インダクター、コンデンサーは電子回路を作るうえでなくてはならない部品です。その動作の基本的な役割を解説します。
今回の内容は、Part1 "インダクターとは"になります。インダクターは、電源やフィルター回路でサイズが大きいため小さくしたい部品です。しかし、安易に小さくしてしまうと発熱の原因となるので注意が必要です。
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概要
抵抗、コンデンサーとともに代表的な受動部品の一つで回路記号は「L」で表し、単位は「H」(ヘンリー)です。
技術者によってはコイル、チョークまたはLといった呼び方をしますが、基本的には同意語と考えて問題ありません。
回路記号はこのように示されます。
主な用途はフィルター回路、電源回路、高周波回路などに使用されます。
構造
基本的な構造は鉄心(コア)にマグネットワイヤーをコイル状に巻いた構造になっています。以下画像はウルトエレクトロニクス社のWE-MAPIシリーズの製造工程の流れを示しています。
以下で動画視聴もできます。
製造工程の流れ


リードフレームを無くすことで、表面実装に重要なコプラナリティを確保


ハンダや溶接は使わず金属同士を接続させて信頼性を向上


高電流のためにコアの特性を最大限に活用


コイルの径を広げることで、インダクタ値の向上


コイル全体を金属粉で包むことでEMI性能の向上


保護コーティングにより、堅牢性の向上
インダクタンス、電流、大きさの関係
インダクタンス、電流、大きさの関係を知るために二つ理解する必要があります。
・インダクタンスは鉄心の性能(形状、材質等)と、巻数の二乗で得ることができる。
・マグネットワイヤーの抵抗値は断面積と長さに依存する。
それぞれの計算式は以下のようにに表されます。
AL値:鉄心の性能(透磁率、断面積、磁路長)により決まる値。
N:巻数
ρ:抵抗率
S:断面積
ℓ:長さ
例えば1μHのインダクターを4μHにするためには、巻数を2倍にすればいいことがわかります。しかしながら、鉄心の形状から巻線スペースは限りがありますので、2倍の巻数にするためには単純計算で半分の径のマグネットワイヤーに変更する必要があり、また長さも2倍になるため抵抗値は8倍になります。
抵抗に電流が流れるとP[W]=RI²の損失が発生しますので、インダクターの発熱が大きくなります。インダクタンス値や電流定格を増やすためにはサイズが大きくなってしまうことがわかります。
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