Cato Networks

ケイトーネットワークス

シナネンホールディングス株式会社様

ネットワークの遅延やWeb会議での音切れの解消を目指しCatoを導入
快適な通信環境が実現し、帯域の有効活用やコストの削減も進む

導入前の課題

  • 通信量の急増により帯域が圧迫され、速度の低下やWeb会議での音切れが発生
  • 勝手に設定を変更できず、ベンダーへの依頼から反映まで時間がかかっていた
  • 在宅勤務でSIM通信を利用していたが、Web会議の急増によりコストが膨らむ
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Catoによる解決

  • 回線の混雑やデバイスのアップデートに伴う遅延はすべて解消、Web会議の音切れの問題もなくなった
  • WANの可視化によりネットワークの使用状況が把握できるようになり、帯域の有効活用が可能になった
  • 在宅勤務でのSIM通信をCatoエージェントの使用に切り替えることで、通信コストを1/4程度、軽減した
島田 陽 氏

シナネンホールディングス株式会社
IT戦略部 IT企画チーム
スペシャリスト
島田 陽 氏

富松 隆 氏

シナネンホールディングス株式会社
IT戦略部
システム・マネジメントチーム
富松 隆 氏

【従来の課題】Web会議の増加などが原因で帯域が圧迫。業務に支障が生じ、コストも膨らむ

 地球環境に優しいエネルギーの供給に向けて、3つの領域でエネルギー・住まい・暮らしの総合サービス事業を展開しているシナネンホールディングスグループ。現在は、創業100周年となる2027年に向けて、「脱炭素社会の実現に貢献する総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループへの進化」というビジョンのもと、柔軟な変化を重ね、脱炭素と快適な暮らしへ貢献し続けることを目指している。

 さて同社はかつて某ベンダーのSD-WANを利用していたが、コロナ禍に伴うWeb会議の増加により通信量も急増。帯域が圧迫されたことで速度が低下したり、Web会議の音声が途切れたりなどのトラブルが発生し、回線コストも増大していた。IT戦略部 IT企画チーム スペシャリストの島田陽氏は「当社はコロナ禍前の2019年から東京オリンピックの開催に向けてリモートワークの推進に取り組んでおり、業務用PCをLTE対応に入れ替えてSIMカードでネットワークに繋ぐようにしていました。そのため、コロナ禍においても在宅勤務へのシフトはスムーズでしたが、Web会議が急増したことでSIMの通信量が一気に増え、コストがかさむようになってしまったのです」と当時を振り返る。

 特定のタイミング、たとえば休み明けの朝などにおける速度低下も顕著だったという。
「会社ではPCに加えてiPhoneも配布しています。これらのデバイスが休み明けに従業員が出社してきて会社のWi-Fiに接続されると、OSやアプリのアップデートが一斉に実行されます。結果、アクセスが集中した影響で、Web会議の音声が途切れたり、ファイルサーバーへのアクセスも遅くなったりして業務に支障が出ていました。対策として、Wi-FiではなくSIMで接続するよう呼びかけたのですが、コストがさらに膨らんでしまいました」(島田氏)

 また、同社のIT戦略部が管轄しているグループのネットワークは、グループ企業の8割が利用している。残りの2割は小規模の事業会社が多く、独自にネットワークを運用しているが、ほとんどのところに専任の担当者はおらず、契約しているベンダーに委託している。
「共通のポリシーがない状態での運用のため、私たちの管理するネットワークとはさまざまな面で格差が生まれていました。だからといって、これらをグループのWANにそのまま統合すると、IPアドレスのバッティングが発生してしまいます。NATなどの機器の設置、設定変更には多大な時間とコストがかかるため、容易には手が付けられませんでした」(島田氏)

 さらに、各部門の主導のもとSaaS利用が進む一方で、管轄外の2割やiPhoneのキャリア接続時のSaaS利用は把握できていないという問題(シャドーIT)もあった。IT戦略部 システム・マネジメントチームの富松隆氏は「とはいえ、クラウド化という世の中の流れには逆らえません。そこで、基幹システムを預けているデータセンターが2024年1月に閉鎖すると通告があったのを機に、WANの見直しとオンプレサーバーのクラウド移行を進めることを決断しました」と語る。

【製品の選定】優れたWAN機能、帯域の確実な制御など必要な機能を一つのサービスとして提供

 それまでシナネンホールディングスが利用していたSD-WANはFireWall運用も含めたマネージドサービスだったので、自分たちで自由に設定を変更することは許されていなかったという。
「必要な場合はベンダーに依頼を行い、半日後くらいに反映されるという感じでした。しかし業務の都合上、現場から即座の対応を求められることも多く、また経営層から緊急の要請が来ることもあります。そうした場合にはもどかしさを感じるときもありました」(富松氏)

