【受動部品(LC)の基礎講座シリーズ】LCの基本 ~Part2 インダクターの動作~

インダクター、コンデンサーは電子回路を作るうえでなくてはならない部品です。その動作の基本的な役割を解説します。
今回の内容は、Part2 “インダクターの動作”になります。

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概要

インダクターの動作

インダクターの主な基本動作は2点あります。

エネルギーの蓄積と放出:電源回路ではこの特性を利用して電力変換をおこないます。

インダクターに電流を流すと右ねじの法則に従って磁界が発生し、磁気エネルギーとして蓄積されます。この電流の流れを止めると、蓄積したエネルギーが放出されます。これを利用して電源回路を構成することができます。

周波数によるインピーダンス変化:インダクターはZ=ωL[Ω]でインピーダンスが変化します。

直流は通るが周波数上昇に伴って交流は通りにくくなります。これを利用してフィルターを構成することができます。

インダクターの電圧、電流の関係について

インダクターの両端に発生する電圧はこの式で表されます。

V=Ldi/dt[V]

1μHのインダクターに1A/μsの電流が流した時、両端の電圧は1Vであるという意味です。これをLTspiceを使って確認した結果が図1になります。

1A/μsの電流が流れている時のVLの電圧は1Vで極性が逆になれば-1Vとなり、1A一定の時は電流が流れていてもVLは変化していないことが確認できます。

図1

 

電源回路で使った場合の動作については今後のPartで解説します。

インダクターのインピーダンス特性

上述のようにインダクターのインピーダンスはZ=ωL[Ω]になります。この特性をLTspiceを使って確認した結果が図2となります。
条件は1.59μHで100k~100MHzとします。

1.59μHは100kHzでZ≒1Ωとなり波形を見やすくするために用います。

図2

 

周波数の上昇に伴ってインピーダンスが増えていることが確認できます。

コンデンサーは逆にZ=1/ωC[Ω]でインピーダンスが変化しますので、周波数の上昇に伴ってインピーダンスが減っていきます。

LCフィルターはこれらの特性を利用したものです。

 

この特性は理想的なインダクターの特性になりますので、実際はこの通りの特性にはなりません。

実際の特性については次回Partで解説します。

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