産業用機器内では、モーターなど大型の負荷を動かすために、大きな電力容量のAC/DC絶縁電源が搭載されているシステムがあります。モーターへの電力供給以外に制御回路基板などに対して、同じAC/DC電源から供給したり、別途ディスクリートでAC/DC電源を構成したりして電源を供給していると思います。
モジュール採用からディスクリート設計へ
モーターなどを使用する駆動系の設計をおこなっている場合、大容量のAC/DC絶縁電源モジュールを組込んでモーター用電源として使用していると思います。その場合、制御基板に対しても、モーターで使用している電源から電力を供給していると思います。
システムに最初から入っている制御基板や、I/O基板に対する電力供給は困ることが少ないと思いますが、オプションボード向けの電力供給はいかがでしょうか?
オプションボードの場合、追加でメインの電源から供給してもらうことが難しいので、別途、AC/DC電源を設計する必要が出てくるのではないでしょうか? このようなとき、オプションボードに対して大容量の電源は必要ないので同じモジュールではなく、ちょっとしたディスクリート部品で設計したいときがあると思います。
需要が高まるAC/DCのディスクリート設計
従来のモーターコントロールアプリケーションでは図1-(A)の様に、メインのAC/DC絶縁電源を用意してモーター、制御基板に対して電源を供給するシステムを構築していると思います。しかし、この構成の場合、駆動系のモーター関連の回路でトラブルが発生した場合に、メインのAC/DCがシャットダウンしていまい、最後まで動いていてほしいシステムの制御回路もシャットダウンしてシステムの安全性に影響が出てしまう可能性があります。
これを回避するためには、制御回路の電源をメインのAC/DCから切り離して、図1-(B)の様に別のAC/DCから供給する必要があります。 この場合、別途AC/DC電源モジュールを準備する必要があります。
制御基板用の電源としては、低電力の場合が多く、大電力のAC/DCモジュールをシステムに組込むことは非効率です。また、同様にオプションボード用のAC/DC電源を組込む際にも同様で、小型のAC/DC設計をおこなうにも開発スケジュールの制約がある場合や、流用するためのAC/DCの設計資産が無いなどの問題が発生しているのではないでしょうか?
LT8315を使用したAC/DC電源のリファレンスボード
今回、マクニカオリジナルで産業機器向けに、LT8315を使用した24V出力のAC/DC電源回路のリファレンス・ボードを開発しました。これにより、図1-(B)の電源構成のシステムが可能となります。
出力可能な電力は、約3ワットとなります。制御基板やオプションボード用の電源として使用可能な電力容量と考えています。
回路図や基板レイアウトなどの設計情報は、「24V Output Isolated AC/DC Board with LT8315」をご参照ください。
また、こちらの記事「汎用トランスが使えるフライバック・レギュレーター“LT830X”」には、汎用トランスを使用したフライバック・レギュレーターの事例が掲載されています。絶縁電源回路設計の際、参考にしていただければと思います。
最後に
この記事では、弊社で開発した、24V出力のAC/DC電源回路のリファレンスボードについてご紹介しました。ご紹介した製品について、詳細な情報をお求めの際は、ぜひこちらからお問い合わせください。
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