TIのArm® Cortex® -A 汎用プロセッサ 開発/評価ボード 4選

本記事では、Texas Instruments社(以降TI社)のArm® Cortex® -Aシリーズを搭載した汎用プロセッサ「Sitara」シリーズの開発/評価ボードについて紹介します。

Sitaraシリーズの製品は、動作周波数が300MHz~1.5GHzまでラインナップがあります。また、ペリフェラルも高機能なものから最適化した低価格なものまで豊富に提供されているため、お客様の検討されている仕様に合わせて最適なデバイスを選んでいただくことが可能です。

さらに、内蔵のコプロセッサPRU-ICSSによって、EtherCATやProfinetなどの、複数の産業プロトコルをサポートしている点も大きな特長です。そのため、Sitaraシリーズの製品は、コンシューマから産業用途まで、幅広いアプリケーションの開発に使用していただけます。

Arm® Cortex® -Aシリーズのプロセッサ開発を検討されている方は是非参考にしていただければと思います。

Arm® Cortex® -A8プロセッサ AM335xシリーズ

AM335xシリーズは、Arm® Cortex® -A8を搭載したプロセッサです。3D グラフィックスオプションに加え、最大でデュアルコアPRU-ICSSを搭載しており、高集積かつ低コストなシリーズになっております。

TMDSSK3358:初めてプロセッサを触る方におすすめ!

TMDSSK3358

AM335xシリーズは、ARM® Cortex® -A8を搭載したプロセッサです。3D グラフィックスオプションに加え、最大でデュアルコアPRU-ICSSを搭載しており、高集積かつ低コストなシリーズです。

AM335xシリーズで開発を始めてみたい方は、TMDSSK3358がおすすめです。

TMDSSK3358 の特長

・AM3358 プロセッサ
・256MB DDR3
・4.3 インチ LCDタッチスクリーン
・オンボードエミュレータ

 

Arm® Cortex® -A9プロセッサ AM437xシリーズ

AM437xシリーズは、Arm® Cortex® -A9を搭載したプロセッサです。バーコードスキャン等が実現可能なカメラインターフェースに加え、セキュアブートオプションも搭載しており、バーコードスキャナやナビゲーションシステムなどに最適です。

TMDXSK437X:カメラを使ったアプリケーションの評価に最適

TMDXSK437X

AM437xシリーズで開発を始めてみたい方は、TMDXSK437Xがおすすめです。

TMDXSK437X の特長

・AM4378 プロセッサ
・1GB DDR3L
・4.3 インチ 静電容量式タッチスクリーン LCD
・64 MB QSPI-NOR フラッシュ
・オンボードエミュレータ

Arm® Cortex® -A15 + DSP プロセッサ AM57xシリーズ

AM57xシリーズはArm® Cortex® -A15とDSPコアを搭載したプロセッサです。DSPコア、および各種マルチメディア向けハードウェアアクセラレータを搭載しており、シンプルなディスプレイから、3D グラフィックと HD ビデオを搭載した高性能 HMI に至るまで幅広く対応することが可能です。

TMDSEVM572X:ビデオ解析や画像処理といった映像を使った評価におすすめ!

TMDSEVM572X

AM57xシリーズで開発を始めてみたい方は、TMDSEVM572Xがおすすめです。

TMDSEVM572X の特長

・AM5728 プロセッサ
・2GB DDR3L
・7 インチ WVGA 静電容量式タッチスクリーン LCD
・3M ピクセル・カメラ・モジュール (オプション)を装着可能
・4GB eMMC

※JTAGエミュレータが別途必要になります

産業用通信プロセッサ AMICシリーズ

AMICシリーズは、Arm® Cortex® -A8を搭載し、産業用通信に特化させたプロセッサです。
産業用通信にマルチプロトコルで対応可能なPRU-ICSSを搭載しており、EtherCATやEthernetIP、Profibusなどに柔軟に対応させることが可能です。

TMDXICE110:産業通信を簡単に評価したい方におすすめ!

TMDXICE110

AM335xシリーズで開発を始めてみたい方は、TMDXICE110がおすすめです。

TMDXICE110 の特長

・AMIC110 プロセッサ
・512MB DDR3と8MBのSPIフラッシュ
・2 ポートの10/100 産業用Ethernet

※JTAGエミュレータが別途必要になります

JTAGエミュレータが必要な製品には TMDSEMU110-U がおすすめ

作成したソフトウェアのデバッグを行うために、JTAGエミュレータが必要です。

紹介した評価ボードの中では、ボード上にJTAGエミュレータを実装した製品もありますが、実装されていない製品については、下記の表に記載したTI社のJTAGエミュレータが必要になります。通信速度(最大TCK)によってラインナップが分かれておりますので、用途に合わせてお選びください。
もし、簡単なデバッグ用途のみであれば、TMDSEMU110-Uで問題ありません。

TMDSEMU110-Uの購入はこちら

TI社のJTAGエミュレータラインナップ 一覧
型  番 対応シリーズ 機  能 対応JTAGヘッダ

対応CCS

MSP430

MSP432

C2000

Tiva

Sitara

DaVinci

OMAPL1x

C6000

KeyStone

C5000

SimpleLink
(Arm® core®)

最大TCK [MHz]

PC Interface

Powered by

14pin for MSP430

14pin TI

20pin TI

60pin TI

10pin Arm

20pin Arm

60pin MIPI

Arm® Cortex® 20pin

TMDSEMU110-U   2.5 USB USB         V6.1
以降
TMDSEMU200-U   20 USB USB         V5.2
以降
TMDSEMU560V2STM-U     50 USB 外部
電源
        V4.2
以降
TMDSEMU560V2STM-UE     64 USB
Ether
外部
電源
      V4.2
以降

こんなことができる!Sitaraシリーズのリファレンス・デザイン

TI社ではTIのデバイスを使用したリファレンス・デザインを公開しています。設計ファイルやソースコード、テストデータも公開されていますので、様々な開発の参考にしていただくことが可能です。

今回は、その中で特長的なリファレンス・デザインをピックアップしました。

AM335xシリーズによるIoTゲートウェイ

AM335xプロセッサとSub-1GHzのワイヤレスマイコンCC1350の評価ボードを使ったリファレンス・デザインです。最大1kmの直線見通し距離のセンサからのデータをクラウドに送信することが可能です。

[使用している評価ボード一覧]

  • Beagle Bone Black(AM335xプロセッサ搭載)
  • LAUNCHXL-CC1350
  • LAUNCHXL-CC1310
  • CC1350STK


リファレンス・デザインの詳細はこちら

AM335xシリーズによるIoTゲートウェイ
構成イメージ図

AM57xシリーズによる3D マシンビジョン

AM5728プロセッサとDLP4500の評価ボードを使用し、3Dマシンビジョンを実現するリファレンス・デザインです。DLP4500で投影させた光をカメラの画像から解析することで、3Dスキャニングを可能にします。

このリファレンス・デザインは、工場での部品検査や医療用途などに応用することが可能です。

[使用している評価ボード一覧]

  • TMDSEVM572X
  • DLPLCR4500EVM


リファレンス・デザインの詳細はこちら

AM57xシリーズによる3D マシンビジョン
出典:TI社”3D Machine Vision Reference Design Based on AM572x With DLP Structured Light”

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