Cato Networks

ケイトーネットワークス

ライオン株式会社様

Catoの導入により、SASEを体現する
ネットワーク機能とセキュリティ機能を集約したインフラが実現
全社員が快適にテレワークを行える環境を確立
導入前の課題
  • クラウドサービスが増えていく昨今、DC中心型の拠点間ネットワークの限界を感じるようになった
  • 従来型拠点間ネットワークのコントロールが困難になってきた
  • オリンピック/パラリンピックや新型コロナウイルス(COVID-19)へ対応するため、テレワーク体制を支えられるネットワーク環境が必要だった
矢印:縦
Cato Cloudによる解決
  • ネットワークやクラウドサービスのトラブルが可視化され、自分たちで状況を把握できるようになり、トラブル解決までのスピードが格段に向上した
  • SASEを体現するネットワーク機能とセキュリティ機能を集約したインフラが実現した
  • ネットワークが強化され、全社員が快適にテレワークを行える環境が整った
木場迫 栄一氏

ライオン株式会社
統合システム部情報基盤チーム
チームリーダー
木場迫 栄一氏

椎名 淳之氏

ライオン株式会社
統合システム部情報基盤チーム
椎名 淳之氏

【従来の課題】データ量においてインターネット通信が社内通信を逆転 通信の制御が問題に

日本の大手生活用品メーカーとして、洗剤・石鹸・歯磨きなどトイレタリー用品から、医薬品、ペット用品、化学品まで、幅広いラインナップを展開するライオン。2021年10月に創業130周年を迎える同社は、1891年の創業以来「愛の精神の実践」を社是とし、近年では「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパス(存在意義)を起点に、人々の健康で快適、清潔・衛生的な暮らしの実現およびサステナブルな社会への貢献に向け、さまざまな活動に取り組んできた。
同社は、昨今の急速なデジタル化が進む中で、ネットワークの複雑化・データ量増大、またこれらを対応する要員不足など、多くの課題を認識していたが、これまで行ってきた単純なリプレースなどの対応には限界があると感じていた。
そんな中、オリンピック/パラリンピックに向けたテレワーク環境の強化を求められたことをきっかけとして、リモート環境の強化のみならず、ネットワーク全体を再構築すべく、全社ネットワークの見直しを検討することになった。統合システム部で国内20数拠点を結ぶネットワーク(WAN)と本社・各拠点内のネットワーク(LAN)の運用管理を担当している情報基盤チームチームリーダー木場迫栄一氏は、次のように当時を振り返る。
「ネットワークといっても、LAN・WAN・VPN等、これまで個別での実装でも問題なかったものが、昨今はインターネットが中心となってきたため、境界が無くなっていくものと実感しております。範囲が広くなっていく上、変更に対する機敏性や拡張性など要求は高くなっており、これらを運用する人材確保も難しくなってきます。こういった、多くの課題を解決すべく、デザインレベルで統合されたソリューションがないかと探しておりました。つまり、これまでなかったものです」

【製品の選定】ネットワークの形をインターネット中心に変化させSASEを体現するCatoを採用

ライオンではネットワークの再構築にあたり、その形も変える必要があると考えた。この点について木場迫氏は「従来からのレガシー系ソリューションは、社内ネットワークの延長線上にインターネットがあると捉えていました。しかし実際は、ネットワークの形も運用も変化しているため、これに合わせてソリューションも変わるべきだと、各ベンダに伝えました」と説明する。
また、2020年に開催予定だったオリンピック/パラリンピックに向けて、在宅勤務体制の整備やサイバー攻撃対策の強化が求められていた。そのため、リアルタイムでのネットワーク状況の把握とコントロール、問題発生後の説明責任を果たせることを要件として盛り込んだ。
さらに、インフラはこれまでできていたことを100%継承し、その上で将来やりたいこともしっかりできるものとした。加えて、運用に際して特別なスキルを必要とせず、負荷が増えてはならないという観点から選定を進めたという。
同社は複数のベンダより提案を受けたが、その中で特に目を引いたのがCatoだった。「Catoは、これまでデータセンター中心だったネットワークの形を、インターネット中心に変化させるユニークなものでした。そのポイントはSASE(Secure Access Service Edge)を体現すること、つまりネットワーク機能とセキュリティ機能を集約したインフラであることで、これにより統合管理が実現し、運用負荷が軽減できると考えました。また、低額なコストや短期間の移行も魅力でしたね」(木場迫氏)
また、情報基盤チームの椎名淳之氏は、SDWAN環境における容易な管理のメリットを強調する。
「一般的なインターネットブレイクアウトなどでは、拠点ごとに専用ルーターやファイアウォールなどの機器を設置するため、その管理が必要になります。一方CatoはSD-WANの機能を備えながら、拠点側に機器を必要とせず、PoP(アクセスポイント)との間にVPNを張るだけで済むため、機器管理の手間が不要です」
同社は、マクニカネットワークスが、世界初のSASEベンダであるCatoの一次代理店として早くから取り扱いを開始した実績も評価。2019年12月、Catoの採用を決定した。