 また、以前は社内にプロキシサーバー2台を設置し、インターネットへの出口にしていた。当初はiPhoneの導入も一部にとどまっていたため、それほど影響はなかったが、全社への導入が進み、インターネットへの接続端末が増加したことで、セッション数が枯渇。勤怠管理の打刻ができないなどのトラブルが発生していた。
「こうした課題を以前から付き合いのあったSIerに相談したところ、『Cato SASEクラウド』を紹介してくれたのです」(富松氏)

 WANの見直しにあたり、同社はCatoを含めて3つのサービスを比較。要件としたのは①現状の物足りないWAN環境の改善、②帯域やインターネットへの出口の確実なコントロール、③通信コストの低減であった。「これらをトータルで行いたい場合、SASEの機能のこれとこれを使うといったように1つのサービスの中から選べるのが理想です。この点、Cato以外は1サービスだけで完結せず、他製品などと組み合わせて実現するものでした。これでは運用も複雑化してしまいます」(島田氏)「製品が複数になると管理画面も複数になり、1つの画面で必要な情報を得ることができません。また、それぞれの操作方法を覚える必要がありますので、慣れていないメンバーでは扱いに苦労しそうでしたし、当社の利用形態からすると規模的にオーバースペックでした。一方、Catoはソケットを接続するだけでSASEに接続する環境を構築できるため、その柔軟性も買って最終的に採用を決めました」(富松氏)

優れたWAN機能、帯域の確実な制御など必要な機能を一つのサービスとして提供

【導入の効果】遅延や音切れなどの問題はすべて解消。帯域の有効活用やコストの削減も実現

 シナネンホールディングスは、2022年10月にSIerの協力のもとPoCを実施。問題なしとみて12月に「Cato」の採用を正式に決定した。2023年3月にまず本社へ展開。7月から他拠点にも拡大し、9月に作業を完了させている。
「Cat oの導入により、ネットワークの混雑やアップデートに伴う遅延はすべて解消されました。ユーザーからもクレームはまったく来ていません」(島田氏)

 Web会議でも、以前のような音切れの問題が解消された。以前は音切れに対処するため、カメラを切ることが多かったが、その必要もなくなったという。
「当社ではWeb会議にTeamsを利用しているのですが、よく音切れが起きたので、別にZoomのライセンスも用意して対応していました。今ではTeamsで快適に会議ができますので、Zoomは必要なくなると思います」(島田氏)

 Catoの導入効果としては、WANの可視化も挙げられる。ネットワークがどのように使用されているのか、具体的に把握できるようになった。
「Web会議の回線使用率が全体の4 ~ 5割を占めていることがわかりました。また、課題であったアップデートに伴う通信は、帯域を絞ることで業務に支障を及ぼさないよう工夫するなど、ネットワークの有効活用につなげています」(島田氏)

 通信コストがかさんでいたSIM通信については、在宅勤務においてCatoのエージェントを使い、VPN経由でアクセスするようユーザーにお願いすることで対処しているという。
「これにより、通信コストを従来比で1/4程度削減できました。また、エージェントを使えば社内と同じ程度のスピード感でストレスなく快適に作業できますので、結果として業務効率の向上につながると思います」(富松氏)

【今後の展開】グループすべてのネットワークをCatoに集約。構成の違いを意識せず統合を進める

 今回のCato導入により、シナネンホールディングスグループにおいて高品質なネットワークとクラウドスケールによる統合されたセキュリティ環境が確立された。将来的には、管轄外の残りの2割についてもCatoへ集約していく方針だという。残り2割のネットワーク構成はバラバラだが、Catoは柔軟な構成が可能だ。基本的に通信キャリア内にSocketを設置するだけで済み、小さな事業所や店舗であればエージェントだけでも対応できる。これによりネットワーク構成の違いを意識せず、統合を進めることが可能になる。
「今後はCASBの導入を目指し、これまでファイアウォールのルールで一律で通信不可としていたものをダウンロードだけ許可するなどセキュリティを高度化し、業務をクラウドへシフトする際の社員の利便性の向上や、iPhone等での業務アプリの利用を見据えたモバイル機器の制御などを進めていきたいと考えています」(島田氏)

User Profile

シナネンホールディングス株式会社
所在地 東京都港区三田3-5-27 住友不動産三田ツインビル西館
導入時期 2023年 3月
URL https://sinanengroup.co.jp
1927年創業。以来、総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループとして、脱炭素社会の実現、顧客のより良い暮らしに貢献できるよう、時代の変化に合わせた対応を続けてきた。現在は、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」を経営理念に、家庭向けエネルギー卸・小売周辺事業、法人向けエネルギーソリューション事業、非エネルギー事業を展開している。

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