドライト、カーナビやセンターディスプレイのLEDバックライト、DMS向けの赤外LED(IR LED)などが挙げられます。
アナログ・デバイセズには幅広いラインナップがあり、それぞれのカテゴリー特有の要求に応えるLEDドライバーを豊富に提供しています。その中から、今回は車載ディスプレイとDMSをピックアップし、2種類のLEDドライバーを紹介します。
車載ディスプレイに最適なLEDドライバーソリューション「MAX25014」
まずは、車載ディスプレイの動向です。近年、メーターなどの計器類、エアコンなどの操作パネルが液晶化され、デジタルミラーの採用も増えて、車に搭載されるディスプレイが増加しています。同時に、カーナビやセンターディスプレイの大画面化、高解像度化も進んでいます。
その結果、LEDバックライト回路には次のような課題が生じています。

(1)エンジン始動時の画面のちらつき
エンジン始動時のバッテリー電圧低下でディスプレイがちらつくため、その解消が課題となっています。
(2)画面大型化にともなう電流値の増加
8インチ以上の大画面が求められ、増加する電流値に見合う回路が必要になっています。
(3)回路面積の制限
車載アプリケーションの多様化にともない、各機能に割り当てられる面積が制限され、省スペース化が課題となっています。
(4)部品点数の削減
コスト削減要求が厳しさを増し、部品点数のさらなる削減が求められています
(5)回路設計の簡素化
短期間での市場投入が求められる中、複雑な回路設計を行う時間はなくなっています。
(6)EMC基準のクリア
誤動作の許されない車載機器には、高いEMC性能が要求され、ノイズ低減が課題になっています。
アナログ・デバイセズはこうした車載ディスプレイの設計課題を解決するLEDドライバーを提供しています。その一例が、車載バックライトドライバー「MAX25014」です。
主な特長は次のとおりです。

MAX25014を採用することで、車載用ディスプレイの設計課題を下記のように解決できます。

(1)エンジン始動時のちらつきを解消
最小2.5Vから動作できるため、バッテリー電圧低下時にもディスプレイのちらつきを防止できます。
(2)8インチ以上の大画面に対応
4チャンネルの回路にそれぞれ各150mAの電流が流せるため、8インチ以上の大画面ディスプレイにも対応できます。
(3)回路面積を容易に小型化
パッケージサイズが4mm * 4mmと小さく、限られたスペースにもレイアウトが容易です。
(4)外付け部品を減らして部品点数を削減
昇圧時の保護回路を1つの外付け部品で構成できるため、部品点数の削減に貢献します。
(5)回路設計の簡素化を実現
ワード数の少ないI2Cレジスター(200bit)により、通信時のソフトウェア負荷を低減し、回路設計も容易におこなえます。
(6)EMC基準をクリア
EMIを低減するスペクトラム拡散機能やPWMに頼らないハイブリッド調光により、電磁ノイズを低減できます。
同じ特長を持ち、ASIL-Bに対応する自己診断機能を備えたLEDドライバー「MAX25024」も提供しています。大画面、高解像度の車載ディスプレイを少ない設計工数で実現できますので、車載ディスプレイの設計課題にお困りの方はぜひご検討ください。
DMSの課題を解決するLEDドライバーソリューション「MAX25614」
次に、DMS向けLEDドライバーです。運転者の状態をモニタリングするDMSは、ADAS(先進運転支援システム)の普及にともない、市場が急速に立ち上がっています。自動運転レベル3以上の車両にはDMS搭載が必須となり、Euro NCAP(欧州新車評価プログラム)でも非常に重要視されて、開発が急がれている分野です。
現在市場に出ているDMSの多くは、太陽光の影響を受けにくいIR LEDが用いられています。一般的なLEDライトとは異なるため、LEDを駆動させるLEDドライバーについてもさまざまな課題が存在しています。代表的な課題として、次の4つが挙げられます。
(1)ピーク電流の低減
30 fps(フレーム/秒)、60 fpsといった撮影間隔に合わせて、IR LEDに流す電流を頻繁にON/OFFするため、ピーク電流が非常に大きくなり、低減が課題になっています。
(2)スペースの制限
内装デザインに影響を与えないよう、ピラーやハンドル付近への埋め込みが検討されることも多く、小型化が重要になっています。
(3)目のダメージの防止
IR LEDを照射し続けることによる目のダメージを防ぐため、異常時の検知や停止、正確なON/OFF制御が求められます。
(4)EMC基準のクリア
車載機器に求められるEMC基準のクリアは、DMSでも課題になっています。
アナログ・デバイセズは、こうした技術者の課題を解決するIR LEDドライバーを提供しています。ここでは、その一例として「MAX25614」を紹介します。この製品はこれらの課題を解決する機能を内蔵した、同ファミリー・第2世代のソリューションとなります。

<MAX25614 主な特長>
(1)幅広い入力電圧に対応するバックブーストトポロジー
(2)入力段にFETを内蔵しアナログ・デバイセズ独自の技術で入力電流を低減
(3)LEDの短絡・開放に備える多彩な保護機能
(4)EMIを低減するスペクトラム拡散機能
車載IR LEDドライバー「MAX25614」を採用することで、DMS開発の課題を下記のように解決できます。
(1)高いピーク電流を低減
入力段の内蔵FETにより、ピーク電流の大幅な低減が可能です。他社ソリューションとの比較では実に5分の1程度への低減を実現しています。ケーブルサイズやコネクターのピン数を削減し、コストを抑制できます。
(2)回路面積を大幅に小型化
評価ボード設計では、前世代と比べて約85%もの面積削減に成功しています。昇降圧を1デバイスに集約できるバックブースト構成、FETや周辺部品の内蔵で、回路全体の大幅な小型化に貢献します。

(3)目の安全性を確保
充実した保護機能を備え、電流の制御機能や監視機能も搭載。IR LEDを確実に制御し、目をダメージから守ります。機能安全規格ASIL-Bにも対応しています。
(4)効果的にノイズを低減
FET内蔵技術によるピーク電流の抑制で、ノイズを大幅に低減できます。スペクトラム拡散機能も備えており、EMIの低減が可能となっています。

MAX25614を使って、小型で高性能なDMSを短期間で実現し、市場投入できます。DMSの設計でお困りの方は、ぜひご相談ください。
ご紹介したソリューションは、いずれも評価ボードが提供されており、簡単にお試しいただけます。性能を評価したい方、ご興味をお持ちの方は、今すぐお問い合わせください。

アプリケーション例
・ドライバーモニター
・ヘッドアップディスプレイ


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