車載や産業機器へ応用が期待されている、「ミリ波センサー」。
注目されているのは知っているけど実際どのようなセンサーなのか分からない方も多いのではないでしょうか。
今回はそもそもミリ波とは何か、ミリ波センサーの特長や応用アプリケーションについてご説明します。最後にはTexas Instruments社(以下TI社)のおすすめミリ波センサー評価モジュールもご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
ミリ波とは?
ミリ波とは周波数帯が30GHz~300GHzの電磁波のことです。非常に高い周波数の電波は直線性が強く、電波なのにレーザーの如く扱うことができます。また波長にすると1~10mmとなることから、「ミリ波」と呼ばれています。
ミリ波を用いたミリ波センサーは離れた対象物との距離、速度、角度を測定する事が可能です。
ミリ波センサー 動作原理
対象物との距離を測定する場合を例に、ミリ波センサーの実際の動作をご紹介します。
- シンセサイザーでミリ波の信号を生成
- TXアンテナから電波を送信
- 対象物で反射した電波をRXアンテナで受信
- [2]と[3]の信号を組み合わせてIF信号(計算に使用する信号)に変換
- IF信号を計算して対象物との距離に変換
ミリ波センサーの特長
では多数あるセンサー種類の中で、ミリ波センサーを使うメリットはどこにあるのか、3つの特長を見てみましょう。
特長1:耐環境性に優れている
ミリ波は直線性が強いため、雨や雪が降っている悪天候な状況でも、遠くまで検出することが可能です。またミリ波は光ではなく電波なので、トンネルのように照度が急激に変化する環境でも、明るさに左右されず検出できます。
特長2:高精度
短波長のため高い精度での検出を実現でき、最小で0.1mm単位の動きを検出することが可能です。
特長3:アンテナの小型化が可能
無線アンテナの長さは電波の波長に依存しており、ミリ波は非常に短波長なのでアンテナを小型にできます。その結果基板面積を小さくできます。
ミリ波センサーのアプリケーション応用例
トラフィックモニタリング
耐環境性があり高精度な特長を活かし、道路や交差点にミリ波センシング機能を追加することで、自動車の交通量を計測することができます。
ドローン/ロボット
高精度や基板面積を小型にできる特長を活かし、ドローンやサービスロボットにミリ波センシングを搭載することで障害物との距離を正確に測り、より高度な操作やナビゲーションをすることが可能になります。
この他にも測定/測量用途でレベルセンシングや、周囲監視用途でビルディングオートメーションなど様々な分野・アプリケーションで応用が期待されています。
TI社ミリ波センサー評価ボード
IWR1443BOOST
産機向けIWRシリーズ IWR1443は、シングルチップで内部ハードウェアアクセラレータを搭載しているミリ波センサーで、評価ボードにはアンテナやマイコンへの接続インターフェースを搭載しています。本ボードとTI社提供のオンラインツール "mmWave Demo Visualizer" を用意すればすぐ動作検証が可能なので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
ミリ波センサーで新たな付加価値を!
ミリ波センサーの特長やアプリケーション例などをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
ミリ波センサーを製品に取り入れることで、今までになかった付加価値を生み出すことが可能です。
産業用ミリ波センサ、評価ボードなど、どのようなことができるかについて詳しく知りたい方は、下記の記事にて動画でミリ波センサーを用いたジェスチャーセンシングの活用イメージ例をご紹介しております。医療現場や工場での用途を想定したデモですので、ぜひ本記事と併せてご覧ください。
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