【導入の効果】全社員を対象としたテレワーク体制を支えるネットワークが実現 トラブル対応も迅速化

ライオンは2020年初めからCatoの検証を開始したが、当初は同年下期の導入を予定していたという。しかしコロナ禍により状況は一変。全社員のテレワーク対応が必要になったため、前倒しで計画を進めることになった。
もともとモバイルネットワークとしてVPNを導入し、主に外回りの営業担当者向けとして利用されていたが、同環境は全社員の2割程度が利用できる環境であった。しかし、これを全社員対象のリモートワーク用ネットワークにしたことで、当初はアクセス集中によってVPN接続ができないなどの問題が発生していたという。
「そこでCatoのPoCを進めつつ、ライセンス数を一気に拡大していったのですが、マクニカネットワークスには迅速に対応していただき、6月には全社での稼働をスタートできました」(椎名氏)
同社は現在、全国29の拠点で、約5,000ライセンス分を導入している。導入の効果について木場迫氏は、第一にネットワークの強化を評価する。「従来はインターネットの出口のキャパシティが十分でなく、そのままの状態ではテレワーク体制の整備に対応できなかったと思います。今回のCat oの導入により、ネットワークが大幅に強化されたことで、そうした懸念も払拭されました。ユーザからも、ネットワークが遅いとかWeb会議ができないといったクレームは一切ありません」
また、テレワークの対象が急増したにも関わらず、運用負荷は増えていないという。トラブル時の対応も、ネットワークが可視化されたため、自分達で状況を把握できるようになり、解決までのスピードが格段に向上した。さらに、当事者やLAN/ WANの各ベンダにヒアリングしたり、その間を調整したりといった手間も不要となった。
「Microsoft365導入後、ライセンスを追加した際にスパイクが発生しました。従来のネットワーク監視ツールでは原因究明ができなかったですが、Catoではアプリケーションとユーザの通信状況が可視化できるため、問題の発生しているユーザが特定でき、原因の究明に役立ちました」(木場迫氏)
さらに、クラウドの設定なども自分達に管理権があるため、迅速かつ柔軟な対応が行えるようになったのも大きいという。「各部署からネットワークを活用して新しいことをやりたいという声が上がってきていますが、こうした要望にも容易に応えられるようになりました」(椎名氏)

【今後の展開】ネットワーク全体の質のさらなる向上を図る モバイルデバイスへの対応も検討

今回の導入についてライオンは、Catoが新しいソリューションで前例がないにも関わらずうまくいったことを評価している。現在は、MPLSの2系統で構成していたネットワークのうち、1本がCatoに切り替わったところだ。
「WANの再構築は道半ばで、全体の3割程度が完了した程度にとどまっています。今後も、ゼロトラスト環境の基盤となるネットワークの整備をしっかりと進めていきたいですね。再構築が完了した際には、ネットワーク全体の質のさらなる向上が期待できると考えています」(木場迫氏)
今後の課題としては、モバイルデバイスへの対応がある。現場からは、ノートPC以外にもiPhoneやタブレットといったモバイルデバイスの利用を認めてほしいという声が挙がっている。こういった要望をかなえるためにも、同社はCatoでの対応を検討していくとのことだ。

マクニカネットワークスへの評価とご要望

「前例の少ないSASEである、Cato導入時に際しては既存のインテグレーション企業にも説明が必要となります。その際WANベンダなどとも協力し、技術質問に対しても速やかに対応していただきました」
導入決定後も自社の不安を解消すべく、導入提案力と技術サポート力で短期間導入が実現できたのは、ネットワークとセキュリティの経験豊富なマクニカネットワークスの得意な所である。
「これからも先進的な技術を安心して使えるよう「いいもの」の紹介をお待ちしています」(椎名氏)

User Profile

ライオン株式会社
所在地 東京都墨田区本所1-3-7
導入時期 2020年6月
URL https://www.lion.co.jp/ja/
1891年の創業以来、人々の健康で快適な毎日の実現を目指し、商品の提供はもとより、啓発活動やコミュニケーションを通じて「よりよい生活習慣づくり」に取り組んでいる。近年はサステナブルな社会に貢献するべく、2030年に向けた経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」のもと、中期経営計画「LIVE計画(LION Value Evolution Plan)」を策定、推進している。

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