【受動部品(LC)の基礎講座シリーズ】LCの基本 ~Part5 コンデンサーのインピーダンス特性~

インダクター、コンデンサーは電子回路を作るうえでなくてはならない部品です。その動作の基本的な役割を解説します。

今回の内容は、LCの基本Part5”コンデンサーのインピーダンス特性になります。

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理想コンデンサー

理想コンデンサーは容量成分のみで構成されそのインピーダンスは(1)式で計算することができます。

この式から理想コンデンサーは図1のように周波数に反比例して減少していき、限りなく0に近づいていく特性を持っています。

図1 理想コンデンサーのインピーダンス特性

実際のコンデンサー

実際のコンデンサーは容量成分の他に抵抗とインダクタンス成分が存在します。

抵抗はESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)、インダクタンスはESL(Equivalent Series Inductance:等価直列インダクタンス)と呼びます。

実際のコンデンサーの等価回路は図2のようになります。

2 実際のコンデンサーの等価回路

実際のコンデンサーのインピーダンスは(2)式で計算することができます。

(2)式からインピーダンスは(3)式のポイントでZ=Rとなり下限になることがわかります。

このインピーダンス特性を図3で示します。

3 実際のコンデンサーのインピーダンス特性

理想コンデンサー同様に周波数に反比例して減少していきますが、あるポイントを境に上昇していきます。これが(3)式のポイントでこの周波数を共振周波数と呼びます。

この共振周波数におけるインピーダンスがESRとなります。

コンデンサーには多くの種類があり、容量が同一でもESRESLの値が異なってきます。ESRは抵抗成分のため電流が流れると損失要因となります。

コンデンサーは電荷を充放電する部品ですので、充放電の際に電流が流れ込む/流れ出る動作をします。

これはリップル電流と呼ばれ、ESRが大きいコンデンサーはリップル電流の許容値が低くなります。

ESLが大きいと共振周波数は低周波になり周波数特性が悪くなります。

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