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WEBENCH® Power Designer(以下WEBENCH® )は、Texas Instruments社(以下TI社)が提供する電源製品向け回路設計・シミュレーションツールです。

WEBENCH®の使い方-電源設計-応用(1)-Simulationが役立つ場面ではWEBENCH® で活用できるシミュレーションについて紹介しました。本記事ではシミュレーションの結果と実機(評価ボード)で測定する値はどのくらい近い値になるのかを検証します。TI社電源製品TPS62140を用いて、負荷応答特性 "Load Transient" の結果を比較します。
ぜひご覧ください。

負荷応答特性を選んだ理由

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プロセッサイメージ

昨今、低消費電力を実現するための省電力モードを備えたマイコン・プロセッサが増えてきています。スリープモードから起動するマイコン・プロセッサに対し電圧を供給している電源ICは、求められる電圧を瞬時に、かつ安定して供給しなければならず、"負荷応答" に対する要求が厳しくなってきています。

TI社では、高速負荷応答かつ高精度な出力電圧を実現するDCS-Control™ トポロジ採用の電源製品を提供しています。

DCS-Control™の概要はこちら

とはいっても、実際のデバイス検討では、データシートやドキュメントの記載だけを参考にするのではなく、評価ボード上やお客様の基板上で負荷応答特性はどのくらい良いのかという点を必ず評価されるかと思います。

そこで我々はWEBENCH® シミュレーションの活用をご提案するとともに、実機測定結果と比較することでWEBENCH® で高精度なシミュレーションが可能であるということをご紹介していきます。

WEBENCH® でシミュレーション結果を確認

実機測定の前に、まずはWEBENCH® でシミュレーションを行います。

デバイスの選定

以下の条件を想定し、最適なデバイス "TPS62140" を選定しました。

  • VIN=12V
  • VOUT=1.2V (±3%)
  • IOUT=2A


VOUTの±3%は、後段にあるとしたプロセッサの入力電圧許容範囲を1.2V±3%(1.164~1.236V)と想定します。

WEBENCH® でシミュレーションを開始

TI社 オフィシャルサイトのTPS62140製品ページより条件を入力し、「設計を開く」をクリックするとWEBENCH® 画面が立ち上がります。

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TI社 オフィシャルサイト TPS62140製品ページ

WEBENCH® 画面でシミュレーションをクリックし、メニューから「Load Transient」を選択、「新しいシミュレーションを開始」をクリックします。

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シミュレーション開始手順

シミュレーション結果を条件に合わせて調整

WEBENCH® のデフォルト設定でシミュレーションを実施すると、VOUT値はオーバーシュート・アンダーシュート共に条件である1.2V±3%以内に収まりませんでした。
そこで、インダクタや出力コンデンサなどの周辺デバイスの定数変更を行い、1.2V±3%以内に収まるよう調整をしました。

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負荷応答特性 シミュレーション 波形結果(左:定数変更前 / 右:定数変更後)

実際に変更した内容は以下の通りです。各定数は使用したい、または入手可能なデバイスの定数に変更しました。

  • L1 : 1.0uH(FDSD0412-H-1RMR)※
  • Cin : 10uF(TMK316BJ106KL-T)
  • Css : 220pF(C1608C0G1H221J080AA)
  • Cout : 47uF(GRM32ER61A476KE20L)


※WEBENCH® にFDSD0412-H-1RMRが未登録の為、Customで設定しました

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シミュレーション時の回路図(定数変更前)
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シミュレーション時の回路図(定数変更後)

以上で実機測定結果と比較するシミュレーション結果の準備ができました。

  負荷応答特性
アンダーシュート [V] オーバーシュート [V]
1.2V±3%
(条件)
1.164 1.236
定数変更前(WEBENCH® デフォルト) 1.151 1.266
定数変更後(実機測定結果と比較) 1.179 1.223

いざ実機で測定!

TPS62140の評価ボード "TPS62140EVM-505" とシミュレーションで使用した各部品を調達し、評価ボード上で部品の載せ替えをしました。下図のとおり測定環境を整え、負荷応答特性の測定をします。

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負荷応答特性の測定環境

シミュレーション結果と実機測定結果を比較

実機測定結果は以下波形の通りでした。実機測定結果も条件範囲に収まりました。

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負荷応答特性 波形結果(左:シミュレーション / 右:実機測定)

VOUT値のアンダーシュート・オーバーシュートをシミュレーション結果と比較しても、大きな誤差はありませんでした。

  負荷応答特性
アンダーシュート [V] オーバーシュート [V]
WEBENCH® シミュレーション 1.2230 1.1790
実機測定 1.2256 1.1792


※本結果は測定環境にも依存する為、電気的特性を保証するものではございません。

最後に

WEBENCH® のシミュレーション結果は、あくまで参考情報としてご使用いただいておりますが、実機測定結果に非常に近い値を知ることができます。製品検討段階や設計基板がまだ手元にない段階からご利用いただけますので、ぜひWEBENCH® をご活用ください。

WEBENCH® をお使いになる場合、事前にmyTIにご登録頂く必要があります。
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TPS62140EVM-505

※以下はいずれも1個単位から購入できますが、フルリールの個数が異なるため別の型番となっています。
 製品のスペックに差異はありません。

TPS62140RGTR
対応温度範囲:-40~125℃(リール をすべて購入するには、3000 の倍数で注文してください)

TPS62140RGTT
対応温度範囲:-40~125℃(リール をすべて購入するには、250 の倍数で注文してください)