入力過電圧保護を備えた電子ブレーカーのメリットとは?
給電端子に接続している受電子機の電源の場合は、負荷回路の故障による電流制限による保護の他に、ケーブル接続時に発生するリンギングやサージによる過電圧の保護が必要な場合があります。 このような場合はLT4363を用いることで簡単に実現することができます。
電流制限付き高電圧サージ・ストッパーLT4363
LT4363は、関連情報記事"自動復帰可能な電子ブレーカー"で述べたLT1910と同様に、N-チャンネルMOSFETのドライバを持っているので使い易いです。 また、-40℃~125℃の高温対応品が用意されており、車載製品にも使用することが可能です。
以下にLT4363の特徴と機能ブロック図を示します。

LT4363の特徴
- VCCクランプで80Vを超えるサージ耐性
- 広い動作電圧範囲:4V~80V
- 調整可能な出力クランプ電圧
- 高速過電流制限:5µs未満
- –60Vまでの逆入力保護
- UV/OVコンパレータのしきい値を調整可能
- シャットダウン時の低電源電流:7μA
- –60V~100Vの電圧に耐えるシャットダウン・ピン
- 調整可能なフォルト・タイマ
- NチャネルMOSFETを制御
- フォルト時のリトライ・デューティサイクル:1%未満
( LT4363-2)
- 12ピン(4mm×3mm)DFNパッケージ、12ピンMSOP
パッケージ、または16ピンSOパッケージ
LTspiceを使用した回路例と結果
下記は、LTspiceを使用したLT4363による回路例です。
過電圧入力時のクランプ電圧は、FB端子が1.275Vとなるように分圧抵抗で設定しますが、過電圧に対するクランプ動作についてはデータシートを参照してください。
TMR端子に接続したコンデンサで、リトライを行う間隔を設定できます。 また、過電流の検出は、R2のシャント抵抗で設定することが可能です。
UV端子は、低電圧時の動作を禁止するレベルを設定します。
OV端子は過電圧フォルト時にリトライを禁止するレベルを設定しますが、これは過電流の場合も有効で、入力電圧INに設定するとリトライによる自動復帰は禁止され、GNDに接続すると常に自動復帰するようになります。
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