最近は工場や建物内で取得したデータを元に、空調管理や予防検知といったソリューションが増えてきていますよね。このようなソリューションの提供者が悩むポイントの1つとして、データの送信に利用する無線規格の選定が挙げられます。

Texas Instruments社(以下TI社)では様々な無線規格に対応したSimpleLinkシリーズという製品をご用意しております。さらに、このシリーズはソフトウェアの再利用が可能という特徴を持ち合わせているため、設置する環境が変わって無線規格の変更が必要な場合も簡単に移植することができます。

SimpleLinkシリーズの詳細はこちらの記事をご覧ください。
低消費電力でIoT向けのSimpleLinkシリーズとは?

今回の記事ではSimpleLinkシリーズの評価ボードを使って、ホームオートメーションや、ビルティングオートメーションで利用されるHVACシステム(=暖房、換気、および空調システム)を想定したデモンストレーション動画の内容をご紹介します。

動画後半で紹介しているファクトリオートメーションのデモについては、こちらの記事をご覧ください。
あらゆる無線規格で実現するデモ(2) -ファクトリーオートメーション-

HVACシステムを想定したデモンストレーション

左側半分が、HVACシステムを想定したデモ構成になっています。簡単にデモ内容を説明すると、温度が変化するとファンの回転速度が変化するというデモです。

動画の流れ

0:00 - 0:40 概要紹介

  • SimpleLink製品の概要紹介


こちらの記事で詳しく紹介しています。
低消費電力でIoT向けのSimpleLinkシリーズとは?

0:41 - 2:42 デモ構成の解説

  • 左上がWiFi接続のサーモスタットです。CC3220のLaunchPadに温度センサとLCDのBooster Packを接続した構成で、タッチパネルにも対応しHMIとして動作します。
  • 中段がSub 1GHzのエッジノードです。CC1310のLaunchPadに温度センサのBoosterPackが搭載されています。
  • 右側真ん中に位置するのがEthernetベースのゲートウェイです。MSP432E4のLaunchPadを使用しています。
  • 左下が空調のファンです。CC1310のLaunchPadにファンが接続されています。


2:43 - 3:27 デモの実演

  • 左上のHMIで温度を設定しますが、現在の温度より低い値を設定すると、MQTTでゲートウェイを経由し、802.15.4で接続された下段にあるFANが回って温度を下げようとします。
  • 中段にあるセンサノードは温度の情報を802.15.4でゲートウェイを経由してクラウドに上げています。
  • これらはIBM Watson IoTに接続したPC端末からWEB Browser経由でも双方向で設定や監視が可能です。

デモ構成

以下は動画でご紹介したホームオートメーションのデモ構成です。

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ホームオートメーションデモ構成

アイデア探しにも役立つTIのリファレンス・デザイン

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TI社では、回路/ブロック図、BOM コスト、設計ファイル、テスト・レポートといった設計データを包括的に提供するリファレンス・デザインがございます。

リファレンス・デザインをご利用いただければ、組み込みプロセッサからパワー・マネジメント、更にはシグナルチェーンに至るまでの必要な情報を提供しておりますので、システムの迅速な評価、カスタム化を可能にし、製品開発期間を短縮します。

また、リファレンス・デザインはアプリケーションからも探すことができるので、製品のアイデア探しにもご活用いただけると思います。以下に今回紹介したデモと関連するリファレンス・デザインを掲載しましたので、ぜひこちらも参考になさってください。

HVACシステムに関連するリファレンス・デザイン

Sub-1GHz とセンサ / クラウド間ネットワークを可能にする湿度 / 温度センサ・ノード
スマート・サーモスタットでの周囲温度検出用の局所化された熱補償
Sub-1GHz 対応、コイン・セル・バッテリで 10年間作動可能、低消費電力、浸水 / 凍結検出

デモ動画で使用したTI社の評価ボード

CC3220SF-LAUNCHXL

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SimpleLink™ Wi-Fi® CC3220SF LaunchPad™ 開発キット(CC3220SF-LAUNCHXL)は、1MB のフラッシュと 256KB の RAM と強化されたセキュリティ機能を搭載したシングルチップ・ワイヤレス・マイコンである CC3220SF の開発プラットフォームです。CC3220SF-LAUNCHXL は、オンボード・エミュレーション機能とセンサを搭載しており、包括的な操作がすぐに実施できます。

LAUNCHXL-CC1310

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このボードの大きな特徴として、独自の超低消費電力センサ・コントローラなどの多様なペリフェラル機能で構成されています。このセンサ・コントローラは、外部センサのインターフェイスとして最適で、さらにシステムの他の機能がスリープ・モードの時に、アナログ・データとデジタル・データを収集する事が出来ます。

詳しくはこちらの記事で紹介しています。
LAUNCHXL-CC1310は 超低消費電力でSub-GHzの長距離無線通信を実現可能!

MSP-EXP432E401Y

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MSP432E4シリーズは、SimpleLink Arm® Cortex®-M4F を搭載したMCUです。イーサネットMACとPHY、USB-OTG等を内蔵しており、多様な有線通信インターフェースを所持しています。120MHz 動作の Arm Cortex-M4F CPU、1MB のフラッシュ、256kB の SRAM、高度な暗号化アクセラレータを搭載しており、通信プロトコルスタックを実装するための十分な処理性能を有しています。

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MSP-EXP432E401Y

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