アナログ・デバイセズ社の設計ツールと言えば、LTspiceを思い浮かべる方が多いと思います。無償でありながら、とても便利です!
LTspice以外に、DC/DCコンバーターの設計に非常に便利なツールがあることをご存知でしょうか?
今回は、この便利な無償の設計ツールLTpowerCADについてご紹介します。
LTpowerCADのインストール
アナログ・デバイセズ社のLTpowerCADのページから、インストーラーをダウンロードします。
ページは、アナログ・デバイセズ社の「LTpowerCAD/LTpowerPlanner」ページをご覧ください。
LTpowerCADをダウンロードと言う部分をクリックするとzipファイル (LTpowerCADII.zip ) をダウンロードすることができます。ZIPファイルを解凍した中にある setup.exe をクリックしてインストールします。
インストール後、最新のバージョンにアップデートするために、「Sync/Releaseをするか?」を聞かれたらOKをクリックして実行してください。
聞かれなかった場合は、デスクトップ上にできた、LTpowerCADのアイコンをクリックして実行してください。
そうすると、図1のメニュー画面が開きます。この中からメニュー右下の「Sync/Release」をクリックしてバージョンアップを実行してください。

電源仕様を入力してデバイス選定する
図1のメニュー画面から「Supply Design」をクリックすると、図2のデバイス仕様を入力して部品をサーチするメニュー画面が開きます。

図2の左上部分のConverter Specificationに、電源仕様を入力します。
電源仕様は、降圧型 (Buck) のμModuleで、入力電圧範囲は6~18V (Typ.12V)、出力は1.0V/3Aの1出力としました(図3)。

仕様を入力後、右上の「Search Parts」ボタンをクリックすると、ツール内の「Search for Parts」に型番の表が出ます(図4)。
この中から、アクティブになっている赤枠で印したLTM4625のアイコンをクリックすると、デザイン用のプロジェクトファイルが開きます(図5)。


プロジェクトファイルの確認
この中の黄色のセルは、デバイスの仕様 (Parts Specs) を表しています。水色のセルは、設計者向け入力用セルになります。
黄色のセルが全て黄色であれば、デバイスの仕様範囲内になり、この回路図をそのまま設計に使うことができます。問題がある場合は、赤かオレンジ色に変化します。
今回は、Inductor の iL Rippleがオレンジになっているので、仕様変更が必要です(図6内の赤矢印部)。
Module品は、インダクターが内蔵されておりインダクタンス値を変更できないため、スイッチング周波数の変更で対策をおこないます。

シートの左側にある、Design SpecsのSwitching Freq.(スイッチング周波数)を988KHz→900KHzに変更します。すると20%になり、仕様範囲内に収まり黄色のセルとなり設計完了です(図7)。

デザインをおこなったプロジェクトファイルは、保存しておくことができます。
FileメニューからSave ASを選んで好きな名前を付けて保存しておくと便利です。
最後に
このような形で、LTpowerCADは電源の仕様を満足するデバイスの選定から回路設計までを簡単におこなうことができるツールです。
机上で周辺のインダクターやコンデンサーの定数を計算することなく、自動で算出してくれるので非常に便利です。
まだLTpowerCADを使ったことがない方は、下記のリンクよりLTpowerCADをダウンロードしてみてください!
ぜひ、電源設計にお役立てください。
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